広尾学園中学校 2026年度入試の全体像と対策
🎯 要点: 広尾学園中学校の入試は、基礎学力に加え、思考力・判断力・表現力を重視する傾向が見られます。 各教科で長文読解や資料分析、記述解答が求められ、多角的な視点から物事を捉える力が試されます。 時間配分を意識した演習と、論理的思考力・表現力を養う対策が合格への鍵となります。
広尾学園中学校の入試は、単なる知識の暗記に留まらず、その知識をいかに活用し、深く考察し、自分の言葉で表現できるかを重視しています。受験生の皆さんが、与えられた情報を正確に理解し、論理的に考え、そして明確に伝える力を備えているかを見極める出題が特徴です。
試験構成と時間配分
2026年度入試の算数、理科、社会の各教科を分析すると、以下のような構成傾向が見られます。
- 算数: 例年、大問は5題で構成されています。
- 理科: 例年、大問は4題で構成されています。
- 社会: 例年、大問は4題で構成されています。
各教科の試験時間や配点については、具体的な数値は示されておりませんが、限られた時間内で多くの情報を処理し、解答を導き出す能力が求められます。特に、問題文が長く、複数の情報を組み合わせる必要がある問題が多いため、効率的な時間配分が合否を分ける重要な要素となります。
出題傾向の全体的な特徴
広尾学園中学校の入試では、教科横断的にいくつかの共通した傾向が見られます。
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長文読解と資料分析力: 算数では複雑な設定の文章題、理科や社会では詳細な説明文や複数の図表、グラフ、史料が提示されます。これらの長文や多様な資料から必要な情報を正確に読み取り、分析する力が不可欠です。単に表面的な情報を追うだけでなく、その背景や意図まで深く理解する姿勢が求められます。
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思考力・判断力の重視: どの教科においても、単なる知識の有無を問うだけでなく、与えられた情報をもとに論理的に考え、適切な判断を下す力が試されます。算数では、一見すると複雑に見える問題でも、基本原理を理解し、段階的に思考を進めることで解答にたどり着けるよう工夫されています。理科や社会では、実験結果の考察や、複数の要素を関連付けて説明する問題が頻出します。
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表現力・記述力の要求: 解答形式は選択式だけでなく、自分の考えや理由を記述させる問題が各教科で多く見られます。理科や社会では、与えられた条件や資料に基づいて、ある現象や社会問題について説明する記述問題が定番です。算数でも、単に答えを出すだけでなく、その答えに至るまでの過程や考え方を問う問題が出題される可能性があります。自分の考えを整理し、平易で分かりやすい言葉で表現する練習が重要です。
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実生活・現代社会との関連性: 理科や社会では、太陽電池のような最新技術、地球温暖化のような環境問題、情報社会やSNSといった現代の社会課題など、身近な現象や現代社会が抱えるテーマを題材にした問題が多く出題されます。これは、学校が社会の変化に目を向け、主体的に考える生徒を求めていることの表れと言えるでしょう。日頃からニュースに関心を持ち、社会の動きを多角的に捉える習慣が、入試対策にも直結します。
難易度感と対策のポイント
広尾学園中学校の入試問題は、基礎的な知識が定着していることを前提としつつ、それを応用して深く考える力を問う問題が多く、全体としては高いレベルの総合力が求められます。特に、思考力を要する応用問題や、複数の情報を統合して解答する問題では、難易度が高く感じられるかもしれません。
合格を勝ち取るためには、以下の点に重点を置いて対策を進めることが重要です。
- 基礎の徹底と応用への展開: 各教科の基本事項を確実に理解し、それを様々な問題に応用できる力を養いましょう。単なる公式や用語の暗記ではなく、なぜそうなるのか、その原理や背景まで深く掘り下げて学習することが大切です。
