コアプラス
コアプラスとは
コアプラスとは、大手進学塾サピックスが提供する中学受験用の学習教材です。主に社会と理科の分野で使用され、中学入試に必要な重要事項を凝縮した内容となっています。
この教材は、難関中学を目指すサピックス生が最後まで使用する参考書として知られており、サピックス生は小学5年生から使用を開始することが一般的です。
コアプラスの種類
コアプラスには主に2種類があります。
- 社会コアプラス:歴史、地理、公民の重要事項をカバー。大問720問、小問数千問で構成され、約180ページ(重要知識約160ページ、発展知識約20ページ)
- 理科コアプラス720:生物、物理、化学、地学の基本知識を網羅。720問で構成
コアプラスの特徴
一問一答形式
コアプラスの最大の特徴は、一問一答形式で構成されていることです。この形式により以下のような利点があります。
- 短時間で多くの重要事項を確認できる
- 自己採点が容易で、弱点を素早く把握できる
- 繰り返し学習することで、知識の定着が図れる
赤シート方式
コアプラスでは、答えが赤字で印刷されています。これにより、赤シートや紙を使って答えを隠しながら学習することができます。この方法は、自己学習の効率を高め、集中力を維持するのに役立ちます。
コアプラスの活用方法
段階的な学習アプローチ
- 全体を10前後のパートに分ける
- 1週間で1パートを10〜20周して暗記する
- 答えを即答できるようになるまで繰り返す
- 関連する教科書や参考書の内容を週3回程度音読し、理解を深める
定期的な復習
一度暗記した内容も、定期的に復習することが重要です。以下のようなサイクルで復習を行うと効果的です。
- 1週間後に1回
- 1ヶ月後に1回
- 3ヶ月後に1回
コアプラスの進化
理科コアプラス720の誕生
理科のコアプラスは、以前は5年生用の「記憶の535」と6年生用の「記憶の635」の2冊に分かれていました。しかし、平成21年より、これらが1冊に統合され、「コアプラス720」として生まれ変わりました。
内容の変化
統合に伴い、以下のような変更がありました。
- 問題数が減少(535+635から720問に)
- 問題のレベルアップ
- 5年生、6年生ともに同じ教材を使用可能に
コアプラスの位置づけ
コアプラスは、サピックスのカリキュラムにおいて重要な位置を占めています。特に、偏差値55〜60程度の中学を目指す場合、コアプラスと通常の教科書(デイリーサピックス)、そして過去問題集を組み合わせることで、十分な対策となる場合が多いです。
偏差値60までの中学志望生の場合、社会コアプラスの暗記は6年夏休みまでに終えることが目標とされています。ただし、より難関な学校を目指す場合は、コアプラスだけでなく、より発展的な内容を含む教材も併用する必要があります。コアプラスは基礎固めの役割を果たし、その上に応用力を積み上げていくための土台となるのです。