計算ミスを減らす方法
こんにちは!テスティー塾長の繁田和貴です。
最近下高井戸校で小学生や中学生の保護者の方と面談をしていると、
「うちの子は計算が苦手」「計算ミスが多い」
といった話がよく出てきます。
そこで、今回は私の専門であり、1問当たりの配点の大きい算数で、
計算ミスをしない方法について書いてみようと思います。
表現は算数的な書き方をしますが、もちろん数学についても当てはまる話です。
私は計算ミスの原因は大きく分けて2パターンあると思っています。
1つは計算のやり方そのものの習得が不十分であるパターン。
これは単なる実力不足であり、実は「ミス」という表現は適切ではありません。
・計算の順序を間違いがち
・□に入る数を求める逆算がどうしても苦手
・繰り上がり・繰り下がりのミスが多い
・小数の問題で小数点の打ち間違いが多い
・分数で通分・約分のミスが多い
などなど、一言で計算ミスと言ってもいろいろなパターンがあります。
全部を練習していたらキリが無いですね。
まずはこれらの中でどれが自分に当てはまるかをしっかり特定して絞り込み、
そこだけできるようになるまで練習しましょう。
計算問題ではなく文章題・図形問題の途中計算でミスをしたような場合には、
「解き直し」よりも「見直し」が大切になります。
その問題の解き方自体はわかっていて、もう一度解いたらできたとなっても、
計算ミスをしがちという自分の弱点が克服されたわけではないので注意してください。
対策としては、筆算や途中式をちゃんと残し、ミスをしたらどこでつまずいたのかわかるようにしておくとよいでしょう。
もう1つは、文章題・図形問題の解き方の理解・定着が不十分で、解き方を考えるのに脳のワーキングメモリの大半を持っていかれて、計算に注意を払うだけの余力が無いパターン。
普段だったらありえないようなミスもやらかします。
これを克服するためには、
典型問題であれば「うろ覚え」の域を超えて、
見たら即解法を思い出せるレベルまで演習を積みましょう。
非典型な現場思考型問題であれば、
考えていることを図や式に整理して頭の中で考える量を減らすことで、
ワーキングメモリの余力を生みましょう。
いずれにせよ、計算ミスを減らすためには、
計算ミスをしていないか注意を払うだけの余力を生むことが必要です。
人間は焦っていたり、
何かに意識を持っていかれて注意力散漫になったりしているときには、
思わぬミスをするものです。
焦りや不安を心の中から追い出して、
リラックスして試験に臨めるようにすることも、
ワーキングメモリの余力を生むためには重要ですね。
ワーキングメモリ不足によるようなミスの多発は、成長の過程ではよく見られることです。
「わからない」と「わかる」と「できる」の間にはそれぞれ溝があります。
「わかる」に足を踏み入れたばかりの子は、「わかっていたのにできなかった」が頻発するので、点数的には「わからない」だった頃とほとんど変わらないということも多々起こります。
それでも、本人の中ではちゃんと成長があります。
そこでくさらず、あきらめずに勉強を続ければ、すぐに「できる」のレベルにたどり着けます。
そのためには、数字に表れない成長を、指導者や保護者が気付いて、認め、励まして、あと一歩を後押ししてあげましょう。
計算はどんな問題を解くときにも必ず必要です。
いわゆる弱点分野の対策は確かに得点力アップに有効ですが、
それよりむしろ計算ミスを無くす方が、点数アップに直結すると考えることもできるのです。
計算ミスが多いなと思うのであれば、ぜひ対策に取り組んでみてください。
よく言われることですが、
同じくらいの学力の子達が集う入試本番は、合格点前後に何十人も密集します。
まさに1ミスが合否を分けます。
うっかりミスを減らすことが合格に直結します。
新学年に良い形でスタートダッシュを決めるためには、こうした地味な訓練も大切にしていきましょう。