みなとみらい校ブログ

過去問は本当に今からやるべきなの?

こんにちは、みなとみらいの中学受験特化の個別指導塾TESTEAです。

 

6年生はこの時期になれば、志望校の過去問をもう解き始めている人もいることでしょう。

一般的には「秋から」と言われるので、まもなく開始しようと考えている人も多いかもしれませんね。

たしかに、もっとも標準的なスタートのタイミングは6年生の9月です。

 

大手塾のカリキュラムでは8月までで受験に必要な単元学習が一通り終わり、9月から日曜日の志望校別特訓も始まります。

過去問演習へと意識が向くのも自然な流れですよね。

 

ただここで考えてほしいのは、本当にこのタイミングで過去問演習をすることが、その子にとって最適な勉強内容なのかということです。

 

実際にテスティーでは、本格的な過去問演習を11月~12月まであえてやらずに、第1志望校合格を勝ち取る生徒もたくさんいます。

 

これらの生徒に共通するのは、「9月時点では過去問と戦えるだけの力が備わっていなかった」ということです。

 

具体的には、

「合格ライン(合格最低点)の7割以下しか得点できない」

というのがひとつの基準です。

 

この状態でやみくもに過去問演習をやると、過去問を解きつぶしてしまう上に、自信もどんどん失っていくというダブルパンチが発生します。

これは効果的な過去問演習とは言えません。

 

ではどうすれば過去問を有効活用できるのでしょうか?

 

ここで過去問演習の目的を整理しておきます。

過去問演習をする目的は、主に以下の3つになります。

 

1.出題傾向を理解し、対応力を身につける

2.戦う相手(志望校)のレベル感を知る

3.仕上げで自信をつける

 

これらは時系列で言えば2.1.3.の順なのですが、

もっとも重要度の高いものを1.に持ってきました。

順番に説明していきます。

 

■出題傾向を理解し、対応力を身につける

過去問演習の最も重要な目的と言っても良いでしょう。

・何分で何問くらい解かなくてはいけないのか

・何点くらいとらなくてはいけないか

・どのような問題構成か(□1が計算で、□2が小問集合で…の把握)

・頻出分野はどこか

・難易度はどれくらいか

 

このあたりのことを、過去問を解く中で体得していくわけです。

 

特に大切なのは頻出分野と難易度を理解することで、「その学校でよく出される分野とレベル」を体感しながら自分の課題を抽出し、弱点補強などの具体的な対策につなげていくことになります。

 

得点力をアップさせるにあたり一番効果的な対策は、「頻出かつ弱点」のものを徹底的に鍛えることですからね。

 

過去問をやってみて自分の弱点分野を知る

→その分野を集中的に学習し直して対策する

→別の年の過去問をやったらその分野を正解できるようになった!

 

というのが理想的な過去問演習のサイクルです。

 

ただしこのサイクルを効果的に回すためには、ある程度は取れるレベル感にあることが大切です。

それが上で挙げた、「合格ライン(合格最低点)の7割」という基準です。

 

7割以上取れるレベル感にあれば、過去問演習→対策→過去問演習のサイクルが有効に機能し、得点力はアップしていくでしょう。

 

■戦う相手(志望校)のレベル感を知る

この目的を果たすために、レベルが全然届いていなくてもとりあえず1年分やってみる価値はあります。

上で書いた、

・何分で何問くらい解かなくてはいけないのか

・何点くらいとらなくてはいけないか

このあたりを身をもって知るということですね。

 

全然取れなかった場合、危機感を抱かせることもできます。

(もちろん、その時にはうまく励ます必要があります)

 

これに関しては、扱う年度は一番古い年度のものがよいでしょう。

ただしある年から傾向がガラッと変わっているような場合には、今の傾向になった一番古い年を選ぶようにしてください。

 

■仕上げで自信をつける

1.の過去問演習を有効に機能させて力をつけたら、最後1月にやるのがこちらですね。

最新年度の過去問を温存しておき、初見で解いて合格点に達することができるのが一番の理想形です。

本番に向けて大きな自信になることでしょう。

 

ただし、そうならない場合もあります。

直近では合格点を取れることが多くなっていたのに、たまたまうまく噛み合わない回だったりとか。

そんな時にはもう1年分、すでに解いた年度のものでもOKです。

 

自信をつけさせるのが目的ですから、点数が取れるポジティブなイメージを持って本番に臨めると良いですね。

 

「これだけ出来るようになったんだよ!」

と成長した点を強調し、いい気持ちで本番に向かえるように子どものメンタルを持っていくのは親や指導者の大切な仕事になります。

 

以上、過去問演習の目的を3つ書きました。

今回のテーマである過去問の開始時期という話に戻ると、まずは2.の目的で1年分やってみて、その結果を見て1.の本格的な過去問演習に入ってよいかどうか判断することをオススメします。

もし「合格最低点の7割」のラインに満たない場合には、9~10月には先に基礎固めや分野別の対策でベースアップを図って、11月以降に本格的な過去問演習に入る形でも大丈夫です。

 

「秋から過去問」という情報だけに惑わされて、

変に不安になりすぎることのないようにしてくださいね。

「急がば回れ」の精神が大切です。

 

ただいずれにせよ、秋から志望校を意識した対策を進めていくことは、確実に合格力に直結します。

今のお子さんの状態に合わせてやるべきことをきちんと見極め、ぜひ充実した秋の勉強を進めてくださいね。

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