サピックス(SAPIX)の休校にあたり思うこと
サピックス小学部が休校となりました。
私はサピックスができた年に入塾し(当時4年生)、サピックスの3期生として28年前に中学入試に挑み、開成、筑駒、灘、慶應義塾中等部等に合格して開成に進学しました。
また、東大に合格した時は、合格発表の翌日からサピックスに挨拶に行って、当時の恩師の指導のもと講師としての研修に励んだものです。
講師になってからは4年間、Aコースからα1コースまで、算数講師として活躍の場を与えていただきました。
この時の経験が、テスティーを立ち上げる原体験にもなっています。
テスティーを開校してからは、サピックスの生徒たちをたくさん預からせていただきました。
大手集団塾との併用パターンでは、サピックスの子が一番多いです。
サピで生徒として学び、サピで講師として育ててもらい、今はサピとタッグを組んで生徒を育てている。
私の人生を語る上で、サピックスは欠かせない存在です。
そんなサピックスが休校。
対面授業にこだわるサピックスが休校というのは、今回のコロナウイルスの流行がいかに大変な出来事であるかを物語っています。
動画授業でサポートしているようですが、準備時間の関係でサピックスのウリである「レベル別の授業」には至っていないようで、上位コースの子には物足りなさが否めないでしょう。
また、これはどのコースの子にも言えることですが、普段の対面授業から一方的な動画解説になって、モチベーションを維持するのが大変だと感じている人は多いと思います。
もっともこれはサピックスに限らず、普段の学習環境が少なからず奪われてしまっている子どもたちすべてに言えることだと思いますが。
こういう状況になると、子どもたちの間にはっきりと格差が生まれてしまいます。
家で1人で勉強できる子と、みんなに流されていたからこそ勉強できた子の差です。
後者のタイプをもう少し具体的に言うと、塾に行って勉強するのは楽しいけど、家で宿題をやるのは嫌いという子です。
そういう子ってたくさんいますよね。
決してそういう子がダメな子というわけではないのです。
大人だって、1人で黙々とやるのが好きなタイプもいれば、チームで何かを成し遂げるのがモチベーションにつながるタイプも
それぞれ自分の特性に合ったやる気の出し方をすれば良いだけのこ
しかし、今、
場の力があれば輝ける子が、輝けなくなってしまっている。
それはとてももったいないことだと思います。
せめてオンラインでできることをと思い、3月に実施して大好評だった算数道場を再開し、オンライン上で皆で学べる場をご用意しました。
火曜日、水曜日、木曜日、それぞれ17時~18時半のコースを用意したのですが、たくさんのお申込をいただき、そろそろ満席になりそうです。
また、TESTEA生にはオンライン自習室を月~土の14時~18時で開放し、オンライン授業のWEB個も、仕組みを強化して実施中です。
どうなるかわからないコロナ後のこれからの世界、企業の在り方も、子どもの学び方も、変化に適応していく必要があるのでしょう。
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生き残る種とは、
最も強いものではない。
最も知的なものでもない。
それは、変化に最もよく
適応したものである。
-ダーウィン-
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今回のコロナが成長のきっかけになったと後で振り返って言えるような生徒をたくさん育てていけるように頑張ります。もちろん健康には十分気を付けつつ、ですね。
そういえば、私が中学受験をした年は、2月1日に大雪が降りました。
その結果、開成の入試がなんと2月2日に延期になったのです。
(当時の開成は2月2日に面接試験というものが設定されていたので、併願には影響ありませんでしたが、それでも前代未聞の出来事です)
さらに2月2日は、朝の5時に震度5の地震が…
そんな山あり谷ありの入試を潜り抜けた生徒たちだったからか、我々の学年はタフな連中が多かったように思います。
中学入試から6年後の現役での東大合格者数も、過去最高の人数だったと記憶しています。
変化(イレギュラー)に適応できることは、やはり強いのかもしれませんね。