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青山学院中等部・国語入試対策ガイド(保護者向け)

青山学院中等部 国語入試 対策ガイド


青山学院中等部の国語の入試が迫る中、「うちの子は国語で合格点を取れるだろうか」「長い文章を時間内に読み切れるかしら」と不安を感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。文章総量は約14000字にもなり、多くの受験生にとって時間との戦いとなったようです。近年、このように文章量が増加傾向にあるため、従来にも増して速く正確に読む力が求められています。

難易度の面では、文章や設問自体の質は「難しすぎず易しすぎず」であると言えます。青山学院中等部は高い学力層が集まる学校ですが、国語の入試問題そのものは奇抜な知識や高度な読解力を要するものばかりではなく、基本的な国語力を持っているかを測る内容になっています。

選択肢問題も意地悪なひっかけは少なく、正統な読解力と思考力で解けるよう工夫されています。ただし、前述の通り文章量と問題数の多さが受験生を大いに悩ませる点であり、時間制限の中でスピーディーかつ正確に解き切る力が求められます。

また、知識分野として漢字や語彙に関する問題も出題されます。漢字の読み書きは毎年5~6問程度出され、難読漢字ではなく小学校で習う標準的な漢字が中心です。加えて、適切な接続詞を選ぶ問題や、ことわざ・慣用句の意味を問う問題などが2~3問含まれることもあります。知識問題は配点こそ大きくありませんが、確実に得点したい基本分野です。

総合すると、青山学院中等部の国語は「スピードと正確さ」がカギになります。文章の理解そのものは平易でも、量が多いために焦りからミスをしてしまうこともあるでしょう。実力を十分に発揮するには、演習を通じて時間配分に慣れ、解くスピードを上げる訓練が欠かせません。

一問一問は標準的なレベルであり、過去問分析でも合格者は国語で約6割前後の得点を確保していると考えられます。しっかりと対策をすれば、決して太刀打ちできない相手ではありませんが、独特の出題形式に慣れ、本番で慌てないように準備しておくことが大切です。

2. 読解力の重要性

青山学院中等部の国語入試で何よりも重視されるのが、読解力です。前章で述べたように、試験の大半は長文や詩の読解問題が占めており、ここで得点できるかどうかが合否を左右すると言っても過言ではありません。

読解力とは、文章の表面的な意味を追うだけでなく、筆者や登場人物の考え・心情を正しく読み取る力です。また、指示語(「それ」など)が指す内容を把握したり、段落構成や論理の流れを理解したりする力も含まれます。

青山学院中等部の問題でも、「主題は何か」「登場人物の気持ちの変化」「空欄に入る適切な接続詞」「『これ』が指す具体的な内容」といった設問が出され、総合的な読解力が問われます。単に暗記した知識では太刀打ちできず、日頃から文章を丁寧に読み込み、内容を自分なりにまとめる訓練が必要になります。

さらに、本校の読解問題ではスピードも重要な要素です。時間内に多くの文章を読んで解答するには、すべてをゆっくり精読する余裕はありません。文章全体の構造を素早く掴み、要点となる部分に集中して読むスキルが求められます。

例えば、設問で問われそうな箇所(登場人物の心情描写や段落のまとめ部分など)を意識しながら読み進めることで、効率よく内容を把握することができます。「じっくり読む」だけではなく、「素早く的確に読む」読み方を身につけておくことが高得点への鍵になります。

なお、読解問題の選択肢を選ぶ際は、いったん自分なりの答えを頭の中で考えてから選択肢を見るのがおすすめです。いきなり選択肢を読むと惑わされることがありますが、先に本文から得た答えのイメージがあれば、選ぶべき選択肢が絞りやすくなります。

また、明らかに本文の内容と合致しない選択肢は早めに除外し、残った候補から最も適切なものを選ぶ消去法も有効です。

読解力は一朝一夕に身につくものではありませんが、その重要性ゆえに早期から鍛えておきたい力です。読解力が向上すれば国語の得点が安定するだけでなく、文章題の多い算数や社会・理科の問題文理解にも役立ちます。まさに全教科の土台と言える力です。

3. 記述問題の対策

青山学院中等部の国語では記号選択や書き抜き問題が中心ですが、記述式の問題もほぼ毎年出題されます。出題数は1~2問程度と多くはありませんが、記述問題で確実に点を取れるかどうかが合否を左右する可能性もあります。

記述問題は配点が5~10点程度になることが多く、一問の出来が全体の得点に与える割合が大きいからです。せっかく他の問題で得点を積み重ねても、記述で失点してしまうと合格ラインに届かない恐れもあります。逆に、記述問題を得意にしておけば周囲と差をつけるチャンスになります。

青山学院中等部の記述問題は、解答字数が30~50字程度の比較的短い記述が求められるケースがほとんどです。他校のように長文の要約や自由記述のような大作を書く必要はありませんが、その分、必要な要点を漏らさずに簡潔にまとめる力が要求されます。

