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早稲田中学校・国語入試対策ガイド(保護者向け)

早稲田中学校 国語入試の傾向と対策ガイド


「早稲田の国語は難しい」と耳にすることはありませんか。早稲田中学校の国語入試は、大人向けとも思える高度な文章と多彩な設問で受験生を試す、難易度の高い試験として知られています。では、志望するお子さんのために、保護者はどんな準備を手助けできるのでしょうか。本記事では、出題傾向と難易度から始まり、記述力の重要性物語文・論説文それぞれの対策、語彙・漢字学習、そして効果的な学習法まで、早稲田中学校の国語対策を徹底解説します。難関と言われる早稲田中の国語ですが、ポイントを押さえた学習で十分攻略可能です。保護者の皆様が知っておくべき実践的アドバイスをまとめましたので、ぜひ受験勉強の指針としてお役立てください。

まずは全体像を把握し、お子さんの国語対策計画を立てる助けにしましょう。それでは、早速ポイントごとに見ていきます。

1. 出題傾向と難易度

早稲田中学校の国語入試は50分間で大問2題という構成が定番です。毎年、物語文(小説など)と説明文(論説文や随筆など)からそれぞれ1題ずつ出題されます。設問数は合計でおよそ20~30問前後(細かい設問も含めて)とされ、漢字の読み書き、語彙の意味、適語補充、選択式問題、そして記述式問題がバランスよく盛り込まれるのが特徴です。いわゆる知識問題から読解力を試す問題まで幅広く出題されるため、国語の総合力が問われます。

難易度は非常に高く、文章そのものが小学児童向けではなく大人向けの内容が多い点が大きな理由です。近年の傾向として、現代文では文章全体の構成や論理展開のみならず、細部に隠れた象徴的表現や暗示にも踏み込んだ理解が要求されます。つまり、表面的なあらすじを追うだけでは不十分で、筆者の意図や背景にあるテーマまで読み解く読解力が求められるのです。加えて引用文(文章量)は約7000字前後にも及び、かなり長文です。制限時間内にこれら長文を正確かつ速く読み取る力が必要であり、多くの受験生にとって難関となっています。

もっとも、設問そのものの形式は奇をてらったものではなく標準的です。漢字の書き取りや語句の意味を問う問題、適切な文節を選ぶ選択肢問題、内容合致問題、指示語の指す内容を答えさせる問題などが満遍なく出題されます。記号選択肢問題が多い一方で、毎年2~4問程度は記述式の解答も含まれます。配点は公開されていませんが、60点満点中、記述問題は割合として決して無視できないポイントを占めるでしょう。したがって「知識問題で確実に点を稼ぎ、読解と記述で差をつける」という戦略が求められます。

難易度をさらに上げている要因として、出題テーマの高度さが挙げられます。例えばここ数年の説明文では哲学・論理学・倫理学といった人文科学系のテーマが扱われており、小学生には抽象的で難解に感じられる内容が多く見られます。また、現代社会の問題意識を反映した文章も増えており、時事的な話題や社会情勢に関する知識が背景にある文章も登場しています。もちろん解答自体は文章中の情報から導けますが、背景知識が少しでもあると理解がスムーズになる場合があります。

もう一つ知っておきたいのは、物語文と論説文で難易度に差があるという点です。一般的に早稲田中の場合、物語文の方が比較的平易で読みやすく、論説・説明文の方が内容的に難解である傾向があります。そのため時間配分も重要になります。物語文は早めに読み終えて先に設問を解き、時間を論説文に多めに残すようにするといった戦略が有効でしょう。50分という制限時間は一見十分に思えますが、難しい文章をじっくり読んで考えているとあっという間に過ぎてしまいます。過去問演習の際には、物語→論説の順で時間を振り分ける練習をしておくと安心です。

総じて、早稲田中の国語は「長文2題」「高度な内容」「多様な設問形式」という三拍子が揃った試験です。難易度は高いですが、その分出題パターンは毎年ある程度安定しています。まずはこの傾向と難易度を親子で把握し、「何がどう難しいのか」を共有することで、闇雲な不安を和らげ、的確な対策に繋げていきましょう。

