課題を見つけて解決する能力の育て方
おはようございます。
個別指導塾テスティー塾長の繁田和貴です。
今回の話は「中学受験を9割成功に導く」とはちょっと外れた話になるかもしれませんが、
最近あった刺激的な体験についてシェアさせてください。
先日EO(Entrepreneurs’ Organization)という団体の会合にいきまして、
ISAKを設立した小林りんさんの講演を拝聴してきました。
ISAKと小林りんさんをご存知ないかもしれないので簡単に説明すると、
ISAKは軽井沢にある3年制の全寮制インターナショナルスクール(高校)です。
卒業時には国際バカロレアディプロマと日本の高等学校卒業資格を取得できるカリキュラムになっていて、日本で唯一UWC (United World Colleges)という国際的な民間教育機関にも加盟しています。
小林りんさんはそのISAKの設立者で、1998年東京大学経済学部卒、2005年スタンフォード大学国際教育政策学修士、そして国連児童基金(UNICEF)のプログラムオフィサーとしてフィリピンに駐在、ストリートチルドレンの非公式教育に携わった方です
フィリピンにはストリートチルドレンが30万人もいるそうですね。
そういった子たちに教育の手を差し伸べようとしても、貧困ゆえに児童労働をしなければならず、学校に行くことがままならない子が多かったそうです。
そういった状況を見て逆に、貧困層への教育だけやっていても解決しないのではないか?
社会を変革するためには、社会問題を解決できる人を育てなければいけないのではないか?
と問題意識を持ったそうです。
そして、リーダー教育をするための学校を作ろうと思い、ISAKを設立したそうです。
世の中を変えていくリーダーを育成するためには多様性が必要だと考え、世界中から学生たちを集めるインターナショナルスクールにして、現在では世界84か国から集まった190名の高校生たちが在学しているそうです。
級友を通して世界を知ることは、子どもの教育にとってどれだけ大きな効果があることでしょう。
つい長くなってしまいました。
ISAKと小林りんさんの紹介はこのあたりで終わりにしておきますね。
私はこの講演を聞いて「リーダー教育」についてあらためて深く感じさせられました。
私がテスティーで実現したいものも、根本は同じなんだなと再確認した次第です。
これからの時代は「正解」の価値が無くなると言われています。
情報はスマートフォン1つで調べることができるようになり、正解の情報を覚えておく必要が無くなるのです。
そんな時代に必要になるのは「問いを立てる力」です。
あれ?これって問題なんじゃない?解決した方が良いんじゃない?と問題意識を持てる感性ということもできるかもしれません。
こういった感性は、多様性の中で、多面的なものの見方をすることで育まれやすいですね。
そして、課題を発見したら、それを解決する能力が必要になります。
その解決策を探し、発見し、ときに周りを巻き込みながら実現していく能力を持つのが「リーダー」となる人です。
生徒たちを、そんな能力を持つ大人に育てたいというのが、教育者としての自分の願いです。
もちろん全員が全員、世界を大きく変えるような「偉人」になる必要なんかありません。
(そういう教え子が出たら嬉しいですけど)
身の回りのちょっとした問題を解決し、世の中をちょっと良くする、そんな子たちがたくさんいれば、トータルで世の中って良くなっていきますよね。
じゃあその解決能力の根本にあるのは何かといったら、やはり「学ぶ力」にあると思います。
これからますます新しい技術が生み出されます。
そういった新たな技術をいち早く理解し、使いこなせるようになることが、発見した課題を解決する近道になります。
あるいは、自分自身で解決する技術を生み出す場合にもまた、トライ&エラーの経験の中から学ぶ力が必要になるでしょう。
そういった力を身につけさせることは、子どもにとっての身近な「課題」である受験勉強を通じてもできることです。
なぜ自分は受験をするのか?
なぜ自分は学ぶのか?
より最適な学び方は?
そういった自分に向けての問いを繰り返すことで、学びの質が変わってきます。
私たちテスティーは受験指導をする塾ですが、ただ受験に合格させるためだけでなく、受験勉強という経験を通じて子どもの学びの質を変えること、学ぶ力を高めることを目指してきました。
それをこれからも続けていこうと、思いを新たにしました。
そして、ISAKに比べてスケールがちょっと小さかったなとも思いました(笑)
奨学金のための基金を作ってお金を集め、世界中から生徒や先生を集めてきて、多様性にあふれる環境を作っちゃうってすごいですよね!
そこまでの規模のことはなかなかすぐには実現できないですが、もっと受験という枠を超えた学びの場を作り、子どもたちが学ぶ力を磨く機会として中学受験を活用していける形にしていきたいと思います。
今回の記事はあまり「中学受験の合格」に関わる話にはならなかったですね。
すみません。
でも「子育て」においては大切な視点をお伝えしたつもりです。
中学受験の世界に踏み込むと、どうしても「目指せ御三家」のような価値観に縛られて視野が狭くなりがちです。
人によっては、目の前のエリートコースっぽいレールから外れちゃいけない、というプレッシャーを感じたりします。
それでは本当の意味での良い学びをすることはできなくなってしまうのではないでしょうか。
これからの時代を考えたとき、テストの結果とか、どれだけの知識を覚えたかよりも、そこに至るまでにどういう学び方をしたのかというプロセス自体に価値があるのではないかと思います。
私が「中学受験の意義とは?」という問いを立てたときに、私の中からでてきた答えがそれでした。
みなさんだったら「中学受験の意義とは?」に対して、どんな答えを出しますか?
そして、これ以外にも、ご家庭の中で日頃から問いを立てる習慣を作ってみてくださいね。
それでは!