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中央大学附属中学校・理科入試対策ガイド(保護者向け)

中央大学附属中学校・理科入試対策ガイド

中央大学附属中学校の入学試験では、国語・算数・理科・社会の4科目が課され、その中でも理科は幅広い分野から基礎知識と応用力をバランスよく問う科目です。難関校(偏差値60前後)だけあって決して易しい試験ではありませんが、基礎をしっかりと積み上げていけば十分に対応できます。理科は試験時間30分・配点60点と比較的短時間で得点を競うため、効率的な対策が求められます。中央大学附属中は基礎学力を重んじる校風で知られており、入試問題も奇抜なものではなく教科書で習う基本事項をきちんと理解しているかを確かめる内容が中心です。保護者の皆様にとっては、お子さんの理科の学習をどのようにサポートすればよいかが気になるところでしょう。ご家庭でサポートする中で不安に感じることもあるかと思いますが、本記事の内容がお役に立てば幸いです。

本記事では、中央大学附属中学校の理科入試に焦点を当て、出題傾向や難易度、分野ごとの重要ポイント、そして各種問題(実験観察・記述・図表・計算)の対策法に加えて、効果的な学習法やおすすめの市販教材について詳しく解説します。お子さんが理科を得意科目にし、自信を持って入試に臨めるよう、保護者として知っておきたいポイントをまとめました。

 

出題傾向と難易度

・試験時間:30分

・満点:60点

・大問数:3題(年度により4題)

・出題分野:物理・化学・生物・地学(4分野すべて)

中央大学附属中学校の理科では、例年、物理・化学・生物・地学の全分野からバランスよく問題が出題される傾向にあります。一つの年度で4分野すべてにまたがる問題が出され、理科全般にわたる幅広い知識が求められます。ただし年度によっては全4分野ではなく3分野のみが出題範囲となることもあり、特に地学分野の出題頻度がやや低めとも言われます。いずれにせよ、どの分野から出題されても対応できるよう万遍なく学習しておくことが重要です。中央大学附属中の入試は第1回・第2回と複数回行われますが、理科の出題傾向はどの回でも大きな違いはありません。

試験は30分という短い時間で大問が3題程度出題されるのが一般的です。各大問は異なるテーマ(例えば、ある問題は電流の実験、別の問題は水溶液の性質、といった具合)で構成されており、それぞれに複数の小問が含まれます。問題文には詳細な実験や観察の設定が記述され、グラフや表などの資料が提示されることが多く、これらを正確に読み取る力が要求されます。与えられたデータや記述をもとに考察し、答えを導く問題が中心であり、単なる知識暗記だけでは太刀打ちできません。

難易度は中学入試としては標準的なレベルと考えてよいでしょう。奇抜な問題や非常に高度な知識を要する問題は少なく、基本的な理解があれば十分に解答できる問題が大半です。しかし、基礎的な問題で確実に得点することが求められる試験でもあります。受験者の多くが正答するような基本問題でのミスは致命的となりかねず、正確さとケアレスミスの防止が合否を分けるポイントとなります。

総じて、中央大学附属中の理科は「広い範囲から基礎力を満遍なくチェックしつつ、それを活用する力を見る」内容と言えます。時間制限が厳しい中で確実に得点を積み重ねるためには、日頃から時間配分を意識して演習を行い、見慣れない設定の問題にも落ち着いて取り組めるように訓練しておくことが大切です。なお、理科の配点は60点満点と国語・算数(各100点)に比べれば比重が小さいものの、理科で安定して高得点を取ることは合格に直結します。他の受験生も正答しやすい科目だからこそ、ミスなく解き切れば大きなリードとなりますし、逆に基本問題の失点が多いと他教科で挽回するのは容易ではありません。理科を確実に得点源にできるよう、日頃から万全の準備を整えておきましょう。

 

分野ごとの重要性(物理・化学・生物・地学)

理科の学習を進める上では、各分野ごとの特徴と出題傾向を理解してバランス良く対策することが欠かせません。中央大学附属中の理科では全ての分野から出題される可能性がありますが、その比重や出題形式には分野によって違いがあります。ここでは、物理・化学・生物・地学の各分野について、それぞれどのような力が求められるかを見ていきましょう。