2. 記述力の重要性

早稲田中の国語で合否を分けるポイントの一つに「記述問題」があります。選択問題が中心とはいえ、毎年必ず数問は自分の言葉で答えを書く記述式問題が含まれます。記述問題の出題数は年によって2~4問程度で、字数は短いもの(6~8字程度)から長いものでも40~60字程度と、極端に長文を書く必要はありません。しかし、少ない字数で的確に答えるこれらの問題は、実はお子さんの真の理解力と思考力を測る重要な設問と言えます。

記述問題では単に暗記した知識を書くだけでは太刀打ちできません。文章全体の趣旨や登場人物の心情、筆者の主張などをきちんと理解した上で、自分の言葉で再構築し、説得力のある形でまとめる力が求められます。例えば、「傍線部の理由を20字程度で説明しなさい」「〇〇の気持ちを40~50字で書きなさい」といった問題が典型です。限られた字数の中で要点を漏れなくまとめる必要があり、これは読み手であるお子さん自身が内容をどれだけ深く咀嚼できているかが如実に表れます。

では、記述式の問題に対応するために必要な力とは具体的に何でしょうか。大きく分けると次の3つになります:

  • 設問の意図を正確に読み取ること(何を尋ねられているのかを把握する)。
  • 答えの根拠となる部分を文章中から探し出すこと。
  • 見つけた内容を指定字数内で簡潔かつ論理的にまとめ、自分の言葉で書き表すこと。

たとえば「作者がこのように述べたのはなぜか?」という設問であれば、「~だから。」と理由を端的に述べる形で答える必要があります。問いの趣旨に沿った答えになっているか、主語述語の関係がおかしくないか、余計なことを書いていないか(字数が限られているため無関係な記述は厳禁です)など、記述解答には気を配るポイントが多くあります。模範解答は一つではなくても、採点者に伝わる明確さ・筋の通った論理が不可欠です。

記述力を養うためには、やはり練習あるのみです。お子さんには過去問や模擬問題の記述設問にどんどん挑戦させ、書いた答案をチェックする習慣をつけましょう。書きっぱなしではなく、可能であれば塾の先生や家庭教師、または保護者の方が内容を確認し、「どこがズレているか」「どの情報が足りないか」をフィードバックしてあげてください。第三者から添削を受けることで、自分では気づかなかった改善点が見えてきます。

家庭でもできる練習法として、要約トレーニングがおすすめです。文章を読んだ後、その内容を親御さんに向けて要約させてみてください。要約の練習は、重要な点を抜き出して簡潔にまとめる訓練になります。また、日頃から自分の考えを文章にまとめる習慣も効果的です。たとえば読書感想文や日記を書いたり、ニュース記事を読んで感じたことを短いエッセイにしてみたりするのも良いでしょう。最初はうまく書けなくても、続けるうちに「伝わる文」の書き方が身についてきます。

記述問題は点差がつきやすい部分です。裏を返せば、ここを得意にしておけば国語でリードすることも可能です。お子さんには「書いて伝える力」の大切さを伝え、少しずつでも記述式の練習に取り組ませてください。丁寧に書く力は国語のみならず、他教科や将来にも役立つ財産となるはずです。

3. 物語文の対策

早稲田中の国語では、1題は物語文(小説・物語)からの出題です。物語文は登場人物の心情や人間関係、物語のテーマなどを読み取る問題が中心となります。早稲田中で出題される物語文は、家族間の心情や人間の成長をテーマにした文章が頻出であり、児童文学というより大人が読む小説に近い本格的な内容も見られます。ただし文章の読みやすさとしては、論説文に比べれば平易なことが多く、物語の展開自体は理解しやすい場合が多いようです。油断は禁物ですが、「物語文=読みやすいが設問で差がつく」と心得ておきましょう。

物語文の設問では、登場人物の心情把握がカギになります。頻出パターンの一つは「○○の気持ちを説明しなさい」という記述問題で、これは先述の通り50字程度で書かせることが多いです。他にも「なぜ主人公はそんな行動をとったのか」「『・・・』という表現からどんな気持ちが読み取れるか」といった問いが考えられます。選択肢問題でも、登場人物の性格や心情に関する内容真偽判定や、会話文の意図を問う問題などが出されるでしょう。