- 過去問演習を通じた実践力の向上: 実際の入試問題に繰り返し取り組むことで、出題形式に慣れ、限られた時間内で効率的に問題を解き進める感覚を身につけましょう。特に、長文読解や資料分析、記述問題の演習を重点的に行い、解答作成のスピードと精度を高めることが重要です。
- 論理的思考力と表現力の養成: 記述問題では、自分の考えを筋道立てて説明する練習を積むことが不可欠です。普段から、問題の答えだけでなく、その理由や過程を声に出して説明する習慣をつけると良いでしょう。また、添削指導を受けることで、より分かりやすく、採点者に伝わる表現力を磨くことができます。
- 日頃からの知的好奇心: 理科や社会で問われる現代的なテーマに対応するためには、日頃から新聞やニュースに目を通し、社会や科学の出来事に関心を持つことが大切です。教科書や参考書だけでなく、様々な情報源から知識を吸収し、自分なりの考えを持つ訓練をしましょう。
広尾学園中学校の入試は、皆さんの総合的な学力と、未知の問題にも粘り強く取り組む姿勢を試すものです。計画的な学習と、常に「なぜ?」と問いかける知的好奇心を持って、合格に向けて努力を重ねてください。
教科別出題傾向
🎯 要点: 広尾学園中学校の入試では、算数・理科・社会の各教科で特徴的な出題傾向が見られます。 算数では幅広い分野から応用力が問われ、理科では長文読解と複数の分野を横断する思考力が求められます。 社会は資料読解や論述問題が多く、多角的な視点から社会事象を考察する力が合否を分けます。
広尾学園中学校の2026年度入試は、各教科において基礎学力に加え、思考力、判断力、表現力を重視する姿勢が明確に表れています。単なる知識の暗記に留まらず、与えられた情報を正確に読み解き、論理的に考察し、自らの言葉で表現する力が求められます。
| 教科 | 配点 | 試験時間 | 出題傾向の特徴 |
|---|---|---|---|
| 算数 | — | — | 大問5題。計算、数の性質、図形、速さなど幅広い分野から応用力を問う。解答は数値記入が中心。 |
| 理科 | — | — | 大問4題。物理、化学、生物、地学からバランス良く出題。長文読解、計算、記述、図表読み取りが特徴。 |
| 社会 | — | — | 大問4題。地理、歴史、公民からバランス良く出題。資料読解、論述問題、現代社会の課題への考察を重視。 |
算数
広尾学園中学校の算数では、例年大問5題構成で、基礎的な計算力から応用的な思考力を問う問題まで幅広く出題されます。
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大問構成・難易度の傾向: 大問1は計算問題を含む小問集合で、基礎的な知識と正確な計算力が問われます。ここでの失点は避けたいところです。大問2以降は、数の性質、場合の数、平面図形、速さなど、特定の単元に焦点を当てた応用問題が続きます。これらの問題は、複数の知識を組み合わせたり、条件を整理して論理的に考えたりする力が求められるため、難易度は標準からやや難レベルと言えるでしょう。
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頻出単元 / 定番テーマ: 大問1では、分数や小数の計算、割合と比、速さ、数の性質、基本的な図形問題など、幅広い分野から基礎的な内容がバランス良く出題される傾向にあります。大問2では整数問題や数の性質、大問3では場合の数や組み合わせ、大問4では平面図形(特に面積比や図形の移動)、大問5では速さに関する文章題やグラフの読み取りが定番テーマとして頻出します。図形問題では、立体図形の回転体や、平面図形の面積を求める問題など、空間把握能力や図形的なセンスが問われる問題も多く見られます。
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出題形式の傾向: ほとんどの設問で解答のみを求める形式が採用されています。計算過程や思考のプロセスを記述する問題は少ないため、正確な答えを導き出すための計算力と見直し力が重要です。図形問題では、与えられた図を正確に読み解き、補助線を引くなどの工夫が必要となる場面も多いです。
