【TESTEA(テスティー)自由が丘校】公式の丸暗記ってどうなの?
TESTEA自由が丘校(兼 みなとみらい校)教室長の中島です。 いやぁ、今日は気温が上がりましたね。7月並みだったそうです。なんか日本はもはや亜熱帯気候なのでしょうか。
さて、本日のタイトルですが、「やはり単なる丸暗記ではなかなか成績は上がらない。」ということです。
小学生の算数で「場合の数」という単元があります。数学を学んだ方は、この手の問題をすぐにPとかCとかの公式を覚えこませ、「とりあえず、この公式に当てはめれば答えが出せる。」と言って指導することがあります。 もちろん、このような指導は「極めて単純な基本的な問題」については、「なんでそのような公式を使うと正しい答えが出せるのか。」を知らなくても、誰でも機械的に正解を導き出せる(ただし、計算ミスをしなければ)という点では、実にすばらしい指導かもしれません。
例えば、「5人の生徒の中から、2人当番を選ぶのは何通りあるか。」という問題。
5×4÷2と計算するわけですが、このとき「なぜ、÷2をするのか。」という質問をしたときに、お子さんが答えられなかった時、先ほどの「とりあえず指導」を受けているかもしれません。 さらに、「7人の生徒の中から、3人当番を選ぶのは何通りあるか。」という問題は、7×6×5÷(3×2×1)と計算するわけです。
このとき「なぜ、÷(3×2×1)をするのか。」という質問をしても、当然理由を答えることができないでしょう。 ともすると、7×6×5÷3としてしまうお子さんもいるでしょう。これは、よくある誤解なのですが、「÷2」が「2人選ぶ」と結びついてしまっているお子さんは、「3人選ぶ」と見たら反射的に「÷3」としてしまうものなのです。
場合の数を教わるときに、必ず最初に習うのは「樹形図」です。
まずは、思いつくままに書き出すことから始まるわけです。が、その書き出しを楽に行うことができる図ですね。
先ほどの問題は「組み合わせ方」という学習内容です。この前には「並べ方」を教わっています。指導する順番は、必ず「並べ方→組み合わせ方」です。それには、もちろん理由があります。
生徒は問題演習を通じて、「組み合わせ方」のほうが「並べ方」よりも少ないことを経験します。なぜなら、並べ方を数える際に必ず「重複するものを1通りとみなす。」という経験をするからです。 なので、3人選ぶときには、{A、B、C}・{A、C、B}・{B、A、C}・{B、C、A}・{C、A、B}・{C、B、A}の6つは実はすべて同じ。だから「÷6」をすることを知るわけです。 そして、その6通りというのが、実は3つの並べ方の(3×2×1)通りなんだと納得するわけです。
しかし、このあたりの「気づき」と言いますか、塾側からすれば「誘導」と言いますか。こういったことが「とりあえず指導」から得られるかと言えば、それは到底無理でしょう。 ひどい指導になりますと、「樹形図」すら満足に書かせないで、いきなり公式を覚えさせるといったこと。お問い合わせ面談時に他塾さんの実例として話題になることもあります。
では、最後になりますが、ぜひこんな問いかけをお子さんにしてみてください。
(1)三角形の面積の公式って、なんで「÷2」をするの?
(2)N角形の内角の和の公式って、なんで「−2」をするの?
(3)N角形の対角線の本数の公式って、なんで「−3」とか「÷2」をするの?
そもそも、公式自体を忘れちゃってるかもしれませんけどね。(でも、それはお子さんだけのせいではないかもしれません。指導側の問題かもしれませんので、お子さんを叱るのはちょっと待ったほうがいいですよ。)
◆なんでそうなるの?(by コント55号)