広尾学園小石川中学校・国語入試対策ガイド(保護者向け)
広尾学園小石川中学校 国語入試 対策ガイド
1. 出題傾向と難易度
広尾学園小石川中学校の国語入試は、語彙力と思考力をバランス良く問うオーソドックスな形式です。試験時間は50分、配点は100点で、例年大問4題が出題されます。内容は、漢字の読み書きや語句知識を問う問題が2題と、長文読解の問題が2題という構成です。長文読解では小説などの物語文と、説明文・論説文といった論理的な文章が1題ずつ出題されるのが特徴です。
設問の形式自体は奇をてらったものではなく、基本に忠実な問題が中心です。漢字の読み書きやことわざ・慣用句などの知識問題は、知っていれば確実に得点できる一方で、知らなければ手も足も出ません。文章を丁寧に理解する力や、蓄えてきた国語の知識をきちんと使えるかが試されます。
回によって4科目入試と2科目入試がありますが、国語の出題内容や難易度に大きな差はありません。問題量が多いため、速読力と集中力も問われます。難関校にふさわしい緻密な出題内容で、確かな国語力が必要です。
2. 語彙力の重要性
広尾学園小石川中の国語で高得点を狙うには、まず語彙力(ことばの知識)を盤石にすることが不可欠です。大問1・2で漢字の読み書きや語句の意味を問う問題が毎年出題され、出題数も多いため語彙問題の配点合計は無視できない割合になります。語彙力は知識問題への対策として重要なだけでなく、長文を正確に読み取る下支えにもなります。
例えば近年の入試では、「罵詈雑言(ばりぞうごん)」といった普段の小学生生活では馴染みの薄い難解な語句が出題され、正しい読み仮名や意味を選ばせる問題が見られました。語彙の定着が読解や記述問題の精度にも大きく影響します。
3. 漢字・語句問題の対策
語彙力を強化するためには、計画的な知識の蓄積と反復練習が大切です。まずは小学範囲で習う漢字はもちろん、入試で頻出の熟語や慣用句を一覧にして着実に覚えていきましょう。市販の漢字練習帳や語彙問題集、過去問を活用し、書いて覚えることで確実に定着させます。
実際の入試では、漢字や語句の問題は合計15問前後と量が多いですが、一つひとつに時間をかけすぎないこともポイントです。知識問題は瞬時に解答できるよう訓練しておき、50分という試験時間の大半を読解に充てられるのが理想です。
4. 選択肢問題の対策
長文読解では、ほとんどの設問が選択肢から答えを選ぶ形式です。選択肢問題で得点を落とさないためには、設問の聞き方と選択肢の内容を丁寧に吟味する習慣を身につけることが重要です。まず、設問文を読み「正しいものを選ぶ」のか「誤っているものを選ぶ」のかなど、何を求められているかを正確に把握します。
与えられた選択肢は必ず全部に目を通すことが鉄則です。本文の内容と照らし合わせ、それぞれの選択肢が妥当かどうか一つひとつ確認します。特に広尾学園小石川の国語では、「本文の内容に合致しないものを選ぶ」というタイプの問題が頻出です。この場合、選択肢の中に本文と食い違う記述が紛れているはずなので、該当箇所を本文から探し出し、その根拠をもとに消去法で解答を導きます。
文章全体の論理構成を問う問題にも注意が必要です。論説文では段落ごとの役割や論旨の流れを把握していないと解けない設問が見られます。例えば「本文構成に合致する選択肢を選べ」という問題では、序論・本論・結論の構成を踏まえ、各段落の要点を整理してから選択肢を比較検討します。
接続詞補充の問題では、前後の文脈から論理的なつながりを考え、「しかし」「だから」「例えば」等の使い分けを理解して選択します。ケアレスミスを防ぐためにも、普段の演習から選択肢を選ぶ根拠を自分の言葉で説明する訓練をしておくと、本番でも落ち着いて正解を選べるはずです。
5. 記述問題の対策
