「超」算数道場 ジャマイカについて
こんにちは。TESTEAの繁田です。
「超」算数道場のウォーミングアップで最初に行うジャマイカというゲームについてご説明いたします。
ジャマイカとは、上記の道具を使っておこなう計算ゲームです。
ルールとしては、「白のサイコロの数字5つをすべて使った四則演算で、黒のサイコロの数字の合計をつくる」というものです。
むかし「きっぷの数字で10をつくる」みたいなゲームがありましたね。
あれの現代版(?)です。
上のように出た場合は、
「1,3,4,5,6で15をつくる」
ということになります。
※サイコロなので「6」にも「9」も見える数字はすべて「6」です。
1,3,4,5,6をすべて使って15になるよう、+、-、×、÷、()を使って式をつくります。
※1と3で「13」や「31」にするような使い方はダメです。
実はこれは3月18日の「超」算数道場で出た数字です。
さあ、どんな解答が考えられるでしょうか?本日の参加者から挙がった解答を見ながら説明していきます。
問題:「1,3,4,5,6で15をつくる」
① 5×3×(6-4-1)=15
まずはこんなのがあがりました。
5×3でいきなり15をつくってしまうパターンですね。
ただ、すべての数字を使うのがルールですから、残った6と4と1を使わなくてはいけません。
そこで、6-4-1で「1」をつくり、それを最後にかける形をとりました。
この「1」はジャマイカでポイントとなる数字で、とても便利です。
② 5×6÷(4-3+1)=15
5×6で30をつくり、それを2で割って15にするパターンです。
②’ 6×5÷(4+1-3)=15
②と似た式としてこんな例があります。
5×6をひっくり返して6×5、()の中も順番を入れ替えただけです。
単に計算の順番を入れ替えただけの②と②’は、違う式と言えど「兄弟」みたいなもので、算数道場でのジャマイカのルールでは「同じもの」とみなします。
③ 6÷3×5+4+1=15
10を作ってから、4と1を足すパターンです。
①や②とは構造がちがいますよね。こういうのは新たなパターンとしてOKです。
①’ (1+4)×(6-5)×3=15
さあここで、こんな式を挙げてくれた人がいました。
これについて私は「実はよーく見ると、①と同じだよね」という話をしました。
その時は音声状態があまりよくなかったので(ごめんなさい)、ここで改めて説明します。
①’の式は、3の位置を変えると(1+4)×3×(6-5)=15となります。
つまり①と①’は、いずれも5と3と1をかけて15をつくっているのがわかりますか?
① 5×3×(6-4-1)=15
①’(1+4)×3×(6-5)=15
2つを並べてみました。
・①の方では、最初に単独の「5」を持ってきて、後ろの()のなかで「-4-1」として5を引いています。
・一方①’の方では、最初に「1+4」として5を置いて、後ろの()のなかでは単独の「5」を使って5を引いています。
要は、①と①’は、5と「1,4」の位置が入れ替わっただけなんです。
ちょっと難しいですが…わかりますか?
これは「兄弟」というより、「いとこ」くらいの感じですね。
でもこれも算数道場では「同じもの」とみなすことにします。
④ 6×(3+1)ー(5+4)=15
こんなのも出ました。24を作ってから9を引くパターンです。いいですね!
ちなみに後ろの()をはずした 6×(3+1)-5-4=15 は、④と同じものとみなします。
5と4を足してから一気に9を引くか、5を引いて4を引いて合わせて9を引くかの違いで、本質的には同じだからです。
また、①と①’の話で書いたように、6×4-(5+3+1)=15 というのも同じです。「4」と「3,1」が入れ替わった「いとこ」のパターンです。
ここまでが本日挙がったパターンでした。他にもあります。
・4×(3+1)+5-6=15
・(4+6-1)×5÷3=15
・6×5×(3-1)÷4=15
このあたりはどうでしょう。45や60をつくってから15に持ってくるパターンは気持ちいいですよね。
このように「一度大きい数字まで到達してから降りてくる」パターンは、芸術点の高いはなまるの式です!
ちなみに1つの問題であまり長い時間考えすぎると疲れてしまうので、1問あたり制限時間は5~10分がおススメです。
同じ数字の組み合わせでも、色々なパターンの式をつくることができるのがジャマイカの面白さです。
このジャマイカのトレーニングで計算力がアップするのはもちろん、色々な角度から仮説を立てて試してみるトライアンドエラーの力も身につきます。
ぜひ、これを機に訓練してみてはいかがでしょうか。
実はサイコロが1つあればジャマイカと同じことをやることもできます。
最初に出た目×10を真ん中の黒、2番目に出た目を外側の黒ということにして、その合計をあと5回振って出た目でつくるとすればよいのです。
「超」算数道場のウォーミングアップで明日からも扱いますので、よかったら練習してみてください。
以上、ジャマイカについてでした!