【卒業生が語る】慶應義塾高校はどんな学校?
甲子園がいよいよ幕を閉じました。
今年も白熱した試合が繰り広げられ、とても感動的でしたね。
結果は慶應義塾高校の107年ぶりの優勝ということで、同校の卒業生の自分としては嬉しい限りです。
そんな中で慶應義塾高校は別の点でも注目されていますね。
例えば、
・坊主頭が見当たらないこと
・他のチームには見られないチーム方針
・監督と選手の距離
などだと思います。
確かにそれらは今までの高校野球の慣例から考えるととても異質に見えることでしょう。
そんな今大注目の慶應義塾高校ですが、本当はどんな学校なのか気になっている方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は実際に慶應義塾高校卒業生の視点から校風、施設、行事、部活、勉強のテーマについて紹介したいと思います。
<目次>
慶應義塾高校の基本情報
1948年設立
正式名称:慶應義塾高等学校 通称:塾高(以下塾高)
神奈川県の慶應義塾大学日吉キャンパスの中に校舎を構えます。
1学年約700名~750名で、全校生徒約2200名・54クラスのマンモス校です。
構成としては中等部・普通部からの内部生と外部生がおよそ半々で在籍しています。
卒業後はほとんどの生徒が慶應義塾大学に進学しています。
校風
福沢諭吉の教えでもある「独立自尊」を掲げ、自主性と気品を重んじる学校です。
教員から強制されるというよりは、自身の行動は各々の判断に委ねられることが多いと思います。そのため校則もほぼありません。
髪色、髪型も自由ですし、アルバイトも一応報告の必要はありますが制限はありません。
校則の有名どころとしては
・制服をちゃんと着ること
・トイレの個室に2人で入らないこと(喫煙防止のためにかなり昔にできた校則)
・カーディガン禁止(なぜあるのかは誰も知らない)
などです。
このような方針で学校を持続できるのも、ある程度の常識を持った生徒が多いからでしょう。その上で自由な環境にすることで自主性を育もうとしているのだと思います。
また教員と生徒が比較的対等な立場として扱われることも特徴の一つだと思います。
例えば生徒は教員のことを「○○先生」と呼ぶのではなく、「〇〇さん」と呼びます。そう決まっているわけではないのですが、それが塾高の慣習になっています。
これは福沢諭吉の「半学半教」という教えが影響しているのだと思います。
施設
大学のキャンパスの中にあることや在校生が多いということもあって、とても施設や環境には恵まれています。
特に運動施設などは充実していて、体育の授業では少しテンションが上がります。特に体連(運動部のこと)に入った生徒は環境の良さをより実感することでしょう。
他にも数年前に新築された協育棟という建物があります。
この建物には1階にトレーニングルーム、2、3階に図書室、4階に講演などで使うホールが入っています。特に図書室が非常に蔵書数が多く、その数は12万冊にも上ります。
また同キャンパス内の大学の施設を使うこともあり、非常に恵まれた環境で学校生活を送っています。
行事
主な年間行事はとしては、
・球技大会
・選択旅行
・陸上運動会
・日吉祭
などがあります。
・球技大会
5月末に開催されます。バスケットボール、バレーボール、ソフトボール、卓球、サッカーの5種目にクラスの中からチームを決めて出場します。
男子校ということもあってとても盛り上がる行事です。
ちなみにどれかの種目で優秀な成績を修めると担任の先生によってはご褒美があったりなかったり…
・選択旅行
塾高では人数が多すぎて全員で修学旅行には行けません。
そのため気の合う仲間たちといくつかのコースから選んで旅行に行きます。
毎年夏と春に開催され4回チャンスがあります。また選択旅行に1回行くことが卒業条件にもなっています。
行先としては例えば、沖縄、山陰山陽、四国、北海道などの国内コースと台湾、中国、アメリカなどの海外コースもあります。
これらはほんの一部で他にも膨大なコースがあり、行先を自分たちで決められるのはとても楽しいです。(ちなみに自分は山陰山陽に行きました)
現在はコロナの影響で規模を縮小したり日帰りコースなどを作って対応しているそうです。
・陸上運動会
秋に開催されるクラスごとに陸上競技を競う行事です。
球技大会に比べてあまり協議に参加することは多くないので、応援と観戦がメインのイベントです。
・日吉祭
10月末に開催されるイベントで、部活動や3年生のクラスがメインとなって出店します。
これもほぼ教員は干渉しないので、自分たちで企画、運営を行います。そういう意味では非常に塾高の特色が出るイベントです。
やはり有名な学校なので来場者が非常に多いイベントで、塾高のメインイベントといっても過言ではありません。
部活動
塾高の部活動の特徴としては
・団体数の多いことと
・大学生と一緒に活動すること
・レベルが非常に高いこと
が挙げられます。
数としては文連(文化部)が28団体、体連(運動部)が50団体あります。
そのうち体連や文連の一部(オーケストラなど)は大学生に教えてもらったりと、一緒に活動することが多いです。そのため縦のつながりが非常に強くなります。
また今回甲子園で優勝した野球部だけでなく、ほとんどの団体が全国大会を目指しておりレベルが非常に高いです。
勉強
・授業
1年生2年生は文系理系などを分けることは無く、全員が文系科目理系科目問わず勉強します。そして3年生で初めて希望学部によってコース分けを行います。
とはいっても進学校ほど極端ではないと思います。自分は理系コースでしたが3年次は現代文や日本史などを履修していました。
授業は担当の教員や科目にもよりますが、教科書はあまり使用せず教員が用意した資料を使うことが多かったです。
教員の研究分野や専門分野によって同じ科目名でも授業内容が変わることもあります。そのため形式は比較的大学の授業に近いように感じました。
・成績
また塾高は大学入試が必要ない分、留年には比較的厳しい学校です。
成績的にもしっかり勉強していないと留年してしまうので気が抜けません。
「部活で頑張っているから」といって留年が無くなることはないので、部活をやっていても進級に必要な成績は取らなければなりません。
そのため朝練や夜遅くまで練習がある生徒にとって部活と勉強の両立はとても難しいことです。
なお留年は1学年につき1回までで、最長でも6年間で卒業しなければなりません。
・進路
卒業後は98%が慶應義塾大学に推薦されます。
残りの人はどうしても医学部に行きたくて他大に出るという人が多かった印象です。
進学する学部は3年間の成績順に希望が通っていく形です。そのため希望学部がある場合は勉強しておかないと痛い目を見ることになります。
また医学部に行きたい場合は希望者の上位22人に入らなければならないので、非常に狭き門です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
塾高は非常に恵まれた環境の中でのびのびと成長できる学校です。
特に「自分で考えて行動する力」を伸ばせる場だと思います。
その教育手法は時に異質に見えると思いますが、これこそ教育の本質であるというようにも感じます。
もし中学生の方でこの記事を読んで少しでも「塾高に行きたい!」と思ってくれた方がいたら幸いです。
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