・物理:物理分野では、光・音・力・電気などの基本原理に関する問題が中心です。実験の設定を読み取り、そこで起きる現象を理解した上で、計算によって結果を求める形式がよく見られます。例えば、回路図を読んで豆電球の明るさの違いを説明したり、てこの原理を使って必要な力の大きさを計算したりといった問題です。物理は数字を扱う問題が多いため、公式の理解と計算練習が特に重要であり、日頃から計算ミスを減らす訓練も欠かせません。また、光の反射・屈折や音の伝わる速さなど、身近な物理現象に関する問題も出題されやすいです。これらは現象の仕組みと合わせて数量的関係(例えば、光の入射角と反射角、音が空気中で伝わる距離と時間など)を問われることがあるため、原理を理解した上で計算練習をしておきましょう。

・化学:化学分野では、水溶液の性質や物質の変化に関する問題が頻出です。具体的には、物質が溶ける・燃える・反応するといった身近な化学現象について、その仕組みや結果を問う出題が多く見られます。実験結果を示すグラフや表が提示され、溶解度の変化や発生した気体の量などを読み取って答える問題もあります。基本知識として、酸と金属が反応して水素が発生する、二酸化炭素は石灰水を白く濁らせる等、小学校で習う代表的な化学反応の知識は確実に押さえておきたいところです。用語の暗記も必要ですが、それに加えて実験観察から何が読み取れるかを考える力が重要です。さらに、中和(酸とアルカリが反応して塩と水ができる反応)や物質の燃焼による酸化など、やや中学校内容に近い現象が題材となることもあります。ただし、難解な計算を伴う問題はほとんどなく、基本的な法則(例えば質量保存の法則など)を理解していれば十分対応可能です。

・生物:生物分野では、植物の構造や人のからだの仕組み、生態系などについての問題が出題されます。図や写真を用いて、動植物の名称や各部位の役割を答えさせる基本問題から、観察記録を読んで生物の行動や生育条件を考察するような応用問題まで幅広く出題されます。暗記すべき知識量が多い分野ではありますが、単に用語を覚えるだけでなく、「なぜその現象が起きるのか」を理解する姿勢が大切です。例えば、植物が日光の下でどのようにデンプンを作るか理解していれば、グラフで示された光合成量の変化から適切に考察できるでしょう。また、生物分野では暗記すべき内容が非常に多いですが、人体の各器官の名称と働き(例えば心臓が全身に血液を送るポンプの役割を担うことや、肺が呼吸によって酸素を取り込む仕組み)、動植物の分類上の特徴(動物では哺乳類・鳥類・魚類などの違いや、植物では被子植物と裸子植物の違いなど)といった事項も頻出です。単なる丸暗記に終わらず、それぞれの特徴を関連付けて理解しておくことで、記憶にも定着しやすくなるでしょう。

・地学:地学分野では、天体現象(星の動きや月の満ち欠け)、気象(天気や季節の変化)、地質(岩石や地層)など、多岐にわたるテーマが扱われます。特に天体に関する問題は、星や月の動きを観察した記録や、日照時間のグラフなどから規則性を読み取る力が試されます。また、火山や地震に関する基礎知識、天気図の読み方など、地学独特の分野知識も抑えておく必要があります。他の分野に比べて出題頻度は若干低い傾向にありますが、油断は禁物です。地学は一度に扱う知識量が多いため、図鑑や資料集なども活用しながら系統的に学習しておくと、いざというときに役立つでしょう。さらに、天体・気象・地質の各分野で暗記すべき事項が数多く存在します。天体では星や月の動き(季節による星座の位置の変化や月の満ち欠けの周期と見え方)、気象では雲の種類や天気図の記号の意味、地質では岩石の種類(火成岩・堆積岩など)や地層の観察ポイントを、それぞれ押さえておきましょう。これらは図や写真で覚えると理解しやすくなります。例えば、月の満ち欠けについては夜空で実際の月を観察したり、模型で太陽・地球・月の位置関係を確かめたりすることでイメージが掴みやすく、知識が定着しやすくなります。

 

実験観察問題の対策

中央大学附属中の理科では、実験や観察の場面を題材とした問題が多く出題されます。これは、お子さんが知識を単に暗記しているだけでなく、実際の現象を理解しているかを試すためです。実験観察問題では、ある仮定のもとに実験を行い、その結果がグラフや表で示され、それを分析して答えを導くという流れが典型的です。例えば、水溶液の性質を調べる実験や植物の成長観察、磁石や電気を使った実験など、小学校で習う代表的な実験テーマが素材として扱われます。

