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東大生だけが知っている! 超短期勉強術 CHAPTER 1 「一発逆転」のための基礎講座


東大生だけが知っている! 超短期勉強術 カバー

試験日まで残りわずかなのに成績が合格ラインに届かない。そんな絶体絶命のピンチから栄冠を勝ち取った人たちには共通項がある。著者自身、浪人時代の秋にE判定から3カ月で東大に逆転合格した経験を持つ。逆転合格は偶然の産物ではなく、正しい要素を持てば誰にでも成しうるものだ。本章では、逆転合格に欠かせない3つの要素「明確なメリットを描く」「退路を断つ」「計画を立てる」を解説し、それぞれをどう身につけるかを具体的に示す。

この章の目次

なぜ逆転合格が起こるのか

必然と偶然のはざまにある奇跡

著者は現在、東京の杉並区で塾を経営し、大手塾SAPIXでの経験も含めると12年にわたり多くの生徒を指導してきた。その間、数々の逆転劇のお手伝いをしてきたが、自身も浪人時代の秋にE判定から3カ月で東大に合格している。指導者の立場になって自分の経験を分析すると、逆転合格に必要な要素が見えてきた。

逆転合格は偶然でも必然でもない

逆転合格は偶然の産物でも必然の産物でもない。それは必然と偶然のはざまにある「ゆらぎ」の中に、勇気を出して飛び込んで行った者だけが勝ち取れる「奇跡の果実」だ。ただ待っていても奇跡は起こらず、行動を起こさなくては成せるものも成せない。しかし何かのきっかけを自分を突き動かす原動力に変え、正しい勉強の仕方さえ選べば、誰にでも成しうるものである。

逆転合格者たちの共通項

逆転合格を達成する人たちには共通項がある。一般的な「奇跡」という言葉のイメージほど現実離れしたものではなく、正しいアプローチさえ取れば実現可能なのだ。12年間の指導経験から導き出された共通項を理解し、それを身につけることが逆転合格への第一歩となる。

逆転合格に必要な3要素

3つの要素のうち少なくとも2つを持つ

自分を含め、逆転合格者たちの勝因を分析すると、もっとも大切な3つの共通項が浮かび上がる。逆転合格者たちは、次の3つの要素のうち少なくとも2つは持っている。「①明確なメリットを描く」「②退路を断つ」「③計画を立てる」。著者が3カ月での東大合格を達成したときには、3つすべてを持っていた。

著者の逆転合格パターン

開成高校を卒業し、駿台予備校に入学した1998年。浪人したというのに麻雀に明け暮れる日々だった。「なんとなく東大に行きたいなあ」と明確なメリットはなく、「まあ、明日やればいいか」と退路はありまくり、「たまにはちょっと英語でも」と計画性もなし。典型的なダメ浪人生だった。

転機となった12月6日

当時、好きな子がいた著者は、12月6日の夕刻、「東大に合格したら、付き合ってほしい」と告白し、「OKだよ。がんばってね」という返事をもらった。この日が転機となり、日付まではっきりと覚えている。東大合格の明確なメリットが生まれた瞬間だった。くだらないと思うかもしれないが、当の本人にとって心から欲するものを頭に描ければ、それは大きなパワーとなる。

退路を断った決断

しかし麻雀にどっぷりとつかり、体の芯まで染みついたサボりグセを振り払うのは簡単ではない。弱い心が第一歩を踏み出すのを邪魔する。「本当に大丈夫なのか」「今さらやっても無駄なんじゃないか」。そんな悪魔のささやきが聞こえてくる。しかし決めた。「動けばまだわからない。でも動かなかったら結果は見えている」。その日から雀荘通いは一切ヤメ、酒もタバコも一切ヤメ、携帯電話も封印した。

計画的な学習の結果

最後の東大模試では180点(440点満点)でE判定だった。合格ラインは230点くらいと言われていた。しかし明確なメリットができた著者には、やる気の炎がメラメラと燃えさかっている。3カ月で達成しうる逆転合格計画を真剣に考えた結果、本番では245点程度を獲得し、見事合格を勝ち取った。まさに計画と戦略の勝利だった。

