塾長ブログ

受験に「順当勝ち」するための秋の過ごし方

皆さん、こんにちは。

個別指導塾テスティー塾長の繁田和貴です。

徐々に涼しくなってきましたね。

新学期が始まったと思ったら、あっというまに9月下旬です。

6年生はここからラストスパート!

……に入っていけると良いなーという時期なんですが、まぁ実際のところはまだまだお尻に火が付かない子の方が多数派です。

「親御さんがモヤモヤする時期」という表現が適切かもしれません(苦笑)

その焦りを子どもにぶつけて「ちゃんとやりなさい」と叱ったりすると、かえって子どもは勉強しなくなります。

人が「やりたくないこと」をやれと言われたときの反応は、「やらない」か「形ばかりの行動をする」のどちらかです。

これは大人でも同じなので自分の周囲に置き換えて考えてもらうとわかると思いますが、「ちゃんとやりなさい」と言われて、「私が間違っていました!」と心から反省して前向きに行動するような人はいません。

その考えがあっているかどうかは別にして、「本人には本人なりの考え」があり、その信念が変わらない限り前向きには行動できないのです。

そして、「ちゃんとやりなさい」というアプローチでは相手の心は変えられないことは「北風と太陽」の寓話を持ち出すまでもなく明らかです。

「形ばかり」の勉強をどれだけ増やしたところで成績は上がりません。

お子さんを伸ばすためには、我々大人の側も忍耐力が試されます。

どこの子もそんなものと思って気持ちを落ち着けて、【太陽】のようなアプローチをしてくださいね。

さて、「6年生の後半からグッと力を伸ばして逆転合格!」というストーリーは確かに盛り上がりますし、喜びもひとしおかもしれません。

しかし、そうしたストーリーは「決して簡単ではないこと」であり「滅多にないこと」だからこそ「ドラマチックなこと」だということは忘れてはいけません。

多くの受験生は「受かるべくして順当に受かる」か、「落ちるべくして順当に落ちる」のどちらかです。

最後まであきらめずに頑張ることも大事ですが、それ以上に望ましいのは順当に受かる力を身につけておくことです。

みなさんもそう思いませんか?

そこで、今回の記事では、4・5年生の保護者さんに向けて、順当勝ちするための大切なポイントをお話ししようと思います。

必ず最後まで読むようにしてくださいね。

順当勝ちするために重要なことは「5年2学期で苦手単元を作らないこと」です。

これはいろいろなところで言われることなので、もしかしたらもうすでにご存じだったかもしれませんね。

「なんだそんなことか」と思わせてしまったら申し訳ありません。

しかし、みなさんが思う以上に、この5年の2学期というのは重要なのです。

例えば、入試によく出る単元No.1と言えば「速さ」なのですが、それの派生パターンである旅人算・時計算・流水算・通過算・仕事算といった単元の数々が怒涛のように攻めてきます。

これらは基本的な考え方は共通で、相互に繋がっています。

ですから、しっかり深掘りして理解すると、似たような単元もまとめて解けるようになります。

しかし、表面的な解法パターン暗記の勉強をしていると、似ているだけに、どれがどれだかわからなくなりパニックを起こします。

たくさんの解法パターンを覚えなくてはいけないのは事実ですが、その解法になる「原理」や「理由」をきちんと理解しないままでの暗記だと、算数ではなかなか定着につながらず、苦手意識ばかりがつのることになります。

原理を理解しないままで「暗記算数」をやっている子は、4年生の単元だったら過不足算、5年生の単元だと割合が苦手な子が多いです。

もし1学期に習ったこれらの単元が「難しい~」「嫌い~」と言っているようでしたら、5年の秋に習う速さ関係はだいたいどれも苦手になるでしょう。

一度苦手意識を持ってしまうと、立て直しは困難です。

さらに、5年秋のカリキュラムには、速さと並び入試で合否を分ける重要単元の「比と図形」があります。

「相似」や「面積と辺の比」といった内容です。

これらの単元は、複雑な図形の中の一部を頭の中で部分的に切り出して考えて解く問題です。

図形をイメージする力が低く、どこを見て良いかわからない子は解くに困ることになります。

下の図形を見てみてください。

LIFE

この図を見たときに、どこを見たら良いのか一瞬困りますよね?

図形の中に、意味がある部分とない部分があります。

その意味がある部分を見つけるまで、試行錯誤というか、視点の切り替えが必要です。

すぐにわかってしまった人にはもう一問。

ABCD

こうした視点を切り替える作業が苦手で、図形の中に隠れている「相似」などの意味がある部分を見つけ出せない子は、「比と図形」が苦手になってしまいます。

カギになるのは「図形の認識力」の方で、解法を覚えているかどうかではありません。

解説を読んで、あるいは先生の説明を聞いて、「わかった」と思っても結局できない子はここに原因があります。

これまでの図形問題で「表面積が苦手」とか「展開図が苦手」と言っている子は図形の認識力が弱くて「比と図形」にも苦労する可能性が高いです。

これら5年秋の重要単元を表面的な理解で通過してしまい、6年生になったときにすっかりわからなくなってしまうと、そこから立て直すのは本人も親御さんも苦労します。

ですから、今このタイミングでしっかりと本質的な理解までたどり着くことが大切なのですね。

では、本質的な理解ができているかどうかはどうすれば確認できるのでしょうか?

その方法は、「理解していないとできないことをしてもらう」ことです。

例えば、「なぜその解法になるのかを説明してもらう」というのが「速さ」関係の問題であれば効果的です。

「比と図形」であれば、図形を回転させたり、多少変えたりして、類題を作って解いてみるのが良いでしょう。

全く同じ問題を解いても、図形の認識力のトレーニングにはなりません。

知識の確認になるだけです。

そうして「ちゃんとわかった」のレベルまで理解を深めると、その時に解けるようになるのはもちろん、時間が経っても忘れにくくなります。

私たちテスティーではこの理解のレベルを「ステイライン」と呼び、指導の際に非常に大切にしています。

理解度を測るのは慣れないと最初は大変ですが、原理としてはそれほど難しくありませんので、ご家庭でもぜひ意識してみていただければと思います。

そして、理解が不十分だなと感じたら、納得できるまで説明してあげることと、定着するまで反復練習をすることを徹底していきましょう。

子どもの自己評価に任せておくと、「理解している『つもり』」になってしまうことが多いので、しっかりサポートしてあげてくださいね。

それでは!

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