このような問題に対応するには、まず基本的な実験の手順や目的を理解しておくことが大切です。教科書や参考書に載っている代表的な実験(植物の光合成の実験、水に物質を溶かす実験、てこの実験、振り子の実験など)は、お子さんと一緒に復習しましょう。可能であれば家庭で簡単な観察や実験をしてみるのも効果的です。例えば、朝顔やミニトマトを育てて成長の記録をつけたり、台所にある材料で水溶液の性質を見る実験(塩や砂糖の溶解、水に浮く物沈む物の観察)を親子で試してみたりすると、実体験を通して理解が深まります。

保護者の方は、日常生活の中で「なぜだろう?」と思うことをお子さんに問いかけ、共に考える習慣をつけると良いでしょう。たとえば、「お風呂に入れると石けんはどうして小さくなるのかな?」「公園の木の葉が秋に色づくのはなぜだろう?」といった身近な疑問を一緒に調べてみるのです。日常の出来事を小さな実験や観察の機会と捉えて知識を応用する練習を積むことで、試験の実験問題にも対応しやすくなります。

実験観察問題を解く際には、問題文を丁寧に読むことが何より重要です。実験の目的、手順、観察したいポイントがどこにあるのかを把握しましょう。与えられた図表から読み取れる事実を整理し、自分の知識と照らし合わせて「何が言えるか」「どんな理由が考えられるか」を考察します。グラフの傾向や数値の差異に注目し、極端な値や変化点があれば見逃さないようにします。また、実験器具の名称や使い方(例えばメスシリンダーで体積を測る際のメモリの読み方、顕微鏡でピントを合わせる方法など)についても基本を押さえておくと、器具に関する設問で慌てずに済むでしょう。例えば、植物の成長実験で片方の鉢を日陰に、もう片方を日なたに置いて育てた場合、日なたの鉢の方が成長が良かったという結果から「植物の成長には日光が重要である」と結論付ける問題が考えられます。このような場合、両方の実験条件の違い(日光の有無)に注目し、その違いが結果に与えた影響を説明できれば正解に繋がります。

 

記述・論述問題の対策

中央大学附属中学校の理科では、記号選択肢や用語記入などの形式が中心で、長い文章を書かせるような記述問題は多くありません。しかし、全く記述式の設問が出ないわけではなく、「理由を簡潔に書きなさい」といった短い記述を求める問題が出題される可能性があります。また、記述力を養っておくことは、たとえ試験で頻繁に問われなくても、お子さんの理解を深めミスを減らす上で有効です。

記述問題に備えるには、科学的な説明を論理的に組み立てる練習が役立ちます。お子さんがある現象の理由を答えるとき、結論だけでなく「なぜそうなるのか」を筋道立てて書く訓練をしましょう。例えば、「氷水に入れたペットボトルが凹んだのはなぜか」という問いに対しては、「冷えて中の空気が収縮し、内部の圧力が下がったため」など、原因と結果を正確に含めた一文で答える練習をします。ポイントは、聞かれている事柄に対して核心となる理由を簡潔に述べることです。

記述の解答を作成したら、保護者の方がお子さんの書いた文を読んでみて、質問の答えになっているか、不足している情報はないかを確認してあげるとよいでしょう。主語と述語がはっきりしない文章や、科学用語を使わずに曖昧な表現で書かれている答案は減点対象になり得ます。例えば、金属がさびる理由を問われたときに「時間がたったから」では不十分で、「空気中の酸素と結びついて鉄が酸化したため」といったように具体的に書く必要があります。「誰が・何が」「どうして・なぜ」を盛り込んだ明確な文章になっているかチェックし、不十分な場合はどの部分を改善できるかお子さんと話し合ってみましょう。

普段から、理科の学習で出会った事柄を自分の言葉で説明する訓練をしておくと、記述問題が出ても落ち着いて対応できます。例えば、学んだ内容について「それはどういうこと?家族に説明してみて」と声をかけ、口頭で説明させてみるのも効果的です。口頭でうまく説明できない部分は理解が不十分である可能性があります。そうした弱点を洗い出して補強するという意味でも、記述式の練習は有用です。

