目標達成の確率を ガツンと上げる “if then”プランニング法
こんにちは。
個別指導塾テスティー塾長の繁田和貴です。
忙しい時期のパフォーマンス向上法
さて、忙しい時期に予定が思い通りに進められないことって受験生にもありがちな悩みですよね。
そこで、今回は忙しい時期にもパニックにならず、与えられた条件の中で最大限のパフォーマンスを発揮するための方法についてお話ししようと思います。
if then planningとは
その方法は「if then planning」と呼ばれるものです。
この方法はなんと100件以上の心理学研究で効果が実証された「効率アップ用のテクニック」で、ダイエットから感情のコントロール、仕事や勉強での先のばし防止など、あらゆる場面で使える万能な手法です。
しかも方法が超簡単なのも子どもにも実践しやすくて魅力的。
具体的な実践方法
やり方は「もしXになったらYをやる」という形式で、前もってプランを立てておくだけです。
実際に研究で行われた例だと、「月曜日、水曜日、金曜日がきたら、仕事の前に1時間ジムで汗を流す」みたいな感じです。
このプランを立てた被験者の91%は数週間後もジムに通い続けたのに対し、何もしなかった場合にジムに通い続けた被験者は39%だったそうです。
圧倒的な差があり、効果の大きさがうかがえます。
研究結果から見る効果
他にも、高校生の夏休みの勉強をテーマに行われた研究では、「朝食を食べたら自室で1時間勉強する」といった形で計画を立てたグループは、何も予定を決めなかったグループと比べて勉強量が2.5倍!に増えたとか。
素晴らしい効果ですね。
脳の仕組みと効果のメカニズム
私たち人間の脳は、「XになったらY」という形の文章を記憶しやすいようにできていて、Xという条件を満たしたら「Yをしよう!」と自動的にやる気のスイッチが入るようになっているそうです。
だからこんなにも行動が変わるんですね。
応用例と実践のコツ
「Xになったら」の部分は「何曜日になったら」「何時になったら」という日時で決めるのではなく、「もし○○が起こったら」という形でもOKです。
例えば
- 「もしイライラしたら、深呼吸を3回する」
- 「もしYoutubeを見始めたら、30分だけ見て勉強にもどる」
- 「もしアイスを食べたくなったら、ナッツを食べる」
といった形ですね。
私は禁酒している時期には「もしお酒を飲みたくなったら、ノンアルコールビールを飲む」というルールにしています(笑)
注意点と限界
もちろんこのif then planningは「完璧な方法」ではありません。
プランを立ててもその通りに実行できないことはいくらでもあります。
特に、悪い習慣を減らす効果は、良い習慣を増やす効果に比べて弱いようです。
「YouTubeを見始めたら30分だけ見て勉強に戻る」のようなプランは、30分では終わらない可能性も高いでしょう。
しかしそれでも、計画を立てない場合に比べて我慢しやすくなるのは間違いありません。
失敗時の対応
計画通りにいかなかった場合に、そのことで子どもを責めてしまうと、「計画なんか立てない方がマシだ」と子どもが思って良い行動をするチャンスを放棄する方向に導いてしまいます。
「計画を失敗しても絶対にそのことを責めてはいけない」ということも、あわせて覚えておいてくださいね。
忙しい時期での活用方法
そして、このテクニックは、忙しい時にこそ大きな効果を発揮すると私は考えています。
人間は「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」となると、フリーズして仕事や勉強が手につかなくなってしまったり、あるいは他のことが気になって集中できなくなってしまったりします。
他の余計なことを頭から追い出すために、優先順位を決めて計画の中におり込むのがおすすめです。
具体的な実践例
私の場合には「〇時までに○○が終わっていない場合は、ほかの作業を止めて最優先事項にする」といったルールをいくつか決めています。
子どもの場合にも、「○○時までに宿題が終わっていなかったら、その日は打ち切って寝て、翌日朝の計算をやめて宿題の続きをやる」といったことを明確に決めておくと、寝るのが遅くなってしまったり、朝の勉強で「どちらをやるべきか迷って、どちらを選んでも集中できない」といったもったいない状況が避けられます。
まとめ
あらためてですが、この「if then planning」は最強の効率アップ・集中力アップのテクニックの1つなので、ぜひ上手に使いこなして、忙しい時期を充実させてくださいね。
それでは!
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