予習主義
予習主義とは
予習主義(よしゅうしゅぎ)とは、学習の中心を「予習」に置き、授業前にあらかじめ学習内容を自分で理解したうえで授業を受ける学習スタイルのことです。
特に中学受験においては、塾によって「予習主義」を採用しているところがあり、授業の理解度を高めるために事前の学習が求められる場合があります。
予習主義を採用する塾の特徴
予習主義を採用している塾では、以下のような学習スタイルが一般的です。
- 塾の授業前に、あらかじめテキストや問題を解いておく。
- 授業では、予習で分からなかった部分を講師の説明で確認し、理解を深める。
- 授業後の復習では、演習問題を解くことで知識を定着させる。
このように、予習を前提とした授業では、生徒が事前に学習することを前提としているため、授業が「基礎を教える場」ではなく「理解を深める場」として機能します。そのため、一定の学習習慣が身についている生徒には効果的ですが、予習が不十分な場合には授業についていくのが難しくなることもあります。
予習主義のメリット
予習主義には、以下のようなメリットがあります。
- 事前に学習することで、授業の理解度が深まる。
- 授業を受ける際に、「何が分からないのか」が明確になる。
- 学校の授業よりも進度が早い場合、塾で学習した内容を学校で再確認できる。
- 復習が効率的になり、学習の定着がスムーズになる。
特に、中学受験では新しい単元をどんどん学習していく必要があるため、予習を習慣化することでスムーズに学習を進めることができます。
予習主義のデメリット
一方で、予習主義には以下のようなデメリットもあります。
- 事前に学習する負担が大きく、自力で理解するのが難しい場合がある。
- 正しく理解できていない状態で授業を受けると、誤った知識が定着する可能性がある。
- 予習に時間を取られることで、復習が不十分になる場合がある。
特に、まだ学習習慣が身についていない低学年のうちは、予習だけでは理解が難しく、かえって学習が進みにくくなることもあるため、個々の生徒の状況に合わせた指導が求められます。
予習主義を採用している塾
中学受験塾の中には、「予習主義」を採用しているところもあります。例えば、四谷大塚は代表的な予習主義の塾として知られています。
これらの塾では、家庭学習での予習が重要な役割を果たし、授業での理解を深める仕組みとなっています。
予習主義と復習主義の違い
予習主義とは対照的に、「復習主義」を採用する塾もあります。予習主義と復習主義の違いは以下の通りです。
学習方針 | 予習主義 | 復習主義 |
---|---|---|
授業前の学習 | テキストを読んだり問題を解いたりする | 特に予習は不要 |
授業の進め方 | 理解を深めるための演習中心 | 講師が基礎から説明 |
授業後の学習 | 復習として問題演習を行う | 授業の内容を繰り返し復習する |
適している生徒 | 自主学習が得意な生徒 | まずは授業で理解したい生徒 |
サピックスなどの復習主義の塾では、家庭学習ではなく塾の授業内での理解を重視するため、家庭での予習は不要とされています。一方で、予習主義の塾では、事前に学習することが前提となっているため、家庭での学習習慣が非常に重要になります。
予習主義が向いている生徒
予習主義の学習スタイルが向いているのは、以下のような生徒です。
- 家庭学習の習慣があり、自分で勉強することができる。
- 授業の前にある程度の知識を入れておいた方が理解しやすい。
- 授業を復習の場として活用し、学習の定着を図りたい。
逆に、学習習慣がまだ身についていない低学年の生徒や、基礎からしっかり学びたい生徒には、復習主義の塾の方が向いている場合があります。
予習主義を効果的に活用するポイント
予習主義の塾で成果を上げるためには、以下のポイントを意識するとよいでしょう。
- 毎回の授業前に、塾のテキストをしっかり読む。
- 問題演習をして、分からない部分を明確にしておく。
- 授業では、疑問点を解決することを意識して聞く。
- 授業後の復習で、理解を定着させる。
予習を徹底することで、授業の理解度が上がり、効率よく学習を進めることができます。