例えば登場人物の行動理由を説明する問題であれば、理由となるポイントを本文から見つけ出し、「~だから。」と簡潔に書き表すことになります。解答には本文の内容に即した理由や事実のみを書くことが基本で、想像や余計な説明を付け加えないよう注意しましょう。「自分の言葉で」と指定されている場合は、文章中の表現を丸写しせず、自分なりに言い換えて書く必要があります。

記述問題に確実に答えるためには、次のような手順で解答を作成すると良いでしょう。

  1. 設問の要求を正確に読み取る – 解答条件(字数、自分の言葉など)を把握する。
  2. 本文から根拠を探す – 該当箇所に線を引く、要点を抜き出す。
  3. 要点を整理する – 必要な要素を箇条書きなどでまとめる。
  4. 簡潔な文章にまとめる – 文法・接続に注意し、指定字数に収める。

上記のような手順で解答を作成したら、最後にもう一度設問を読み返し、自分の書いた答えが問われた内容に沿っているか確認しましょう。

記述式回答の採点においては、設問に対して適切な内容が過不足なく書かれているか、文章が論理的に通っているか、漢字の誤字脱字がないか、といった点がチェックされます。与えられた字数の中で求められたポイントをきちんと網羅し、簡潔で分かりやすい表現になっていれば満点が狙えます。

逆に、質問の意図から外れた内容を書いてしまったり、不正確な記述をしたりすると減点となります。言葉遣いが多少異なっていても、問われた内容がきちんと書かれていれば高得点が期待できます。逆に、美しい表現であっても要点が外れていれば評価されません。

記述問題は最初は難しく感じられるかもしれませんが、演習を重ねることで着実に力がついてきます。過去問や類題を使って、実際に答案を書いてみる練習を積みましょう。

書いた答案は国語の模範解答や解説と照らし合わせ、足りない点や書きすぎた点をチェックします。また、ご家庭でお子さんに記述の答えを音読させたり、口頭で説明させたりするのも効果的です。

口頭でうまく説明できない部分は、書いても伝わりにくいことが多いため、親子で答え合わせをしながら改善点を話し合ってみてください。

繰り返し練習することで表現力と要約力が向上し、本番でも落ち着いて書けるようになります。

4. 語彙・漢字対策

国語の土台となる語彙力や漢字の知識も、入試で確実に得点しておきたい分野です。青山学院中等部の国語では、大問の一つとして漢字の書き取り問題が出題されるほか、長文中でも漢字の読み仮名を書かせる問題や、空欄に適切な語句を補充する問題が見られます。

また、接続詞の選択、ことわざや慣用句の意味を問う問題、詩の表現技法に関する知識問題など、言葉の知識全般から2~3問程度出題される傾向があります。これらの問題は暗記による対策が取りやすく、しっかり準備すれば満点も狙える領域です。他の受験生も高得点を取ってくる部分ですので、取りこぼしのないよう万全にしておきましょう。

まず漢字対策ですが、小学校で習う漢字は読みも書きも完璧にしておくことが目標です。難解な漢字は出ませんが、日常であまり使わないような熟語が出題されることもあるため、教科書や漢字ドリルで扱った漢字は例外なく書けるよう繰り返し練習しましょう。

漢字の学習では、ただ問題集を解くだけでなく、自分でノートに漢字を書いて覚える作業が効果的です。覚えにくい漢字はフラッシュカードを作ってテストする、家族に出題してもらうなど、ゲーム感覚で繰り返すと定着しやすくなります。

また、漢字は同音異義語や似た形の字の区別にも注意が必要です。「こうし」と読む言葉が複数考えられる場合など、文脈に照らして正しい漢字を書けるようにしておきましょう。

語彙対策としては、日頃から幅広い言葉に親しんでおくことが大切です。長文読解の勉強を通じて新しい言葉が出てきたら、その都度意味を調べて自分の語彙ノートにメモするなど、その際に辞書で正確な定義と用例も確認し、語彙力を増強する習慣を身につけましょう。

特に慣用句やことわざ、四字熟語などはまとまったリストを作って集中的に覚えるのがおすすめです。例えば「雨降って地固まる」「一石二鳥」といった基本的なことわざの意味はもちろん、実際の使い方も理解しておくと応用が利きます。

ご家庭でも、会話の中でことわざを使ってみせたり、お子さんに簡単なクイズ形式で意味を尋ねたりすると、楽しみながら覚えられるでしょう。

さらに、接続詞や指示語の用法といった文法的な知識も確認しておきましょう。文章の空欄補充問題では「しかし」「そのため」など適切な接続詞を選ばせる問題が出ることがあります。日頃から文章を読む際に、接続詞がどのような役割で使われているか意識するとともに、基本的な用法を整理しておくと安心です。

語彙や漢字の力は、短期間の努力で伸ばしやすい分野です。毎日の積み重ねで着実に知識を増やしていけば、本番でも落ち着いて対応できるでしょう。以下に、語彙・漢字対策として押さえておきたいポイントをまとめます。

