塾長ブログ

大手塾の合格力ランキングの不都合な真実

 

おはようございます。

個別指導塾テスティー塾長の繁田和貴です。

 

 

先日見守る子育て研究所の小川先生と、伸学会の菊池君と、菊池君の奥さんと、水着で入れるサウナに行ってきました。

花粉もピークを過ぎてきて、外気浴が気持ちいいですね。

 

とてもリラックスして過ごすことができました。

 

仕事を抜きにしてプライベートで集まったのですが、やはり教育関係者同士ということで、どうしても仕事の話で盛り上がってしまいました。

 

特に盛り上がったのが、中学受験を通じていかに幸せな子を増やしていくかという話と、そういう視点で見たときに、いろいろな雑誌がやっている塾の「合格力ランキング」って良くないよねという話でした。

 

この話は中学受験にチャレンジしようとするすべての親子にとって役に立つ話だと思ったので、今回は記事でみなさんにもシェアしようと思います。

 

ぜひ最後まで読んだうえで、両親で、親子で、話し合ってみてくださいね。

 

 

 

小川先生も菊池君も私も、大手塾で集団授業の指導を経験したことがあります。

 

そして、その集団授業に足りないものを感じたから、小川先生と私は個別指導の塾を立ち上げ、菊池君は大手とは違ったあり方で受験指導をしています。

 

その足りないものとは何かというと、「『この子』を伸ばすための『システム』」です。

 

1人1人の講師は、おそらく自分が担当する「この子」の生徒の成績を伸ばしたいと思っているでしょう。

 

そして「この子」を合格させたいと願っていると思います。

 

しかし、塾としてのシステムはそうはなっていません。

 

入会テストの成績で優秀な子を選抜し、入会後も模試でふるいにかけ続け、難関校の合格実績を出せる子が生き残るシステムになっています。

 

「この子」じゃなくても、つまりみなさんのお子さんじゃなくても、誰かが合格してくれれば誰でも良いのです。

 

システムの目的が、「育成」なのか、「選別」なのか、大きな違いです。

 

なぜ大手塾のシステムは「選別」が目的になっているかというと、そうすれば生徒が集められ、塾が儲かるからです。

 

現場の講師の想いとは別に、大手塾(の経営者)にとって生徒の合格実績は集客のための「広告」というのが現実です。

 

私たち中小塾のように、口コミである程度生徒が集まってくれれば十分というモデルではありません。

 

そして、合格実績を出すためには、できる子をさらにできるようにするために上位層にターゲットを絞った授業を展開した方が効率が良いというのが事実です。

 

どうせ一般の人たちは、開成とか桜蔭とか、最難関の学校の合格実績しか見ませんから。

 

そして、その開成とか桜蔭とかに合格した子たちが、入塾した時からもともと賢い子だったのか、その塾で賢く育ったのかの区別は誰にもできません。

 

だから、ここに入塾させればわが子を育ててもらえる誤解して、レベルが合わない授業を受けさせ続け、それに対して高い授業料を払い続ける「お客様」がたくさん生まれてしまいます。

 

また、それを助長しているのが、多くの雑誌が特集している、塾の「合格力ランキング」といった企画です。

 

 

先日も週刊ダイヤモンドがこの企画をやっていましたよね。

 

首都圏1位の塾はSAPIXで、合格した学校の平均偏差値(※)は58.5、2位の塾は希学園で、合格した学校の平均偏差値(※)は58.1だったそうです。

(※四谷大塚基準)

 

 

希学園がこの数字を上げて1位を取る一番簡単な方法はなんだかわかりますか?

 

ちょっと考えてみてください。

正解は、生徒の成績を伸ばすことではありません

 

 

偏差値が低い子たちを退会させることです。

 

パワハラのようなことをして追い込んだり、強制的に退会させたりといった、モラルに反することはきっとしないでしょう。

 

そんな角が立つことをする必要はありません。

 

授業の難易度・進度を上げれば、成績が悪い子がついてこられず、自然と辞めていく子が増えます。

 

 

上位層にターゲットを絞った授業展開は、上位層を伸ばすためだけでなく、下の子をふるい落として平均値を上げ、この手の雑誌のランキングで上位にいくためにもとても効果的な手法なのですね。

 

ちなみに入会試験で成績が悪い子を最初から入れないというのも同じくらい良い方法です。

 

これが私立中高一貫校だったら、中学受験のときの偏差値と、卒業生たちの進学先大学の偏差値を比較して、中高で伸びたかどうかで合格力ランキングが出されていますよね。

 

この手の合格力ランキングで、わが母校の開成は全く上位には入りません(笑)

 

中学受験で開成に合格する学力を持っていた子たちが、6年後に東大に合格したって、すごくもなんともないという評価です。

 

しかし、中学受験塾の合格力ランキングでは、入会した時の学力は基準になっていないので、入会できるのを学力が高い子だけに絞り込めば、ランキング上位に行けます。

 

でも、それって「塾の」合格させる力ではなく、「塾生の」合格する力だと思いませんか?

 

 

大手塾に通わせるというのは、そういうふるい落としの厳しい世界に子どもを飛び込ませるということです。

 

ですから、よく言われるように、塾に通わせておけば安心と思わず、お子さんをサポートすることが大切です。

 

合格力1位のサピックスに通わせておけばあとは大丈夫と思いたくなってしまいますよね。

 

でも、合格力1位の正体はもうお分かりいただけたと思います。

 

みなさんのお子さんを育成するためのシステムではないのですから、そこに通っているだけで勝手に成長していくことを期待したら、その期待は裏切られて傷つくことになります。

 

そして傷ついた心で子どもに向き合うと、子どもも何らかの形で傷つくことになります。

 

親子で幸せになるためには、裏切られるような期待は初めからしないことです。

 

道は2つに1つで、「成績アップを期待しない」か「塾が成績をアップさせてくれることは期待しないで自分でやるか」です。

 

もし「自分がしっかりわが子をサポートしよう」と思うようでしたら、私はそんなみなさんをサポートするためにこれからも役立つ情報を発信していきますね。

私のメルマガやYouTubeでお子さんの成績をアップさせるための秘訣をお伝えしていますので、ぜひ実践していってください。

 

応援しています。

 

それでは。

お気軽にお問い合わせください!

ボタンをタップすると発信できます

【 営業時間:月~土 14:00~22:00 】