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この学校らしさ: 広尾学園の算数では、単に公式を暗記しているだけでなく、その知識をどのように活用するかという応用力が重視されます。特に、大問2以降の思考力を要する問題では、問題文の条件を正確に把握し、複数の情報を整理しながら、筋道を立てて解決する力が合否を分けます。日頃から、なぜそうなるのか、どうすれば解けるのかを深く考える習慣を身につけることが大切です。
理科
理科は、大問4題構成で、物理、化学、生物、地学の各分野からバランス良く出題される傾向にあります。長文のリード文を読み解き、設問に答える形式が特徴的です。
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大問構成・難易度の傾向: 大問は4題で構成されており、それぞれが特定の分野をテーマとしています。各分野から満遍なく出題されるため、苦手分野を作らないことが重要です。問題文は比較的長く、実験や観察に関する詳細な説明が含まれることが多いです。設問は選択肢問題、語句記入、説明記述、計算問題など多岐にわたり、難易度は標準からやや難レベルです。特に、リード文の内容を正確に理解し、そこから必要な情報を抽出して考察する力が求められます。
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頻出単元 / 定番テーマ: 大問1では物理分野(光の性質、レンズ、太陽電池など)、大問2では化学・物理分野(物質の状態変化、水の状態図、沸点上昇・凝固点降下など)、大問3では生物分野(発生、変態、遺伝など)、大問4では地学分野(気象、あられ・ひょうの生成、地球温暖化など)がテーマとして扱われています。最新の科学技術や環境問題、日常生活と関連する科学現象など、時事的な話題を扱った問題も頻出するため、日頃から科学ニュースに関心を持つことが有効です。
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出題形式の傾向: 長文のリード文を読み解き、その内容に基づいて設問に答える形式が中心です。選択肢問題や語句記入だけでなく、図やグラフの読み取り、実験結果の考察、そして自分の言葉で説明する記述問題も多く出題されます。計算問題では、与えられた条件から数値を導き出す応用力が問われるため、単位の扱いや計算の正確さも重要です。
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この学校らしさ: 広尾学園の理科では、単なる知識の暗記だけでなく、与えられた情報を正確に理解し、それに基づいて論理的に思考する力が非常に重視されます。複数の分野を横断するような総合的な問題も多く、深い理解と応用力が求められます。科学的な現象を日常生活や社会問題と結びつけて考察させる問題が多いため、現象の背景にある原理原則を理解し、多角的に物事を捉える姿勢を養うことが合格への鍵となります。
社会
社会は、大問4題構成で、地理、歴史、公民の各分野からバランス良く出題されます。特に資料読解と論述問題が多く、多角的な視点から社会事象を考察する力が求められます。
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大問構成・難易度の傾向: 大問は4題で構成されており、大問4はさらにIとIIに分かれています。各分野から満遍なく出題され、特定の分野に偏りはありません。問題文は長文のリード文や、図、表、史料、会話文など多様な資料が提示されることが特徴です。設問は語句記入、選択肢、並べ替え、そして記述・論述問題が中心で、難易度は標準からやや難レベルです。資料から情報を正確に読み取り、それを基に考察し、自分の言葉で表現する力が問われます。
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頻出単元 / 定番テーマ: 大問1では地理分野(エネルギー資源、鉱産資源、環境問題、貿易など)、大問2では歴史分野(古代から近世、近代までの幅広い時代)、大問3では公民分野(情報社会、人権、選挙、財政、雇用など)がテーマとして扱われています。大問4では、歴史と公民の融合問題(鎌倉幕府の仕組み、SNSとアテンション・エコノミーなど)が出題されるなど、分野を横断した総合的な理解が求められます。現代社会の課題や歴史的背景を問う問題が多く、社会に対する幅広い関心と深い洞察力が試されます。