 

図表・グラフ問題の対策

理科の入試では、グラフや表から情報を読み取る問題が頻繁に出題されます。実験結果や観察結果をデータとして示し、それを分析して答えを導く形式です。これは単に知識を問うだけでなく、データを扱う力を見ているためで、中央大学附属中の理科でも重要なポイントとなっています。グラフ・表の読み取りが得意かどうかで、得点に大きな差がつくこともあります。

グラフ問題に取り組む際は、まず軸のラベルと単位に注目しましょう。横軸・縦軸それぞれが何を示しているのか、単位が「秒」なのか「分」なのか、「℃」なのか「℉」なのかなど、正確に把握することが第一歩です。次に、グラフの全体的な形からデータの傾向をつかみます。右上がりなのか右下がりなのか、一直線なのか山なりや谷型なのか、といったパターンを見ることで、どのような関係性があるのかおおよそ見当がつきます。例えば、時間経過とともに温度が下がっていくグラフであれば「冷却が進んでいる」ことが読み取れますし、一定時間で直線的に増加するグラフであれば「比例関係」が疑われます。

また、グラフ中の特異点や転換点も見逃さないようにしましょう。急にグラフの傾きが変わっている箇所や、極大値・極小値となっている点は、その現象における重要な変化を示している可能性があります。例えば、ある溶液の温度と溶解度の関係を示すグラフで、特定の温度で溶解度の増加が緩やかになる点があれば、その温度で物質の状態変化が起きているかもしれません。このように、グラフの特徴を捉えることで、問題の背景にあるメカニズムを推測しやすくなります。

表の読み取り問題では、縦横に並んだ数値や項目の関係性を探ります。表は実験条件や観察対象を比較する形で提示されることが多く、どの行と列が何を意味しているのかを正確に理解することが重要です。まず、表の見出し(タイトル)や各列・行の名称を確認し、何と何を比較しているデータなのかを把握しましょう。次に、各数値を見比べて、増減のパターンや法則性がないか探ります。例えば、ある肥料の量を変えて植物の成長を測定した表で、肥料が多すぎると逆に成長が鈍る傾向が読み取れるかもしれません。このように、表に隠れたメッセージを読み解くことが求められます。また、グラフと表の両方の資料が与えられる場合は、それぞれの情報を関連付けて考えることも重要です。一方の資料で見られる傾向が他方にも現れているか、片方のデータから推測される結果がもう一方の資料で裏付けられているかなど、複数の資料を突き合わせて総合的に判断しましょう。

図表問題の対策としては、学校の授業や問題集で出てきたグラフ・表を活用して、読み取りの練習を積むことが有効です。お子さんと一緒に、教科書や資料集に載っている統計グラフや観察記録の表を見て、「このグラフから何が言えるかな?」と問いかけてみてください。最初はうまく読み取れなくても、ポイントを教えてあげながら何度も経験することでコツがつかめてきます。また、実際に簡単なデータを取ってグラフを描いてみることも、理解を深める助けになります。身近な例では、天気の記録を1週間つけて気温の推移をグラフ化したり、家族の1日の行動を円グラフにまとめたりしてみるのも良いでしょう。データを自分で扱う経験が増えれば、本番でも落ち着いて図表を読み解くことができるようになります。

 

計算問題の対策

理科の問題には、数字を使った計算問題も含まれます。実験結果の数値から特定の値を求める問題や、公式を用いて答えを計算する問題など、その形式は様々ですが、基本的な算数の力が試される点は共通しています。中央大学附属中の理科でも、密度の計算や速度の計算、割合・比を求める問題などが出題されることがあります。たとえば「質量と体積のデータから物質の密度を求める」「ある現象にかかる時間と距離から平均の速さを計算する」「食塩水の濃度をパーセントで求める」といった具合です。

計算問題への対策としてまず重要なのは、理科で扱う基本的な公式や関係を覚えておくことです。密度=質量÷体積、速度=距離÷時間、圧力=力÷面積(中学入試で頻出の範囲まで)など、教科書で学ぶ範囲の公式はすぐに使えるように暗記しておきましょう。ただし、公式を覚えるだけでなく、その公式が成り立つ原理も理解していると、問題文を読んだときに「何を求めるべきか」が判断しやすくなります。

