【TESTEA自由が丘校】遠回りこそ記憶に残る!
TESTEA自由が丘校の中島です。
さて、「時間を無駄にしない」という価値観には概ね賛成なのですが、だからと言って常に最短距離を目指すというのもどうかと思います。
そこで、話しをわかりやすくするために、以下のような基本的な問題に目を通してみてください。
右下の角度を求める問題です。ぜひ、お子様に解かせてみてください。
ここで、得意気に「70+45=115(度)」と外角の定理を用いて解いてしまうお子さんには、誠に申し訳ございませんが、今回はスポットを当てません。
「180ー(70+45)=65(度)」と赤い部分の角度を出した後に、「180-65=115(度)」と答えを出したお子さんこそが今回の主役です。
もし、お子様が外角の定理をすでに教わっていたにも関わらず、この解き方をしたのであれば「あれ?なんで外角の定理を使わないの?」と問いかけたくなりますね。もしかすると忘れてしまったかもしれませんね。
一方、お子様が外角の定理なんて聞いたこともないということでしたら、「うん、よくできたね。でもね、もっとすばやくかんたんに解く方法があるかもしれないね」と振ってみましょう。
そこで、お子さんが自力で外角の定理に気付いたら、「そうそう!それそれ!よく自分だけで気付いたね!」と最大限の賛辞を送ってあげましょう。
お子さんはきっとまんざらでもない笑顔に満ちあふれることでしょう。
我々教師はともすると「教えることばかりに熱心になりすぎて、子供が自ら考えて導き出す機会を奪っている」のかもしれません。
特に自分自信に酔いしれてしまうような先生は、それこそ得意気に「この問題はね。この定理を使うとすんなりと解けるんだよ!」と言った後に、「先生すごーい!」なんていう返答をもらえばご満悦なんてことがあるわけです。
これは勉強に限りませんが、「自分自身で苦労して得たものは、いつまで経っても決して忘れることはない」というものがあります。
先程の外角の定理の例で言えば、「180から引いて出てきたものを、もう1度180から引く」という過程から、「おや!待てよ!これは二度手間をしているのではないか!」と自ら気付くことができれば占めたものです。
この一番おいしいところを、先生が自分の手柄としてもっていってしまうのは、あまりにももったいないわけです。
あえて遠回りさせる!
これは一見すると「時間の無駄」と捉えがちですが、実は全然そんなことはなく、むしろ一生ものの記憶が身につくかもしれない実に素晴らしい時間なのです。