指導者として見た共通項

指導者側に立っていろいろな事例を見ても、逆転合格を達成する生徒たちはこれらの要素のうち少なくとも2つは満たしている。言い方を変えると、あとがない生徒に対して、指導者は逆転合格を達成してもらうためにこれら3要素のうち2つを持ってもらうように指導する。「いやいや、そんなこと、どうせ無理だよ」と思った瞬間に、人間はそれ以上に成長できなくなる。

明確なメリットを描く方法

メリットとデメリットの両面から考える

明確なメリットを描く目的は、自らの気持ちを高めるためだ。気持ちが高まらなければ行動は起こせない。人間が行動を起こす動機は基本的に2つ。「ワクワクする期待感」と「それを避けたい恐怖感」である。つまり「合格することによって、どんないいことがあるんだろう」(メリット)と「もし合格できなかったら、どんな残念なことになるんだろう」(デメリット)の両方の視点から自分の気持ちを探る必要がある。

紙に書き出して見える形にする

メリットとデメリットは表裏一体で、片方を思いついたらもう一方とも直結するケースが多い。両方を同時に考えると、片方だけよりも気持ちが増幅される。思いついたものを「合格できたら○○○」「合格できなかったら○○○」という形で、ざっと紙に箇条書きで書き出していく。目で見える形にするのがポイントだ。一人でも可能だが、コーチ役として引き出してくれる「聞き役」がいるとより効果的である。

考える際の指標

メリット・デメリットを考える指標として、次のような項目が挙げられる。進学後の生活、家族の気持ち、友人関係、将来の進路、将来の収入、学べること、自尊心への影響、部活・サークルなど。なお最終的にはすべて「メリット」の表現に書き直す。「合格できなかったら家族に対して申し訳ない気持ちになる」を「合格できたら家族が喜んでくれる」というように。人間はポジティブな気持ちでいたほうが楽しくやれるものだ。

4観点に分けて思考を深める

ひと通り「合格したときに得られるメリット」を書き出したら、次にその幅を広げるために工夫をする。2つの指標の2軸に基づいて分類するのだ。「形があるか、形がないか(有形か、無形か)」と「自分のものか、他者や社会のものか」。これで4つのエリアに分かれる。A:有形で自分にとってのメリット、B:無形で自分にとってのメリット、C:有形で他者や社会にとってのメリット、D:無形で他者や社会にとってのメリット。

過去の体験と感情から掘り下げる

自分にとってのメリットは「自分が喜びを感じるもの」とも言い換えられる。その感情を創り出す土台は過去の自分の体験にある。過去の体験の中から、自分が喜び(感情的にプラスの影響)を受けた体験や成功体験を考え、それらを紙に書き出す。例えば「文化祭でやったバンドのライブが大成功。楽しかった」という体験から、「志望大学に入って学園祭のライブステージに立っている自分を想像する」といったメリットを導き出す。

メリットを描く3ステップ

メリットを描く手順は、「まずはざっと書き出す」→「4観点に基づいて思考を深める」→「過去の体験から思考を深める」の3ステップ。このステップを踏むことで、少なくとも4〜5個、多い場合は100個以上の合格メリットが見つけられる。それを紙に大きめの文字で清書し、目につく所に貼る。これで合格に導くための「燃料」が完成する。

退路を断つための実践

誘惑を排除する

メリットが明確になったら、次はそれを得るべく突き進むための一歩を踏み出さなければならない。著者が勉強をストイックなまでに続けることができた原動力は、「明確なメリットを描く」だけでなく、自分の逃げ場を断ち切ったことも大きかった。それまで自分の時間を奪っていたもの、集中力を阻害していたものをすべて封印した。携帯電話まで封印したのである。

3カ月の我慢で将来が変わる

あまり長期間だったらつらかったかもしれないが、「3カ月程度の我慢ができなくてどうする。今の3カ月で彼女のアリ・ナシを含め、将来が大きく変わるんだぞ」と、自分で自分を叱咤激励しながら勉強に取り組んだ。一日は誰にでも24時間だが、その24時間がとても充実している場合とそうでない場合はある。受験までのわずかな期間で「充実していない日」など作っているヒマはない。