実際に計算をするときは、丁寧に手順を踏むことがミス防止につながります。いきなり暗算で答えを出そうとせず、途中式を書いて整理しましょう。特に、複数の数値を組み合わせるような問題では、書き出しながら計算することでケアレスミスを減らせます。また、単位の換算にも注意が必要です。問題文ではcmとm、分と秒など異なる単位が混在する場合がありますから、適宜統一してから計算する習慣をつけてください。求めた答えに単位をつけ忘れたり、桁を間違えたりしないよう、最後に結果を見直すチェックも怠らないようにしましょう。例えば、メスシリンダーに入れた水の体積から石の体積を求める問題では、水だけの場合と石を入れた場合の水位の差を計算する必要がありますが、この差を取り忘れると誤答につながります。問題文を読んだら、何を求めるべきかを紙に書き出して整理し、必要な差や合計を漏れなく計算する習慣を身につけましょう。

計算問題は時間との勝負でもあります。短い試験時間で焦るとミスが増えがちですので、普段から計算に素早く正確に取り組む訓練をしておくことが有効です。例えば、毎日数分でもよいので簡単な計算ドリルや理科の計算問題を解く習慣をつけると、試験本番でも落ち着いて計算できます。計算が苦手なお子さんの場合、基礎的な計算力(足し算引き算、掛け算割り算、分数や小数の計算など)をもう一度復習し、確実に正解できるレベルに引き上げておきましょう。理科の問題自体は理解できていても、計算ミスで点を落としてはもったいないため、最後まで気を抜かず計算過程を確認する慎重さも持たせたいところです。

 

効果的な学習法と使用教材(市販教材含む)

中央大学附属中の理科で好成績を収めるには、計画的かつ効率的な学習が不可欠です。まずは小学校で習う理科の基本事項を漏れなく習得することから始めましょう。各分野の教科書レベルの内容を一通り学び直し、苦手分野があれば集中的に補強します。例えば物理分野が苦手なら、簡単な実験キットや動画なども活用してイメージを掴んでから問題演習に入るなど、工夫して基礎理解に時間をかけましょう。どうしても理解が難しい場合は、学校の先生や家庭教師などに質問して解説してもらうと良いでしょう。一方、得意な分野も油断せず、用語の定義や基本原理を再確認しておくことが大切です。

基礎固めができたら、応用的な問題にも取り組んで実戦力を養います。夏休み以降は、過去問演習を本格的に開始すると良いでしょう。中央大学附属中の過去問を年度ごとに時間を計って解いてみることで、出題形式や難易度に慣れることができます。過去問演習では、できなかった問題をそのままにせず、なぜ間違えたのかを分析して類題に再チャレンジすることが重要です。また、中央大学附属中だけでなく、他校の類似レベルの理科の問題にも挑戦してみると良いでしょう。過去問以外の問題にも触れておくことで、新しいタイプの設問にも柔軟に対応できるようになります。

日々の学習では、アウトプットを意識した勉強を取り入れましょう。単元を学習したら、単に読む・聞くだけで終わらせず、問題集を使って問題を解いてみたり、保護者の方がお子さんに質問を出して口頭で答えさせたりして、知識を使う練習をします。自分で説明できない部分や解けない問題が出てきたら、そこが理解の浅い箇所ですので、もう一度解説を読んだり、図解しながら教えてあげたりして定着を図りましょう。一方で、学習を進める上で避けたい失敗パターンもあります。基礎が固まらないうちから難問に手を出しすぎたり、用語の暗記ばかりに時間をかけて仕組みの理解を疎かにしたりすることは避けましょう。応用問題は基礎知識あってこそ解けるものですし、暗記した知識も背景原理まで理解できていれば忘れにくく応用が利くものです。常に基礎と応用のバランスを意識し、お子さんの理解度に応じて学習内容の強弱を調整していくことが重要です。

理科への興味を維持することも大切です。興味を持って学んだ内容は記憶に残りやすく、応用もしやすくなります。休憩時間に科学に関する豆知識やニュースを親子で話題にする、科学館や博物館に足を運んで実物に触れてみる、といった体験も学習意欲を高めます。最近では実験映像を紹介する教育動画や理科分野の学習マンガなども充実しています。それらを活用して楽しく学ぶ工夫をするのも良いでしょう。ただし、受験直前期には新しい知識に手を広げすぎず、これまで学習してきた内容の総ざらいと問題演習に集中しましょう。また、入試直前期には過去に間違えた問題や模擬試験の復習に力を入れ、弱点を最終確認することが効果的です。試験前日には新しい分野に手を広げるよりも、これまで身につけた知識をもう一度総ざらいして、自信を持って試験に臨める状態にしておきましょう。