  • ● 小学校で習う常用漢字の読み書きをすべてマスターする
  • ● 過去問や問題集で頻出の慣用句・ことわざ・四字熟語の意味を覚える
  • ● 同音異義語や紛らわしい語の使い分けを確認しておく
  • 詩の表現技法(比喩・擬人法など)の基本を理解しておく
  • ● 接続詞や指示語など、文章の論理構造に関わる知識も復習する

【慣用句の例】「彼は試験前なのに全く勉強せず、[油を売っていた]。」
※「油を売る」は無駄話をして時間を潰すこと。このように慣用句の意味を知っていれば、文脈から状況を正しく理解できます。

語彙や漢字の力は、積み上げた分だけ確実に得点につながります。地道な暗記練習は地味に感じるかもしれませんが、国語の得点を底上げする重要な基礎です。読み書きの反復練習と、多様な言葉へのアンテナを張った日常生活で、お子様の語彙力を着実に強化していきましょう。

5. 学習法

ここまで青山学院中等部の国語入試の傾向と各分野の対策について述べてきましたが、大切なのはそれらを踏まえた日々の学習法です。国語力は一朝一夕には身につかないため、計画的かつ継続的な学習がものを言います。読解力・記述力・語彙力をバランスよく伸ばすために、普段の勉強の中で以下のポイントを意識してみましょう。

  • 毎日の読書習慣:ジャンルを問わず様々な文章に触れることで、語彙が増え、読解力が鍛えられます。読んだ内容の要約や感想を話す習慣をつけましょう。
  • 過去問演習と時間配分の練習:志望校の過去問を使い、本番と同じ条件で演習を行いましょう。配分目安(漢字2〜3分、詩5〜7分、長文読解各12〜13分など)を元に、時間感覚を養います。
  • 記述力の養成:要点まとめや、登場人物の気持ちを一文で説明する練習を継続的に取り入れましょう。音読・口頭説明・添削を通じて表現力を高めます。
  • 語彙・知識の定着:語彙ノートや漢字ドリルを活用し、1日5語・5問など小さな習慣を積み重ねてください。定期的に復習し、記憶を確かなものにしましょう。
  • 模擬試験やテストの活用:模試を通じて実力と弱点を可視化し、具体的な対策につなげましょう。模試の解説冊子も有効活用し、設問の意図や文章構造への理解を深めてください。

また、年間を通じた学習スケジュールの例として、以下のような流れをおすすめします。

  • 春~夏前:基礎力の強化(漢字・語彙・文法、読解慣れ)
  • 夏休み:過去問演習の開始・記述対策・弱点補強
  • 秋:過去問分析に基づく実戦演習・他校問題への挑戦
  • 直前期(冬):総復習・知識の再確認・時間配分調整

重要なのは、継続して取り組むことと、その都度弱点を補強していくことです。保護者の皆様には、お子様の努力を温かく見守り、成果が出たときには大きく褒め、課題があっても前向きな声掛けをお願いいたします。

国語は目に見える成果が出るまでに時間がかかる科目ですが、小さな積み重ねが大きな力になります。お子様が自信をもって入試に臨めるよう、日々の学習環境とサポートを大切にしていきましょう。

6. まとめ

青山学院中等部の国語入試は、読解問題を中心に多彩な文章が出題され、限られた時間で解き切ることが要求されるやりがいのある試験です。本記事で述べたように、読解力記述力語彙・漢字力のバランスよい強化が合格への近道となります。

普段から様々な文章に触れて読解力を養い、記述問題で求められる表現力を練習し、知識分野は確実に得点できるよう丁寧に対策をしておきましょう。もちろん、お子様によって得意・不得意の分野は異なります。本記事で触れたポイントから必要なものを取捨選択し、お子様に合った学習計画を立てていただければと思います。

保護者の皆様におかれましては、お子様の学習を日々見守り、時には伴走者として支えてあげることが何よりの力となります。国語は成果が目に見える形で現れにくく、焦りを感じることもあるかもしれませんが、着実に実力は蓄積されています。最後まで諦めずに継続した努力が実を結び、青山学院中等部合格という目標にきっと近づくことでしょう。

実際に、6年生の夏頃まで国語の成績が伸び悩んでいたお子さんが、秋以降に読解問題の解き方を見直して演習量を増やした結果、入試本番で国語の得点を飛躍的に伸ばし、青山学院中等部合格を勝ち取ったケースもあります。国語は正しい勉強法で努力を続ければ、最後の最後で大きく伸びる可能性を秘めた科目です。

入試当日は深呼吸をして心を落ち着かせ、これまで培った力を信じて試験に臨んでください。もし難しい文章が出ても、慌てずに練習してきた要領で読み解けばきっと答えが見えてきます。最後まで諦めずに粘り強く取り組めば、必ずや結果はついてくるはずです。

この記事の内容が受験勉強のお役に立ち、保護者の皆様の不安解消につながれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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