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出題形式の傾向: 長文のリード文や複数の資料を読み解き、設問に答える形式が中心です。語句記入や選択肢問題に加え、年代や事象の並べ替え、地図やグラフの読み取り問題も頻出します。特に、与えられた資料から情報を抽出し、自分の言葉でまとめて説明する記述・論述問題が合否を大きく左右します。論述問題では、単に知識を羅列するだけでなく、論理的な思考に基づいた説得力のある説明が求められます。
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この学校らしさ: 広尾学園の社会では、知識の暗記だけでなく、資料から情報を読み取り、分析し、多角的な視点から社会事象を考察する力が非常に重視されます。歴史と公民、地理と公民など、分野を横断した総合的な問題が多く、現代社会の課題に対する関心や、それらを批判的に考察する姿勢が問われます。日頃からニュースや新聞に目を通し、社会の出来事について自分なりの考えを持つ練習をすることが、合格への近道となるでしょう。
教科別対策のポイント
🎯 要点: 広尾学園中学校2026年度入試は、算数・理科・社会のいずれも「知識の暗記」だけでは対応できない、思考力・応用力を問う出題が中心です。 算数は大問5題構成で、計算から高度な図形・整数・場合の数まで幅広く出題され、各分野の深い理解が求められます。 理科・社会はともに長文読解や資料分析が多く、文章から情報を読み取り、自分の言葉で説明する記述力が合否を分けます。
算数
出題構成と傾向
2026年度の算数は大問5題構成です。大問1は小問集合(6問)で、計算・食塩水・整数・速さ・立体の回転体・平面図形と多岐にわたります。大問2は独自記号を使った整数の性質、大問3は場合の数と整数の並び、大問4は平面図形(正方形と内部の点・面積)、大問5は鉄道模型を題材にした速さと時間の複合問題です。
単純な計算練習だけでは得点できません。各分野の概念をしっかり理解したうえで、複数の知識を組み合わせて解く力が必要です。
重点単元と対策
① 計算・数の性質
大問1の小問集合には分数・小数の混合計算が含まれます。計算ミスは即失点につながるため、毎日10〜15分の計算練習を習慣にしてください。特に分数と小数が混在する式では、どちらかに統一してから計算する手順を身につけることが大切です。
整数の性質(余りの条件を満たす数を求める問題)は、「中国剰余定理」の考え方に近い内容です。小学生向けには「条件を満たす数の周期性を見つける」アプローチが有効です。3で割ると1余り・5で割ると2余り・7で割ると3余るといった複数条件の整数問題は、最小の解を見つけてから周期(最小公倍数)を利用する手順を繰り返し練習してください。
② 図形(平面・立体)
大問1には立体の回転体の体積と、多角形の周囲を円が転がる問題が含まれます。回転体の問題では、回転軸に対して各部分がどのような立体を描くかを正確にイメージする力が必要です。「へこみのある図形」を回転させると、複数の円柱・円錐の組み合わせになります。図を自分で描き直し、引き算・足し算で体積を求める練習を積んでください。
円が多角形の辺上を転がる問題では、「直線部分」と「角の部分(円弧)」に分けて面積を計算する方法を習得してください。角の外角の合計が360°になることを利用すると、円弧部分の合計がちょうど1つの円の面積になります。この考え方は頻出なので、必ず定着させてください。
大問4の正方形と内部の点を使った面積問題は、座標や比を使って面積を分割・合成する技術が求められます。「三角形の底辺と高さの比から面積比を求める」「補助線を引いて既知の図形に分割する」といった手法を、様々なパターンで練習してください。
③ 場合の数・整数の並び