また、基本的な用語や知識の暗記には、一問一答形式の問題集や要点をまとめた書籍を活用すると効率的です。重要語句を短時間で繰り返し確認できるので、スキマ時間の学習にも向いています。以下に理科対策におすすめの教材例を挙げます。

・『自由自在 理科』:小学校理科の全範囲を網羅した参考書です。詳しい解説と豊富な図表で、基礎事項から発展的な内容まで理解を深めることができます。難しい内容も噛み砕いて説明されているため、苦手分野の克服や知識の整理に役立ちます。

・『中学入試 理科 塾技100』:中学受験の理科で頻出のテーマを100項目に絞り込み、要点とテクニックをまとめた問題集です。各テーマごとに典型的な問題が掲載され、効率よく演習できます。解説もポイントが簡潔に示されており、「このタイプの問題はこう解く」というコツを習得するのに適しています。苦手なテーマから優先的に演習するなど、お子さんの状況に合わせて活用しましょう。

・『最高水準問題集 理科』:難関校志望者向けのハイレベルな問題集ですが、中央大学附属中を受験する場合にも応用力養成に活用できます。基本問題から入試レベルの発展問題まで段階的に収録されており、難易度の高い思考問題にも取り組むことで、より堅実な実力を築けます。

・『中央大学附属中学校 過去問題集』:志望校対策の必須教材です。過去数年分の中央大学附属中の入試問題と解答・解説が掲載されています。本番形式の問題に繰り返し当たることで、時間配分や問題のクセに慣れることができます。解説を参考にしながら、自分の弱点分野を確認し最終調整を行いましょう。少なくとも直近5〜10年分程度の過去問には取り組み、出題傾向を把握しておきましょう。

 

まとめ

中央大学附属中学校の理科入試対策について、出題傾向から分野別のポイント、問題形式ごとの対策法、効果的な学習法まで幅広く見てきました。大切なのは、基礎知識の定着とその応用力をバランスよく養うことです。日々の学習で基礎をおろそかにせず、応用的な問題にも挑戦して思考力を鍛えておけば、入試本番でも安定して得点できるでしょう。ここで述べたポイントを参考に、親子二人三脚で対策を進めていけば、理科の得点力は着実に向上するはずです。

理科は範囲が広く、一朝一夕で伸ばすことは難しい科目です。しかし、逆に言えば計画的な努力の積み重ねが成果に直結しやすい科目でもあります。保護者の方としては、お子さんの弱点と得意分野を把握し、メリハリのある学習計画でサポートしてあげてください。本記事でご紹介した対策を参考に、無理のないペースで着実に力をつけていきましょう。また、家庭では規則正しい生活リズムと学習習慣づくりをサポートし、集中できる環境を整えてあげることも大切です。

なお、試験当日の時間配分にも注意が必要です。難しい設問に時間をかけすぎず、まずは基本的な問題や確実に解ける問題から手を付けて得点を積み重ね、残りの時間で思考を要する問題に取り組む戦略が有効です。30分という制限時間内では、一つの問題に執着すると他の問題に回答できなくなる恐れがあります。日頃から模擬テスト形式で時間配分の練習を行い、本番では落ち着いて全体を見渡しながら解答できるよう備えておきましょう。万一試験中に緊張や焦りを感じたときは、一度深呼吸して落ち着きを取り戻しましょう。

実験の読み取りや計算練習など、最初はうまくいかないこともあるかもしれませんが、継続することで必ず慣れて自信がついてきます。お子さんが「わかった!できた!」という成功体験を積み重ねられるよう、傍で励ましつつ見守ってあげることが何よりの力になるでしょう。理科を得意科目にできれば入試全体の大きな武器になります。適切な対策と十分な練習で、ぜひ中央大学附属中学校合格を勝ち取ってください。受験直前までの期間、体調管理にも留意し、万全の状態で試験当日を迎えましょう。お子さんの健闘を心よりお祈りしております。  

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