物語文対策の基本は、物語を深く味わいながら読むことです。ただ漫然と読むのではなく、文章中にヒントを探しながら読む「アクティブリーディング」を心がけましょう。具体的なテクニックとして、心情の変化に印を付けることが挙げられます。「主人公の気持ちが変化している箇所に線を引く」「心情の転換点となる言葉に印をつける」といった読み方です。例えば、物語の中で主人公がある出来事を境に考え方を変える場面があれば、その前後に線を引いておくことで後から確認しやすくなります。また、会話文や描写にも注目しましょう。登場人物同士の会話のやり取りや、風景・表情の描写には、直接「悲しい」「嬉しい」と書かれていなくても心情を推測できる手がかりが含まれています。

物語文では、行間を読む力、すなわち行動や描写から心情を読み解く力がポイントです。お子さんには「登場人物になりきって考えてごらん」と声掛けしてみてください。例えば物語中に「彼は黙って窓の外を見つめていた」という一文があれば、「どういう気持ちで窓の外を見ていたのかな?」と問いかけます。直前に悲しい出来事があれば「ショックで言葉を失っているのかもしれないね」といった具合に、状況と照らし合わせて感情を推測する練習をしましょう。物語文では直接的に書かれていない心の動きを掴むことが求められるため、親子で推理ゲームのように話し合ってみるのも理解を深める助けになります。

日頃の読書習慣も物語文対策に直結します。物語に慣れている子ほど、試験でも抵抗なく内容を受け取ることができます。ジャンルは問いませんが、できればさまざまな年代・テーマの小説や物語に触れると良いでしょう。低学年の頃に読んだものより少し背伸びした内容の児童文学や、新しい作家の物語なども挑戦させてみてください。読み終わった後は、ぜひ内容について親御さんと会話してみてください。「この登場人物の気持ち、○○ちゃんならどう思う?」などと質問し、子どもなりの解釈を引き出すことで、読解力と思考力が養われます。こうした取り組みの積み重ねが、入試本番で物語文を素早く正確に理解し、設問に答える土台となるのです。

4. 論説・説明文の対策

もう1題は論説文・説明文からの出題です。こちらは物語文に比べて内容が抽象的で難しく、早稲田中の国語における最大の山場と言えるでしょう。早稲田中では近年、「哲学」「論理学」「倫理学」など人文科学分野の文章が頻出しており、例えば「嘘をつくことは許されるか?」というテーマについてキケロやカントの主張を引き合いに出しながら考察する文章が出題されたこともあります。小学生には馴染みが薄い専門的な話題も多く、大人でも読み応えのある論考が題材となります。注釈(語句の説明)も最小限しか付かないことが多いため、未知の語彙が出てきても自力で文脈から類推しながら読み進める必要があります。

論説・説明文で問われるのは、主に論理的な読解力です。文章の主張や論拠、因果関係を正確に把握し、それについての設問に答えます。典型的な問題として、「筆者の主張として適切なものを選びなさい」「第○段落で筆者が述べている内容を要約すると何か」「文章中の表現『X』とは具体的に何を指すか」などが考えられます。選択肢問題の場合、選択肢の数が非常に多かったり(過去には7つの選択肢から正解を3つ選ぶ問題も出題されました)、一見似たような表現の中から筆者の意図に合致するものを選ばせたりと、細かな読み分けが要求されます。また、適語補充(空所に当てはまる言葉を選ぶ)問題や、内容一致・不一致問題も定番です。記述式が問われることもありますが、その場合でも字数はせいぜい30~40字程度で、段落の内容を言い換えさせるような出題が見られます。

こうした論説文を攻略するには、文章の論理構造を掴む読み方を身につけることが必要です。具体的には、段落ごとに要点を整理しながら読む習慣をつけましょう。難しい内容の文章でも、段落ごとに「ここには何が書いてあったか?」を一言で言えるように意識します。例えば、「第1段落:テーマ提示」「第2段落:具体例(○○について)」「第3段落:筆者の意見」・・・という具合に、メモを取るまではせずとも頭の中で整理しながら読むのです。このように読むことで、文章全体の論旨(ロジックの流れ)が見失いにくくなります。