大問3は1〜9の数字カードから4枚を選んで4桁の整数を作る問題です。「何通りあるか」という計数だけでなく、「小さい順に並べたとき2026番目の整数は何か」という問いも出ています。
この種の問題は、千の位・百の位・十の位・一の位の順に場合を分けて数える「辞書式順序」の考え方が基本です。まず千の位ごとに何通りあるかを計算し、目標の番号が何番目のグループに入るかを絞り込む手順を練習してください。計算ミスを防ぐため、途中の数を必ず書き留める習慣をつけましょう。
④ 独自ルール・規則性の問題
大問2は「m/nを超えない最大の整数」を記号で定義し、その性質を探る問題です。このタイプは問題文をゆっくり読んで定義を正確に把握することが最優先です。例題(⟨29/10⟩=2、⟨5/1⟩=5)を使って定義を自分で確認してから解き始めてください。
(1)のような「定義が成り立つ条件を数え上げる」問題は、nを1から順に固定して場合分けする方法が確実です。(2)(3)のように条件が複雑になる問題では、不等式に変換して整数の範囲を絞る技術が必要です。「定義を式に直す→不等式を立てる→整数解を数える」という流れを身につけてください。
⑤ 速さ・比の複合問題
大問5の鉄道模型問題は、編成両数が増えると速さが1/n倍になるという規則を使います。「距離=速さ×時間」の基本に加え、「時間が等しくなる条件」を方程式的に考える力が必要です。速さと比の問題は、単位をそろえること・比を使って速さを文字で置くことを徹底してください。
過去問演習の注意点
試験時間内に大問1の小問集合を確実に得点し、大問2〜5で取れる問題を見極める練習をしてください。各大問の(1)は比較的取り組みやすい設定になっていることが多いので、(1)だけでも確実に解く意識を持ちましょう。途中式を丁寧に書く習慣は、計算ミスの発見と部分点の確保につながります。
理科
出題構成と傾向
2026年度の理科は大問4題構成です。大問1は光の屈折・フレネルレンズ、大問2は物質の状態変化(固体・液体・気体)と状態図、大問3はショウジョウバエの発生と遺伝子・タンパク質の分布、大問4はひょう・あられの生成と気象現象です。
理科の特徴は、長い説明文を読んで内容を理解し、そこから答えを導く「読解型」の出題が多い点です。知識の暗記だけでなく、文章から情報を整理して論理的に考える力が求められます。また、計算問題も含まれており、数値を正確に扱う力も必要です。
重点単元と対策
① 光・レンズ(物理)
大問1では光の屈折の方向(境界線から離れる・近づく)を正確に理解することが求められます。「光が通りにくい媒質に進むとき境界線から離れる」という原則を、空気・水・ガラス・ダイヤモンドの順序とセットで覚えてください。
フレネルレンズの断面形状を選ぶ問題は、「凸レンズの屈折の働きをどう再現するか」という発想が必要です。凸レンズの各部分が光をどの方向に曲げるかを理解したうえで、それをシート状に実現した形を考える練習をしてください。
計算問題(焦点距離の計算)は、レンズの公式と相似の考え方を組み合わせます。「フレネルレンズの面積と発電素子の面積の比」「レンズから素子までの距離」を使って焦点距離を求める手順を、図を描きながら練習してください。
② 状態変化・状態図(化学)
大問2は「状態図」という初見の概念を文章で説明し、それを読み取って問いに答える形式です。状態図のグラフ(横軸:温度、縦軸:圧力)を正確に読み取り、「圧力を下げると何が起きるか」「温度を上げると何が起きるか」を判断する練習をしてください。
沸点の計算(気圧の変化→沸点の変化)や沸点上昇の計算は、比例関係を使います。「0.01気圧下がるごとに0.4℃下がる」「水200gに食塩5gで0.4℃上昇」といった数値を使った計算を、単位に注意しながら練習してください。割り切れない場合の四捨五入も忘れずに。
凝固点降下の問題では、「何が凝固点降下に関係するか・しないか」を判断する力が必要です。「物質を溶かすことで凝固点が下がる」という原理と、「水が凍ると体積が増える」「蒸発冷却」などの別の現象を区別して整理してください。
③ 生物の発生・遺伝子(生物)
大問3はショウジョウバエの発生を題材に、設計図(mRNA相当)とタンパク質の分布の関係を問います。グラフを読み取り、「なぜ設計図の分布とタンパク質の分布が異なるのか」を文章で説明する問題があります。