何かを犠牲にする覚悟

逆転合格をしたいと思うなら、何かを犠牲にしなくてはいけないだろう。普通にやっていては勝てない状態に追い込まれているのだから。ならば自分の未来に、その自分の好きなものを捧げよう。酒も麻雀も合格してから好きなだけやればいい。そういう意気込みで取り組むことが重要だ。

人の目を使って誘惑を断ち切る

頭ではわかっていてもなかなか改善できない。それが誘惑の魔力であり、習慣の恐ろしさだ。自分一人で解決するのは困難な場合が多く、結局のところ「人の目」を使うのが一番効果的。著者は大学生時代にパチスロにのめりこんでいた時期があったが、塾立ち上げの苦しい期間をがんばり抜けたのは、立ち上げメンバーの目があったから。「あいつもがんばってるんだから、サボれない」そんな気持ちで仕事に取り組んだ。

宣言して自分を追い込む

退路を断ち、自分をさらに縛るためには、宣言をしてしまうことが有効だ。「僕は絶対に東大に合格する」といった宣言を、家族や友人たちに声高らかにするのである。要は自尊心やプライドを傷つけられるかもしれない状態にあえて持って行き、それを原動力にする方法だ。著者の場合、彼女との約束がこの効果を持っていた。落ちたら恥ずかしいから、自分を引くに引けない状態に保ってくれた。

適度な緊張感で縛り合う

周りの受験生仲間とお互いに合格の喜びを分かち合いたいと思っているのなら、適度な緊張感を持ってお互いを縛り合おう。慣れ合いの関係は、根拠のない安心感を生むだけで麻薬みたいなもの。いいことはなにもない。

合格すると決めて動く

絶対に合格できるわけではないが

「別にやったからって、絶対に合格できるわけじゃないんでしょう」と思っている人もいるだろう。確かにそうかもしれない。絶対に合格できるなんてことはありえない。受験とはそういうものだし、逆転合格を狙うからには、そもそもかなりの劣勢からの挑戦だ。著者自身も本当にヒヤヒヤで、入試本番の学力状況も客観的に見たら合格確率は多く見積もってもせいぜい40%くらいのものだった。

気持ちの上では絶対に合格すると信じる

ただ気持ちの上では持っていてほしい。「絶対に合格してやるんだ」という強い気持ちを。そして退路を断とう。退路を断つということは、決めて動くということだ。合格可能だと信じて今日から動けば、現実離れしているように見える高い目標にも近づくことができる。行動を起こさない者に結果は訪れない。

行動できない理由

人間は心の弱い生き物で、そして自尊心のカタマリだ。人間は行動して結果が出ないことを恐れる。だから踏み出せない。頭では「やらなくちゃいけない」とわかっているのに体が動かないのは、まさにそれが理由だ。著者も浪人時代はそういう状態をさまよっていた。やってもできない現実の自分と向き合うのが嫌だから、雀荘通いのルーチンワークで時間を浪費する日々だった。

明確なメリットと退路を断つ

しかし好きな子に東大に合格したら付き合うという約束を取り付けた瞬間、合格後の「明確なメリットを描く」ことができ、「これで落ちたら恥ずかしい」という気持ちとともに、「退路を断つ」モードが自動的にセットされてしまった。気持ちを高めて行動するためには、この2つはとても大切なことだ。

可能性を信じて動く

今はまだ根拠がなかったとしてもいい。カラ元気でもいいので、「合格するぞ」とそっとつぶやいてほしい。その可能性を信じてみてほしい。そして動いてみてほしい。奇跡とも言える大逆転劇は、そこから始まるのである。

まとめ

逆転合格は偶然でも必然でもなく、正しい要素を持てば誰にでも成しうるものだ。その要素とは「明確なメリットを描く」「退路を断つ」「計画を立てる」の3つで、少なくとも2つを持つことが重要である。メリットは紙に書き出して見える形にし、4観点や過去の体験から掘り下げることで100個以上見つけられる。退路を断つには誘惑を排除し、宣言して自分を追い込み、人の目を活用する。そして気持ちの上では「絶対に合格する」と信じて、今日から動き出すことが大切だ。行動を起こさない者に結果は訪れない。奇跡とも言える大逆転劇は、可能性を信じて一歩を踏み出すことから始まる。

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