広尾学園小石川中の国語では、記述式の問題(自分で文章を書いて答える問題)も例年出題されます。文字数指定はおおむね50~100字程度で、主に長文読解の各大問で1問ずつ出される傾向です。記述問題は配点が高めに設定されていることも多く、合否を分けるポイントになりやすいのでしっかり対策しておきましょう。
記述問題に取り組む際は、まず設問の要求を正確に読み取ることが肝心です。例えば「主人公の気持ちを説明しなさい」「筆者の主張をまとめなさい」「なぜ~したのか、その理由を答えなさい」といったように、設問によって求められている内容は様々です。
答える内容の方向性がつかめたら、盛り込むべき要点を整理します。箇条書きで骨子が決まったら、それらを繋げて指定字数内に収まるよう文章を作成します。一文で簡潔にまとめることを意識し、主語と述語のねじれを避け、誰がどのように考えたのかが明確になるような構成を心がけましょう。
書き終えたら、設問に求められた内容を満たしているか見直します。試験本番ではゆっくり推敲する余裕はないかもしれませんが、書き終えた直後にざっとチェックするだけでも違います。「質問に対する答えになっているか」「指定字数内か」「主語・述語のねじれなど日本語としておかしな部分はないか」を素早く確認しましょう。
記述解答が書けたら、家庭では保護者の方が添削をしてあげることも有効です。文章表現のおかしな点や主題からずれていないかを確認し、客観的な目でアドバイスすることで、お子さん自身が気付かなかった改善点に気づけることがあります。
6. 家庭での学習法と保護者サポート
志望校合格に向けては、塾の授業に加えて家庭での継続的な学習が欠かせません。国語力は一朝一夕で身につくものではないため、日々の習慣作りが大切です。以下に、ご家庭で実践できる学習法と保護者の方のサポート例をまとめます。
- 毎日の読書習慣:さまざまなジャンルの文章に親しむことで、読解力と語彙力が養われます。読後に内容を要約したり、親子で感想を話し合ったりする習慣が効果的です。
- 要約練習:長めの文章を読んだあと、50~80字程度で要旨をまとめる練習を行いましょう。記述力と要点を捉える力が育まれます。
- 語彙・漢字の復習:日々の小テストや語彙ノートを活用し、学んだ言葉を繰り返し復習します。親御さんが出題役になり、ゲーム感覚でチェックしてあげるのもおすすめです。
- 記述答案の添削:過去問などで書いた記述を保護者が添削し、「内容のズレ」「表現のあいまいさ」などを一緒に見直すと、表現力が向上します。
- 過去問演習の徹底:少なくとも3〜5年分の過去問に取り組み、形式や時間配分に慣れます。保護者と一緒に答え合わせをして解説を確認し、弱点の洗い出しを行いましょう。
ご家庭でのサポートは、お子様の学習へのモチベーションに直結します。「一緒に頑張っている」という実感が得られることで、苦手意識を克服し、学習への自信を育む大きな力になります。
7. まとめ
広尾学園小石川中学校の国語入試は、出題構成は標準的ながらも、高い読解力・語彙力・記述力が求められる、非常に密度の高い試験です。しかし、対策の方向性が明確なため、しっかりと計画的に準備を重ねれば、合格ラインに到達することは十分可能です。
本ガイドでは、「出題傾向の理解」「設問別の対策」「学習法の確立」さらに「保護者のサポート法」までを網羅的にご紹介しました。これらの要素を組み合わせることで、国語の得点力を大きく伸ばすことができます。
保護者の皆様は、お子様の特性や学習スタイルに応じた学習環境を整えてあげるとともに、励ましや成功体験を共有することで、安心感とやる気を与えることができます。受験という挑戦は親子の絆を深める貴重な機会でもあります。
最後に、受験で問われる国語力は、将来あらゆる学問の基礎となる力です。この大切な時期にしっかりと基礎を築き、お子様の将来の選択肢を広げる第一歩として、ぜひ日々の取り組みに全力で向き合っていただければ幸いです。
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