「設計図はタンパク質を合成する指示を出すだけだが、合成されたタンパク質が他の設計図の働きを促したり妨げたりする」という仕組みを、図1・図2を見比べながら理解してください。記述問題では「〜だから〜になる」という因果関係を明確に書くことが大切です。
完全変態・不完全変態の区別(カブトムシ・ハチ・カは完全変態、カマキリ・セミは不完全変態)は基本知識として確実に覚えてください。
④ 気象・天体(地学)
大問4はひょうの生成メカニズムを会話文形式で説明し、そこから問いに答えます。「上昇気流が強いと氷のつぶが上下に動いて大きくなる」「小さいつぶがプラス、大きいつぶがマイナスに帯電する」という内容を正確に読み取ってください。
終端速度の計算は、表から規則性を見つける問題です。直径が2倍になると終端速度がどう変わるかを表から読み取り、直径20cmの場合に当てはめてください。小数第二位まで答える指示があるので、計算の精度に注意してください。
過去問演習の注意点
理科は「文章を読んで初見の概念を理解し、それを使って答える」問題が多いです。問題文を飛ばし読みせず、キーワードに線を引きながら読む習慣をつけてください。記述問題は「〜から」「〜ため」という理由の書き方を練習し、解答欄の大きさに合わせた文量を意識してください。
社会
出題構成と傾向
2026年度の社会は大問4題構成です。大問1はエネルギー資源・鉱産資源(地理)、大問2は史料読解を中心とした歴史(飛鳥〜明治)、大問3は情報社会・メディア・AI(公民)、大問4は鎌倉幕府の構造と「アテンション・エコノミー」を題材にした記述問題です。
地理・歴史・公民の3分野がバランスよく出題されます。特に史料(原文)を読んで時代や内容を判断する問題、グラフ・表・地図から情報を読み取る問題が多く、単純な用語暗記だけでは対応できません。
| 教科 | 配点 | 試験時間 | 出題傾向の特徴 |
|---|---|---|---|
| 算数 | — | — | 大問5題・小問集合+応用問題、図形・整数・場合の数・速さが頻出 |
| 理科 | — | — | 大問4題・長文読解型、計算問題・記述問題あり、物理・化学・生物・地学を網羅 |
| 社会 | — | — | 大問4題・史料読解・資料分析・記述問題あり、3分野バランス出題 |
重点単元と対策
① 地理(エネルギー・資源・産業)
大問1では風力発電・太陽光発電の発電量上位地域を地図から読み取り、産業別就業者割合の表と照合する問題が出ています。都道府県ごとの地理的特徴(風が強い地域・日照時間が長い地域)と産業構造(農業・工業・サービス業の割合)を結びつけて理解してください。
港湾別の輸出入品目の問題は、「どの港がどんな産業の近くにあるか」という地理的知識が必要です。横浜港・千葉港・川崎港それぞれの立地と周辺の産業(自動車・石油化学・鉄鋼など)を地図と一緒に整理してください。
粗鋼生産量の推移グラフでは、中国の急激な増加と日本の相対的な地位の変化を読み取る力が求められます。主要国の工業生産の変化を時系列で把握しておきましょう。
② 歴史(史料読解・時代整序)
大問2は飛鳥時代の改新の詔(大化の改新)、中世の自治都市(堺)、江戸時代の参勤交代の変更、奈良時代の墾田永年私財法、鎌倉時代の御成敗式目、江戸時代の寛政の改革、明治時代のポーツマス条約という7つの史料を扱います。
史料問題の対策として、「史料の中のキーワードから時代・出来事を特定する」練習が最重要です。例えば「班田収授」「部曲」「屯倉」は大化の改新、「守護・地頭・年貢」は鎌倉時代、「切米・参勤交代」は江戸時代、「旅順・サハリン」はポーツマス条約、というように史料と時代を結びつける訓練をしてください。
時代の古い順に並べる問題は、各史料の時代を正確に特定できれば解けます。飛鳥→奈良→平安→鎌倉→室町→江戸→明治という基本的な時代の流れを軸に、各出来事の位置づけを確認してください。
奈良時代の税制(租・庸・調・雑徭・兵役)は誤りを含む選択肢を見抜く問題が出ています。「租は稲を国司に納める」「調は地方の特産物を都に納める」「庸は布または労役」という区別を正確に覚えてください。
③ 公民(政治・メディア・人権)