また、接続詞や指示語に注意することも重要です。論説文では「しかし」「一方で」「つまり」といった接続語が論理の展開を示す道しるべになります。同様に、「これ」「それ」「そのような」といった指示語が指す内容を正確に捉えることも頻出の設問対策として欠かせません。傍線部の直前を見る、指示語の指す内容を言い換えてみる、といったテクニックを普段から練習しておきましょう。指示語問題は一見基本的ですが、文章が難解だと指示語が何を指すか迷いやすいため、確実に取りたいところです。

論説文対策としては、さまざまな分野の説明的文章に日頃から触れることが有効です。新聞の社説やコラム、ニュース記事、学習雑誌の論説記事など、子ども向けに書かれたものでなくても構いませんので、興味を持てそうなテーマの文章を読ませてみましょう。例えば科学や歴史に関する読み物、時事問題を扱った解説記事なども良い訓練になります。内容が難しく感じても大丈夫です。親御さんがポイントをかみ砕いて説明してあげたり、一緒にニュースについて話し合ったりするだけでも、子どもは「知らない世界の文章」に対する耐性がついてきます。実際、最近の入試問題は現代社会の複雑なテーマを扱うものが増えていますので、日頃から幅広い話題に触れておくことは背景知識の面でもプラスになります。

読解テクニック面では、キーワードを見逃さないことも大事です。論説文には必ず筆者の主張の核となるキーワードやフレーズが登場します。それらに線を引いておき、後で設問を読む際に参照できるようにすると良いでしょう。また、文章中の例示(例えば~)や対比構造にも注意してください。筆者が何かを説明するために挙げた例や反論している対象があれば、その関係を整理しておきます。設問で「~とありますが、それは何の例か」「筆者はAとは対照的にBを主張しています。それぞれどのような内容か」といった形で問われる可能性があります。

時間配分については先述の通り、論説文に十分な時間を割けるよう工夫しましょう。物語文に比べ読み解くのに時間がかかるため、試験本番では論説文は腰を据えて取り組めるようにしたいところです。家庭学習でもタイマーを使って、物語文→論説文の順に解く練習を重ねてください。最初は時間内に解き終わらなくても問題ありませんが、繰り返すうちにだんだんとペース配分が身についてきます。論説文は難しいがゆえに多くの受験生が得点を落としがちな部分でもあります。だからこそ、ここを得意分野にできれば大きなアドバンテージになります。お子さんには「最初は難しく感じても、読めるようになる」と励ましつつ、少しずつ論説文への苦手意識を無くしていけるようサポートしていきましょう。

5. 語彙力・漢字対策

早稲田中の国語では、読解問題だけでなく漢字や語彙に関する知識問題も毎年出題されています。例えば、文中の言葉の意味を問う問題や、空欄に当てはまる熟語を選ぶ問題、漢字の書き取り問題などです。こうした問題は一見基本的に思えますが、早稲田中の場合出題される語彙のレベルが高いことに注意が必要です。他校であれば落とさず得点したい漢字問題でも、早稲田では気を抜けません。実際に「娯楽」「弾圧」など、小学生には馴染みの薄い高度な漢字・語彙が出題されています。難しい言葉だからといって飛ばせるわけではなく、こうした問題での取りこぼしを防ぐには相応の語彙力を備えておく必要があります。

まず漢字については、書き取り問題が出る可能性があります。文章中の言葉のフリガナを外して漢字を書かせる、あるいは会話文の一部を漢字に直す、という形式です。6年生までに習う漢字はもちろん、その先の中学レベルの漢字が問われることもあります。早稲田中の過去問を見ても、常用漢字ではありますが小学生範囲を超えた漢字が含まれています。「習っていない漢字だからできなくて当然」ではなく、「見たことがある」「意味も知っている」という状態にしておけるかが勝負を分けます。

