【都立高校入試2023】数学 解説
本日は高校都立入試2023年の数学の解説を見ていきましょう。
ポイントになるのは大問4です。
【問1の解説】
問1は、与えられた条件の下で∠ADPの大きさを求める問題です。
まず、∠AQC=110°と与えられているので、∠AQB=180°-110°=70°であることがわかります。また、∠AQBと∠DAQは平行線の錯角の関係になっています。よって、∠DAQも70°であることがわかります。
ここで、四角形AQCDに注目してみましょう。与えられた条件から、AD∥QC、AQ∥DCであり、四角形AQCDは平行四辺形だとわかるので、AQ=DCです。また、AB=DCという条件があるので、AB=AQとなります。
よって、三角形ABQはAを頂点とする二等辺三角形となっていることがわかりました。ゆえに、∠BAQ=180°-(70°×2)=40°と求められます。
さらに、⊿APDに着目すると、∠ADP=180°―(∠DAQ+∠BAQ)-α°=180°―(70°+40°)-α°となるので、∠ADP=(70-α)°と求められました。よって答えはウです。
【問2①の解説】
二つの三角形が相似であることを示す問題です。
まず、今回の問題の条件では、辺の長さの比は与えられていないので、「二組の角がそれぞれ等しい(二角相等)」という相似条件を使って証明することになります。相似を示したい二つの三角形⊿ASDと⊿CSQは、砂時計の様な形になっていますよね。ABCDは台形なので、AD∥BCです。よって、平行線の錯角の関係が利用できそうです。しかも、頂点Sで、直線ACと直線DQが交わっているので、対頂角は等しいという性質も利用できます。つまり、3つの角のどれを選んでも、意外とすんなり証明できてしまいます。どの角を選んでも良いのですが、今回はせっかくなので、錯角と対頂角を両方用いた証明の記述例を以下に示します。
【証明】
⊿ASDと⊿CSQにおいて対頂角は等しいので
∠ASD=∠CSQ・・・①
AD∥BCより平行線の錯角は等しいので
∠ADS=∠CQS・・・②
よって①、②より二組の角がそれぞれ等しいから
⊿ASD∽⊿CQS (証明終)
【問2②の解説】
この問題は、辺の比を用いて最後まで計算を進めていく必要があります。また、適切に補助線を引けるかどうかがポイントです。
AP:PB=3:1、AD:QC=2:3、AC∥PQ
まずは、AD:QC=2:3と分かります。問2の①で⊿ASD∽⊿CQSを示したので、AS:SC=2:3・・・①だと分かります。
また、AC∥PQなので、平行線の性質よりAP:PB=CQ:QB=3:1と求められます。
ここで、補助線を引くために直線DPと直線CBの交点をEとします。
EBをxと置くと、AD:EB=AP:PB、つまり2:x=3:1となります。
比の式を解くと、x=2/3と求めることができます。
<平行線に注目する>
続いて、ADとECの平行線に注目すると、AD:EC=2:2/3+1+3=2:14/3なので、比を簡単にすると、AD:EC=3:7です。
また、AD∥ECの平行線の性質を用いると、AD:EC=AR:RC=3:7・・・②と分かります。
ここで①、②の式を用いると、AR:RC:SC=3:1:6・・・③ですね。
また、最初の台形ABCDに注目するとAD:BC=1:2です。
⊿BACの底辺を辺BC、⊿DACの底辺を辺ADとみれば、⊿BACと⊿DACの高さは等しいので
台形ABCDと⊿DACの面積比は2:1・・・④となり、⊿ADC=1/3四角形ABCDであるとわかります。
ここで③より、RS=1/10ACですね。
⊿DACと⊿DRSは高さが等しいので面積比は10:1・・・⑤だと分かります。
よって④、⑤より⊿DRSの面積は台形ABCDの面積の1/30倍であると求めることが出来ました。したがって、「お」には1、「か」には3、「き」には0が入れば正解です。