大問3は情報社会・SNS・AI・選挙・人権(新しい人権)・財政を幅広く扱います。
選挙制度では「非拘束名簿式」が参議院比例代表選挙で採用されており、候補者名を記入して投票する仕組みであることを確認してください。衆議院と参議院の選挙制度の違いを整理した表を作って覚えましょう。
「新しい人権」(自己決定権・プライバシーの権利・環境権・アクセス権・忘れられる権利)は、それぞれの具体例とセットで覚えてください。「アクセス権」の説明に「マスメディアによる取材活動の自由」が含まれるかどうかという細かい論点も出題されています。
財政の問題では、直接税(所得税・法人税)と間接税(消費税)の区別、国債依存度の計算(公債金÷歳入合計)を使って表の数値を読み取る練習をしてください。
④ 記述問題(大問4)
大問4-Ⅰは「鎌倉幕府の中心に貴族が存在していた理由」を図と史料から説明する問題です。史料には「院宣を読める武士がほとんどいなかった」という内容が含まれており、「武士は軍事・裁判・政治の実務を担う必要があったが、文書を読み書きする能力が不足していたため、朝廷で文書行政を担っていた貴族の知識・技術が必要だった」という論旨で説明できるようにしてください。
大問4-Ⅱは「アテンション・エコノミー」が選挙に与える問題を、(A)具体的な問題と(B)選挙への悪影響に分けて説明する問題です。「注目を集めることが最大の価値になる→過激・感情的な情報が拡散されやすい→有権者が正確な政策情報より感情的な印象で投票判断をしやすくなる」という流れで、A・Bを明確に分けて書く練習をしてください。
記述問題全般の対策として、「問われていることに直接答える」「理由を示す接続詞(〜だから・〜ため)を使う」「具体例を盛り込む」という3点を意識した答案作成の練習を積んでください。
過去問演習の注意点
社会は資料(地図・グラフ・表・史料)を正確に読み取ることが得点の鍵です。選択肢問題でも「なぜその選択肢が正しいか・誤りか」を自分で説明できるまで確認してください。記述問題は字数・解答欄の大きさに合わせた文量の調整も練習しておきましょう。また、2025年に成立したAI推進法のような時事的な内容も出題されているため、ニュースや時事問題集を活用して最新の社会情勢を把握しておくことが重要です。
合格に向けた学習計画
🎯 要点: 広尾学園中学校の入試は、算数・理科・社会それぞれで思考力・応用力が問われる構成です。 単なる暗記や計算練習だけでは対応できず、問題の構造を読み解く力が合否を分けます。 受験本番から逆算し、12ヶ月前から段階的に学習を積み上げることが合格への最短ルートです。
試験の全体像を把握する
まず、広尾学園中学校の2026年度入試の構成を確認しておきましょう。
算数は大問5題構成で、計算・数の性質・場合の数・図形・速さと規則性など、幅広い分野から出題されています。理科は大問4題で、物理・化学・生物・地学の各分野から文章読解型の問題が多く出題されます。社会は大問4題で、地理・歴史・公民が融合した出題形式が特徴的です。
どの教科も「読んで考える力」が問われます。問題文が長く、条件を整理しながら解き進める必要があるため、スピードと正確さの両方を鍛えることが必要です。
早期(受験12〜6ヶ月前):基礎固めと苦手単元の洗い出し
この時期の目標は、「穴のない基礎力」を作ることです。応用問題に取り組む前に、基礎が揺らいでいると、どれだけ演習を重ねても得点は伸びません。
算数(週5〜6時間)
算数は配点・出題量ともに重要な教科です。2026年度の出題を見ると、整数の性質(余りの問題)、平面図形・立体図形の体積・面積、場合の数・整数の組み合わせ、速さ・規則性など、中学受験算数の主要分野が網羅されています。
この時期は、次の順番で基礎を固めてください。
- 計算力の徹底:分数・小数の混合計算を毎日10分以上練習する。計算ミスは本番での大きな失点につながります。
- 図形の基礎:平面図形(面積・角度)、立体図形(体積・展開図)の公式と解法を確実に身につける。
- 数の性質:余りの問題(中国剰余定理の考え方)、倍数・約数の扱いを練習する。
- 場合の数:順列・組み合わせの基本的な考え方を整理する。
1日あたり算数に45〜60分を確保し、週に1回は単元テストで定着度を確認してください。