語彙問題では、四字熟語や慣用句も要チェックです。たとえば「的確な表現を四字熟語から選びなさい」や「空欄に入る慣用句を選びなさい」といった設問が考えられます。普段の会話で使わないような慣用表現でも、意味が分からないと文脈がつかめず正解できません。塾のテキストや市販の問題集でも、入試によく出る慣用句・ことわざの一覧が載っていることがありますので、それらを親子でクイズ形式で覚えていくのもよいでしょう。過去には「背筋が冷たくなった理由を選ぶ」など、表現の意味理解を問う問題も出題されています。これは「背筋が凍る(=恐怖やゾッとするような思いをした)」という慣用表現を知っていれば容易に答えられる問題でしたが、知らないと文脈から推測するにも限界があります。受験までに主要な慣用句・ことわざは一通り押さえておきましょう。

では、語彙力・漢字力を伸ばすにはどうすればよいでしょうか。おすすめは、日々の積み重ねターゲットを絞った練習の両立です。日常生活の中で新聞や本を読むときにわからない言葉があれば調べてメモする習慣をつけると、自分だけの語彙ノートができます。さらに受験対策として、語彙専門の問題集やドリルを活用するのも効果的です。市販の「語彙力アップ〇〇」などの教材には、難関校で頻出の言葉が網羅されているものがあります。そういった教材で語彙問題を解き、間違えたら意味と用例をチェックするという作業を繰り返しましょう。知識系の問題は反復練習が力になります。

漢字に関しては、書き取り練習も欠かさず行いましょう。読めるけど書けない、では得点に結び付きません。5年生までに習った漢字は確実に書けるようにし、6年生で習う漢字も先取りで練習しておくくらいの意気込みが必要です。特に早稲田で出た漢字はチェックしておき、何度も書いて覚えましょう。漢字練習帳を1冊用意して、1日に数個ずつでも新出漢字を書いて覚える習慣をつけると、大量の漢字も無理なく身につきます。

語彙と漢字は、一朝一夕には増えませんが、努力が結果に直結しやすい分野です。地道に覚えたことは確実に得点源になりますし、語彙が増えれば文章を読むスピード・理解度も上がります。お子さんが新しい言葉を覚えたらぜひほめてあげて、家庭でも会話の中で使ってみるなど、楽しみながら語彙力アップに取り組んでみてください。

6. 学習法

ここまで出題の特徴や必要な力について述べてきました。それらを踏まえて、効果的な学習法を整理してみましょう。早稲田中の国語対策は短期で身につくものではありません。できるだけ早い時期から計画的に進めることが大切です。

◆ 5年生から基礎固め:もしお子さんがまだ5年生であれば、この学年のうちにぜひ語彙力の徹底強化を図りましょう。受験までの2年間でお子さんは膨大な量の文章を読むことになりますが、基礎的な語彙力が不足していると読むスピードが極端に落ちてしまい、消化できる文章量が大きく減ってしまいます。逆に言えば、語彙力さえ備われば文章理解の効率も上がります。5年生の段階では難解な長文記述の演習までは必要ありませんが、簡単な記述問題に触れておくのは良いことです。「日本語としておかしな文になっていないか」をチェックし、自分の考えを文章で表現する練習を少しずつ始めておくと、6年生になってから記述で苦労するリスクを減らせます。

◆ 読書習慣と家庭での会話:日々の読書習慣は何よりの国語力養成法です。毎日でなくとも、定期的にいろいろな文章を読む時間を作りましょう。読んだ文章の内容をお子さんに要約させたり、感想を聞いたりすることで理解が深まります。「文章を読む->自分の言葉で説明する」の繰り返しが、読解力と記述力の両方を鍛えます。また、家庭内で本の感想やニュースの話題についてディスカッションするのも効果的です。複数の視点で意見交換することで、物事を多角的に見る力が養われ、難しい文章に対する耐性も付きます。保護者の方も積極的に話し相手になって、お子さんの考えを引き出してあげてください。

