中学受験

鷗友学園女子中学校・算数入試対策ガイド(保護者向け)


鷗友学園女子中学校の算数入試は、例年基礎から応用まで幅広い力を測る試験です。試験時間45分・配点100点で、小問集合と記述式問題が混在する構成となっており、解答の過程まで含めて部分点が与えられる形式が特徴的でした。2025年度からは前半に答えのみを記入する小問集合が導入され、全体の問題数がやや増加しました。本記事では、保護者の皆様に向けて出題傾向と難易度、割合・比の重要性、図形・速さといった頻出分野の対策、学習法までを詳しく解説します。ぜひお子さんの学習サポートにお役立てください。

1. 出題傾向と難易度

鷗友学園女子中学校の算数は、例年ほぼ決まった出題パターンを持つことで知られています。試験時間は45分で配点100点、近年は大問が7題前後出題され、各大問に1~3問の小問が付く構成です。全体的な難易度は基礎~標準レベルが中心で、奇をてらった超難問は少なく、教科書や模試で見慣れたタイプの問題が多い傾向です。ただし決して易しすぎるわけではなく、後半にかけて思考力を要する問題が配置されており、そこで合否が分かれることも事実です。

鷗友学園女子中の算数の大きな特徴だったのが、「完全記述式」の解答形式です。他校では計算過程を書かせる問題と答えのみ書く小問集合が混在することが多い中、鷗友では長らく全ての問題で式や考え方を解答用紙に記入させ、部分点(途中点)を与える形式を採用してきました。

最新の2025年度入試から算数の出題形式が一部変更となり、前半に答えのみを書かせる小問集合が導入されました。これに伴い問題数がやや増加しますが、出題内容の分野構成や難易度に大きな変更はなく、例年通りの傾向が維持されています。

入試問題全体の傾向としては、前半に基本的な計算問題や一行問題が並び、後半に差がつく応用問題が配置されるのが典型です。序盤の大問1・2は小問集合、大問3以降は応用問題という流れで、標準的な問題を確実に得点し、応用問題で差をつける戦略が求められます。

頻出分野は割合・比、速さ、平面図形、立体図形、規則性・数の性質などで、出題傾向は非常に安定しています。受験者平均点と合格者平均点の差が小さく、僅差の競争になりやすい点にも注意が必要です。

2. 「割合・比」の重要性

鷗友学園女子中の算数を語るうえで、まず強調すべきは「割合・比」の徹底理解です。割合や比の考え方は、単独の出題テーマであるだけでなく、他の様々な問題に組み込まれて登場します。売買損益や濃度、相似形の面積比、速さの問題など、多岐にわたり基盤となる重要単元です。

具体的には、基本的な割合計算や比の表し方を正確かつスピーディに計算できるようにし、応用問題では比を活用して整理・立式する演習を繰り返しましょう。図形分野では相似比・面積比の応用問題、速さの問題では距離と時間の比など、幅広い演習が必要です。

3. 図形問題の対策

図形分野の問題では、平行線を用いた相似や面積比の定石が頻出します。補助線を引く練習や「チョウチョ型」の相似発見、面積比と辺の比の関係把握など、定型パターンの演習が効果的です。

  • 補助線を引く練習:問題図を見て相似形を作る補助線を引く習慣をつける。
  • 「ダブルチョウチョ」相似:平行線でできるX字型相似を見抜くテクニックを習得。
  • 面積比と辺の比:相似図形の面積比=辺の比の二乗、断面図・展開図への応用。
  • 図形の移動・回転:90度回転図形の重なりや投影を問う問題への対応。

解く際は紙に図を書き込み、角度や長さをメモする癖をつけると、本番でも情報を整理しやすくなります。

4. 速さ・グラフの対策

速さの単元では旅人算や列車のすれ違い・追いかけ問題とともに、時間-距離グラフ(ダイヤグラム)を絡めた出題が見られます。文章中の条件を表やグラフで整理し、傾き=速さ、交点=出会いの瞬間などの対応関係を正確に理解しましょう。

  • 典型パターン:旅人算、列車問題、動く歩道など基本パターンの習得。
  • ダイヤグラム:文章題をグラフ化し、状況把握力を高める。
  • 単位統一:時間・距離の単位を揃えて計算ミスを防止。
  • 応用問題:ニュートン算などの仕事算にも視野を広げる。

練習では必ずグラフを描き、解答後は見直しで単位や条件の取り落としがないかチェックしましょう。

5. 効果的な学習法

◎ 過去問演習と出題パターン把握

直近5~6年分の過去問を時間を計って解き、出題パターンや配点、時間配分を体得します。解法の筋道を理解し、類題にも応用できる習慣をつけましょう。

◎ 基礎固めと弱点克服

四則計算や分数計算の反復練習で精度とスピードを高め、模試や過去問で洗い出した苦手単元を重点的に演習して弱点を潰します。

◎ 解答記述の練習と見直し

記述式問題では論理的に考え方を書く訓練をし、小問集合ではケアレスミス防止のため見直し習慣を徹底。解答プロセスを自分なりに記録し改善します。

◎ 時間配分と解く順序の戦略

小問集合で素早く得点し、時間のかかる応用問題は後回しにするなど、メリハリをつけた解法順序を模試演習で確立しましょう。

6. まとめ

鷗友学園女子中の算数入試は、基礎力から論理的思考、応用問題への対応まで多面的に実力を測る試験です。割合・比、図形、速さなどの頻出分野を重点対策し、過去問演習で出題傾向を把握、解答記述と時間配分の訓練を重ねれば、安定した得点力が養えます。

保護者の皆様には、基礎基本の定着を見守りつつ、適宜過去問や模試を活用した演習計画をサポートしていただき、お子さんが自信を持って本番に臨めるよう励ましてください。

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