サピにする?早稲アカにする?子どもに合う塾の選び方
こんにちは。
個別指導塾テスティー塾長の繁田和貴です。
中学受験において、塾の選び方って結構深刻な問題ですよね。
皆さんの中にも、
これから塾通いを始めようという子や、
転塾を検討している子もいるのではないでしょうか。
そこで、今回はそうした方たちに向けて、塾の選び方についてのアドバイスをしたいと思います。
テスティーでは、
テスティーだけで中学受験をする子たちもお預かりしていますが、
生徒の多くはサピックス・早稲アカ・四谷大塚・日能研・グノーブルなどの大手の集団塾に通っていて、それに加えてテスティーにも通っている子たちです。
そういう集団塾と併用している子たちをたくさん見てきたので、どういう基準で塾を選べば良いのかをよく知っています。
通っている集団塾でうまくいっている子とうまくいっていない子の違いが見えるからです。
集団塾でうまくいっていると、私たちの指導との相乗効果でさらにグッと成績が伸びやすいです。
4~5年生のころには考えられなかったような成績アップを見せて、最難関校の合格をつかんだりするんですね。
そういう成績アップをぜひ実現してもらいたいので、合う塾の選び方をお伝えします。
参考にしてみてください。
私が塾の選び方で最も大事だと思うのは、
その子が前向きな気持ちで勉強に取り組めているかどうかです。
人間の脳の働きというのは、精神状態に大きく左右されます。
苦手意識を持ってしまったり、ほかの子に引け目を感じてしまったりすると、途端に脳が働かなくなってしまうのです。
そのことは実験によっても示されています。
実験はこんな手順でした。
まず、IQが高い人たち(IQの平均値が126)を集めました。
そして、全員に認知テストを行い、その成績をすべて公開してランクづけしました。
その後、みんなに問題解決力を問うタスクを指示しました。
実際にはみんなほぼ同じIQで、元々の力には差が無いはずですが、
その中で順位を作れば成績優秀者と下位者を作ることができます。
そして成績が公表されれば、
下位になった人は「私はみんなより頭が悪いんだ」と思うことになります。
こうした劣等感を感じる状況になると、
下位になった参加者は本来の頭の良さを発揮できなくなるのでは?
と研究者は考えたわけです。
結果はどうだったかと言うと、予想通り、
認知テストの順位が低かった人ほど、その後のタスクができなくなり、
時間とともにIQは低下し続けました。
なんと、下位グループの人たちは、平均して17.4ポイントもIQが低下しました。
なお、上位グループの方も平均IQは低下し、平均8ポイントの低下となったようです。
恐ろしい話ですね。
成績で序列をつけて他人と比較することは、
下位の人たちに対してはとてつもないマイナスの影響を与えることになり、
そのうえ上位の人たちに対してもマイナスの影響があり、
誰も得はしなかったということです。
こうした結果を踏まえて、塾の選び方を考えていきましょう。
人と比べて優劣をつけるのではなく、
過去の自分と比べて成長しているかを考えるマインドを子どもには教えていく必要がある
ということが言えるでしょう。
しかし、それは決して簡単なことではありません。
中学受験のために大手塾に通ったりすると、
頻繁に組み分けテストでクラスがアップダウンすることになります。
学力別に授業を行うことは、
その子に適した難しさの指導を行うことができるという点でメリットもあります。
しかし、そのクラスのアップダウンによって、どうしても他の子と自分を比べる意識を持たされてしまいます。
皆さんも、
「子どもの成績やクラスのアップダウンで一喜一憂してはいけない」
なんて話はいろいろなところで聞くと思いますが、
意識しないなんて難しいですよね。
クラスダウンしたらどうしても嫌な気持ちになってしまうものだと思います。
子どもも同じで、成績やクラスのアップダウンで優越感を感じたり劣等感を感じてしまうものです。
先程の実験結果を踏まえれば、
そのことによって成績が良くてもマイナスの影響、
成績が悪いととんでもなく大きなマイナスの影響を受けてしまいます。
成績順に座席が決まったりするような塾だと、
なおさら他の子と比べる意識を持たされてしまいますので、
いっそう劣等感を感じる機会が増えることでしょう。
これは大きなデメリットですね。
ほかの子と比べる意識を捨て去るのが難しいとしたら、
しっかりと勉強のサポートをして成績上位に入れるようにしてあげる必要があります。
また、それが可能な塾の選び方をすべきです。
テスティーに通っている子でも、通い始めてから成績が上がって、それにともなってイキイキしだして性格まで前向きに変わった子がけっこういます。
苦手だった科目であるときポンといい点が取れて、
それまでの苦手意識が払拭されて得意になったというような経験は、
私たち大人は振り返ってみれば1つくらいはあると思います。
そうなるのを待つのではなく、
こちらがサポートしてそうなるようにしてあげるということですね。
もしサポートをするのが難しいなら、塾の選び方を工夫するという方法が次善の策です。
これから塾通いが始まる2~3年生の子なら、最初から成績上位になれる塾を選べば良いです。
すでに塾に通っている4~5年生の子で、例えばサピックスで成績下位から抜け出せないようでしたら、
転塾して成績上位をキープできるほかの塾に通った方が伸びやすいということですね。
これと同じことは塾の選び方についてだけではなく、学校選択でも言えるようです。
教育経済学の研究によると、第1志望に進学した子よりも、第2志望に進学した子の方が、将来成功する確率は高かったそうです。
その理由は、第2志望の学校に進学した方が成績上位を取りやすく、自信が育つからということでした。
レベルの高い友人たちに囲まれることよりも、
友人たちの中で自分が上位に入れることの方が子どもに良い影響を与えるというのは、なんだか考えさせられてしまいますよね。
宣伝のようになってしまって申し訳ないのですが、
個別指導が良いと思う点の一つには、そういうほかの子との比較を考える必要がないことが挙げられます。
自分の成長だけにフォーカスしやすいんですね。
テスティーに来てグッと伸びた子たちも、
クラスのアップダウンや成績での席順がなくなって他の子との比較をされない環境になったことで、
その子が持っていた本来の頭の働きを取り戻したということは少なからずあったのではないかと思います。
ただ、4科目すべてを個別指導に通うというのは経済的な負担が大きくなり、普通は難しいのではないかと思います。
どこか集団塾に通って、必要に応じて個別や家庭教師という形が一般的ですよね。
だったら
塾の選び方として、集団塾に通う場合には、成績上位になれるところを選ぶようにする。
ネームバリューのある最難関塾に固執したくなる気持ちはわかりますが、
実はそれがお子さんの持てる素質を開花するための近道かもしれません。
以上、集団塾の選び方についての大切なポイントでした。
皆さんのお子さんが今すでにどこかの塾に通っていて、
下位のクラスで伸び悩んでいるとしたら、もしかしたら苦手意識や劣等感に心を縛られて、脳の働きが奪われてしまっているからかもしれません。
それらを取り除くことができれば、きっと脳の働きが良くなりますよ。
ほかの子のとの比較ではなく自分の成長にフォーカスするマインドを育てるか、
あるいは
成績上位で気分よくいられる環境に移るか、比較がない環境に移るか。
あなたのお子さんの本来の力を取り戻させてあげてくださいね。
それでは。