◆ 6年生前半(~夏休みまで):6年生になったら、志望校である早稲田中の入試問題を常に意識しながら学習を進めます。学校や塾で習うカリキュラムに沿った勉強も大切ですが、長期休みや時間に余裕のある時期には早稲田中の過去問や類似問題に挑戦してみましょう。過去問演習を通じて「自分はどのタイプの問題が苦手か」を早めに洗い出し、対策を講じます。例えば記述が苦手と分かれば夏休み中に重点的に記述練習をする、論説文が読みづらいと感じればテーマ別の文章を集中的に読んでみる、といった具合に弱点克服に取り組みます。またこの時期、漢字や語句の知識事項も一通り完成させておきたいところです。夏以降は演習量が増えるので、基礎知識のインプットは夏休みまでに完了させる計画で進めましょう。

◆ 6年生後半(夏休み以降):秋以降は本格的に過去問演習に取り組みます。早稲田中の過去問を年ごとに時間を計って解いてみて、出来なかった問題の復習を徹底します。少なくとも直近10年分程度は演習しておきたいところです。過去問演習の目的は、単に問題になれるだけでなく出題傾向の変化を敏感に捉えることにもあります。「○年以降は記述が増えたな」「この年は随筆的な文章が出ている」など、傾向の把握が次の対策に活きます。過去問がひと通り終わったら、他校の難しめの問題にも挑戦しましょう。麻布や武蔵、開成などの国語入試問題は早稲田と並ぶ難度で良い練習になります。また、模擬試験を積極的に受けて実戦経験を積むことも大切です。模試では時間配分や緊張感への慣れも得られます。

◆ 学習スケジュール管理:国語対策は範囲が広いため、計画的な学習スケジュールが成功の鍵です。月ごと週ごとに目標を立て、小さな達成を積み重ねていきましょう。例えば「今週は物語文1題と説明文1題の演習をする」「今月中に漢字180字復習する」など具体的な目標を設定します。それをチェックリストやカレンダーに書き出し、達成したら印を付けるようにすると、お子さんも進捗が目に見えてモチベーションが上がります。保護者の方は、その計画作りを一緒に行い、実行状況を日々確認してあげてください。計画通りにいかないときも責めるのではなく、現状に合わせて柔軟に計画を調整し、常に前向きに励ますことが大切です。

◆ 心と体のコンディション:難関校対策ではつい勉強漬けになりがちですが、効率を上げるにはお子さんのコンディション管理にも目を配りましょう。適度な休息やリフレッシュ、睡眠時間の確保は、長期間の学習に耐える基盤を作ります。特に入試直前期は緊張やプレッシャーから心身のバランスを崩しやすいので、保護者の方はお子さんがリラックスできる時間を意識的に作ってください。好きな本を読む、軽い運動をする、家族で談笑するなど、息抜きも合格への戦略の一部です。

このように、早稲田中の国語対策は長期計画と日々の鍛錬の両輪で進めることが重要です。保護者の皆様は勉強の管理役であると同時に、一番の応援者です。お子さんが苦手に直面したときは一緒に解決策を考え、成果が出たときは存分に褒めて自信に繋げてあげてください。そうした家庭のサポートが、お子さんにとって大きな励みとなります。

7. まとめ

早稲田中学校の国語入試は、長文読解に高度な思考力・記述力まで要求する難関です。しかし、本記事で述べたように、その出題傾向と求められる力は事前に十分対策が可能なものです。物語文の読解力論説文の論理把握力記述で表現する力、そして語彙・漢字の知識――これらをバランスよく伸ばす学習を積み重ねれば、国語試験で真の実力を発揮し、合格への大きな一歩を踏み出すことができるでしょう。

難しい文章にも臆せず挑戦し、自分の言葉で考えをまとめる訓練を積んできたお子さんは、本番でも落ち着いて問題に向き合えるはずです。日々の努力は必ず力になります。保護者の方は、お子さんの頑張りを支えつつ、ときには寄り添って一緒に文章を読み解いたり、意見を聞いたりしてあげてください。その伴走が、お子さんの国語力向上に大きく寄与します。

「継続は力なり」です。早稲田中合格という目標に向けて、ぜひ親子二人三脚で国語の学習を進めてください。最初は歯が立たないように思えた文章も、努力を重ねるうちにきっと読みこなせるようになります。国語を得意科目にできれば入試全体の自信にも繋がります。最後まで粘り強くサポートし、お子さんが入試本番で持てる力を最大限発揮できるよう、陰ながら応援しています。

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