塾長ブログ

不合格になったときにどう声をかければ良い?

おはようございます。

個別指導塾テスティー塾長の繁田和貴です。

不合格になる準備

この記事を見ているみなさんはきっと中学受験をお考えだと思います。

中学受験をするのであれば、必ず準備をしておかなければいけないことがあります。

それが、「不合格になる準備」です。

なぜなら、私立中学校受験はその性質上、第一志望に落ちる子の方が圧倒的に多数派だからです。

これはご自身が中学受験を経験されていない方だと特にピンとこないかもしれませんね。

公立高校受験は1校しか受けられないことや経済的な事情があるため、日比谷などのトップ校を目指す場合以外は「受かりそうな学校を受ける」のが普通です。

しかし、中学受験は複数校受験するのが一般的で、私立の授業料を払うことが最初から前提になっています。

ですから、受かりそうな学校に加えて、「あわよくば受かったらいいな」というチャレンジングな学校も受験します。

多くのご家庭にとってはそちらのチャレンジングな学校が第1志望ということになります。

そのチャレンジに成功して第1志望に受かる子は20%~30%と言われています。

だいたい4人に1人くらいですね。

他の4人中3人は第1志望には合格しません。

第1志望に不合格になる子の方が圧倒的に多数派というのはそういうことなのです。

不合格時の対応

ですから、ほとんどの保護者さんは「不合格になってしまった子への適切な対応」を迫られることになります。

これはとても重要なお仕事です。

しかし、お子さんが不合格になったら、保護者さんもなかなか冷静ではいられません。

冷静ではない状態で行動をするとどうなるか?もちろん失敗してしまうことが増えるわけですね。

だから、どう対応するかを事前に考えて準備しておかなければいけないのです。

準備が無駄に終わったら喜びましょう。

気持ちの立て直しとポジティブな受け止め

さて、受験で不合格になってしまったときの対応で、我々周囲の大人が目指すことは大きく2つです。

1つは、その後も続く他の学校の受験で合格するために、気持ちを立て直すこと。

もう1つは、「中学受験をして良かった」と思って終わるために、結果をポジティブに受け止めること。

お手本を見せる

そしてそのための対応として、私が経験上効果的だと考えているのが、この2つのお手本を自分が見せることです。

私たちだって、生徒が不合格になったらそのときは悔しいし悲しいです。

しかし、それで引きずっても良いことは無いと知っています。

そして、毎年多くの子たちが不合格になっていますが、それぞれ合格して進学した先の学校で充実して楽しい中学校生活を送っていることも知っています。

ですから、不合格なんて大したことじゃないと割り切って次に向けて気持ちを切り替えられます。

そういう姿を見せたり、言葉で伝えたりすると、生徒たちも比較的すぐに気持ちが立て直せています。

不合格も成長の通過点

そして、これは一通りすべての受験が終わった後になるかと思いますが、不合格だった結果も含めてあらためてポジティブに評価しましょう。

・不合格になるのが普通であり多数派。大きなショックを受けるようなことではない。

・ナイスチャレンジだった。チャレンジの過程で成長できたことが素晴らしい。

・でも、改善の余地はあったはず。もしもう一度やり直せるとしたらいつからやり直したい?何を変えたい?今後にどう生かす?

私たちはこういったことを伝えて、一緒に考えて、「不合格」という「点」ではなく、「これまで」と「これから」を含めた「線」で中学受験をとらえるようにさせています。

不合格もまた成長のための通過点であり、改善のきっかけとして前向きに受け止めるということですね。

そして、もう1つ

・併願校の合格を心から喜ぶ

ということを大事にしています。

進学先の学校を一番の学校にする

「中学受験をして良かった」と思えるかどうかは、合格して進学することになる学校に価値が感じられるかどうかが大きく影響します。

そして、価値が感じられるかどうかは、周りの人たち(特に親)がどれくらい喜んでいるかにかかっています。

ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンによると、人は利益のようなポジティブな情報よりも損失・危険といったネガティブな情報に注意を向ける性質があるそうです。

合格の喜びよりも、不合格のショックの方が、必要以上に大きく感じてしまうのはそのせいなのでしょう。

意識的に合格だった結果に目を向けるようにしたいものですね。

ご縁のあった学校こそが一番の学校

塾を始めたばかりの頃、私のSAPIX時代の恩師から、こんな話を聞いたことがありました。

「繁田、俺はな、30年以上中学受験生たちを見てきて、一つ確信していることがある。ご縁のあった学校こそが、その子にとって一番の学校である。と」

この話を聞いた当時は、「全員が合格できるわけではない」という不都合な真実を抱える、塾という仕事を正当化する口上かと思ったものです。

でも、今は自分が経験を積み、生徒の合格後の事例をたくさん見るようになり、恩師の言葉は正しかったと感じています。

でも恩師の言葉をちょっとだけ訂正するならば、「一番の学校である」ではなく、「一番の学校にする」でしょうか。

進学先の学校で、自分がどのように過ごしていくか。中学受験の結果以上に、これが大事です。

どんな結果でも、ぜひ、進学先の学校での明るい未来を想像し、前向きな気持ちで中学生活を迎えてください。

以上、不合格だった場合のおすすめな対応でした。

もちろんこの通りにやらなければいけないということではありません。

これらを参考にしながら、みなさんならどういう声かけを子どもにするか、考えて準備をしておいてくださいね。

それでは!

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