集団塾と個別指導塾、その選び方の基準とは?
こんにちは。
個別指導塾テスティー塾長の繁田和貴です。
先日の講演会で、質疑応答の時間を設けた際、こんな質問がありました。
「うちの子には集団塾と個別指導塾、どちらがよいですか?」
これは色々な機会で多く寄せられる質問なので、皆さんにも判断基準をシェアすべく、今回の記事はこのテーマで書きたいと思います。
集団塾と個別指導塾、どちらがよい?
結論から言って、どちらがよいと一概には言えません。
そこで、以下では学年によって場合を分けながら、お伝えしていこうと思います。
3年生以下の場合
私はまずは集団塾に行ってみることをお勧めしています。
3年生以下は勉強への興味関心を高めることが特に大切で、集団の中で友達と楽しく学ぶことはとても有意義です。
実際に初めてみて、お子さんが毎週の通塾を楽しみにしているようであれば、そのまま集団塾を続けるのがよいでしょう。
しかし、もし集団の中で委縮してしまう、学力的に授業の内容が理解できていない、
などの様子が見受けられる場合は、個別指導への切り替えを検討してみてください。
3年生までは本格的な受験勉強の前の助走期間ですから、
まずは本人が楽しく学べることが一番です。
4年生以上の場合
もっとも重要な判断基準は「成績」です。
そこで、以下のように4年生以上の生徒を5つのレベルに分けてみました。
- A:成績上位(偏差値63以上)…集団塾向き
- B:成績中上位(偏差値55~63)…集団塾+個別指導併用向き
- C:成績中位(偏差値46~55)…集団塾+個別指導併用向き
- D:成績中下位(偏差値40~46)…個別指導塾向き
- E:成績下位(偏差値40未満)…個別指導塾向き
(偏差値は四谷大塚基準)
タイプ別のおすすめ
仮に以上のように分けた場合、
となります。
生徒ごとの個性もあるので、
100%これが当てはまるとは言いませんが、
概ねこのように考えて問題ありません。
以下、それぞれのレベルの子の特性について見ていきましょう。
Aレベル
Aであれば、集団塾が明らかに向いています。
このレベルの学力層の子が狙う学校は、小6にもなれば
「志望校別コース」が集団塾の中に存在している可能性が高いです。
そのコースを活用し、同じ学校を目指す仲間と切磋琢磨しながら頑張るのが一番でしょう。
Bレベル
Bも集団塾だけでやれる生徒です。
ただしこのゾーンの生徒は、何か弱点教科を抱えている可能性があり、
その教科について個別指導塾を併用して補強するのは、
4~5年生ならその先に登場する応用問題への対応力をあげるためにも、
6年生ならワンランク上の志望校を目指していくためにも効果的です。
Cレベル
特に5年生以上なら個別を併用したいところです。
特に弱点強化について、集団塾の授業中に理解しきれずに
帰ってきている内容が存在している場合が多いです。
個別指導でそのフォローアップをすることによる効果は絶大です。
このゾーンには多くの生徒がいるので、
得点が伸びた時の順位の上がり幅は必然的に大きくなり、
頑張りを成果として実感しやすくなります。
そうなればモチベーションも上がり、
好循環に入っていくことができるのです。
一方で、得点が下がった時の順位の落ち方も大きいです。
うまくフォローしないと、
そのままズルズルと行ってしまうこともあり得ます。
上に行くか下に行くか、
その分水嶺にいるCの生徒は頑張りどころですね。
でもまだ集団塾をうまく活用していけると思います。
D・Eレベル
過去に何例も見てきましたが、個別指導の方が合っている子が多いです。
集団塾に行っている場合には、思い切って個別に切り替えることで吉と出る可能性が高いです。
大手集団塾のカリキュラムはこのゾーンにいる生徒に優しくないのも事実です。
立ち止まってじっくり考えたり、過去の内容に遡ったり、
問題を取捨選択して進めていかないと、
いつまでたっても身につかないことになりかねません。
また、6年生になってからの志望校対策も、
大手塾では志望校のコースが存在しない場合が多く、
効率的におこなうのは難しいです。
正しく志望校対策をすれば偏差値で10程度はひっくり返せる
という事例をたくさん見ているだけに、これは本当にもったいないことだと思います。
フィギュアスケートの羽生結弦選手にスピードスケートを練習させる必要はありません。
体操の白井健三選手にあん馬や鉄棒を練習させる必要もありません。
北島康介選手にクロールをさせる必要もありません。
でも、集団塾の中下位コースの志望校対策は、これと同じことをやっているのです。
もちろん、集団塾も悪気があってそうしているわけではなく、
授業の仕組み上、そうならざるを得ないのです。
まとめ
DやEのゾーンにいる生徒さんは、勇気を持って集団から個別に切り替えることを検討してみてください。
中学受験の合格実績があり、教室長や講師スタッフの人柄が信頼できる塾なら、
きっとよい選択となるはずです。
費用面は気になるかもしれませんが、
「私立中高に通わせる。そのために中学受験をする」ということ自体がお子さんへの投資です。
であれば、お子さんの勉強にとってベストとなる選択をしてあげてください。
「今までできなかったものが、きっかけひとつでできるようになる」その成功体験はかけがえのないもので、
成功体験を得ることは志望校合格と同じくらい大切な中学受験の意義だといえます。
学校の新学年も始まり、色々と環境の変化があるタイミングだと思います。ぜひお子さんにとってベストな形を見つけてあげてくださいね。
それでは!
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