理科(週3〜4時間)
2026年度の理科は、光の屈折・物質の状態変化・生物の発生・気象(ひょう)という4つのテーマで出題されました。いずれも「文章で説明された現象を読み解き、図やグラフと照合しながら答える」形式です。
この時期は、各分野の基礎知識を体系的に整理することが最優先です。
- 物理分野:光・音・力・電気の基本法則を図と合わせて覚える。
- 化学分野:水溶液の性質、状態変化、溶解度の計算を練習する。
- 生物分野:植物・動物の体のしくみ、昆虫の変態(完全変態・不完全変態の区別)を整理する。
- 地学分野:天気・地層・天体の基礎を押さえる。
理科は「なぜそうなるのか」を言葉で説明できるレベルまで理解することが重要です。答えを丸暗記するだけでは、文章読解型の問題には対応できません。
社会(週3〜4時間)
2026年度の社会は、エネルギー資源・歴史史料の読解・情報社会と公民という構成でした。地理・歴史・公民が融合した出題が特徴で、単独の暗記では対応できません。
この時期は、地理・歴史・公民それぞれの基礎知識を一通り仕上げることを目標にしてください。
- 地理:日本の各地方の産業・気候・地形を地図と合わせて覚える。
- 歴史:時代の流れを年表で整理し、各時代の政治・文化・外交の特徴をつかむ。
- 公民:三権分立・選挙制度・財政の基本的な仕組みを整理する。
中期(受験6〜3ヶ月前):過去問演習の開始と弱点補強
基礎が固まったら、実際の入試問題に近い形式での演習を始めます。この時期の目標は「問題の形式に慣れること」と「弱点を明確にして集中的に補強すること」です。
過去問演習の進め方
週に1〜2回、時間を計って過去問に取り組んでください。算数は試験時間内に全問に目を通し、解ける問題から確実に得点する練習が必要です。
過去問を解いた後は、必ず「なぜ間違えたか」を分析してください。
- 知識が不足していた → 該当単元の復習
- 計算ミスだった → 計算練習の強化
- 問題の意味が読み取れなかった → 問題文の読み方を練習
算数の重点補強(週6〜7時間)
2026年度の算数では、図形の回転体・八角形の面積・整数の組み合わせ・場合の数・速さと規則性など、複数の知識を組み合わせて解く問題が出題されています。
この時期は、特に次の分野を重点的に練習してください。
- 図形(平面・立体):回転体の体積、複合図形の面積は頻出です。図を自分で描く習慣をつけてください。
- 場合の数:4桁の整数を作る問題のように、条件を整理して数え上げる練習を積む。
- 速さ・規則性:条件が複数ある問題では、表や図を使って整理する習慣をつける。
理科の重点補強(週4〜5時間)
理科は計算問題も含まれます。2026年度では、レンズの焦点距離の計算、沸点の変化の計算、ひょうの終端速度の計算など、数値を使った問題が複数出題されています。
計算問題は「公式を覚える」だけでなく、「なぜその公式が成り立つか」を理解した上で使えるようにしてください。また、記述問題(「〜の理由を説明しなさい」)は、キーワードを使って簡潔にまとめる練習が必要です。
社会の重点補強(週4〜5時間)
社会では、史料・グラフ・表を読み解く問題が多く出題されます。2026年度でも、粗鋼生産量のグラフ、港の輸出入データ、国家財政の表など、資料を読み取る問題が複数ありました。
資料読み取り問題は、「何が示されているか」「どの数値を比較すべきか」を素早く判断する練習が必要です。過去問を解く際は、資料を見た瞬間に「この資料は何を比べているのか」を声に出して確認する習慣をつけてください。
直前期(受験3ヶ月前〜本番):実戦演習と時間配分の最適化
この時期は、新しい内容を詰め込むよりも、これまでの学習を「本番で確実に発揮できる形」に整えることが最優先です。
時間配分の練習
算数・理科・社会それぞれで、試験時間内に解ける問題と後回しにすべき問題を瞬時に判断する練習をしてください。難問に時間をかけすぎて、解けるはずの問題を落とすのが最も避けるべき失点パターンです。
毎週1回は本番と同じ時間設定で過去問を解き、終了後に時間配分を振り返ってください。
算数の直前対策
大問1の計算・基本問題は確実に得点する。大問2〜5の応用問題は、問題の条件を整理してから解き始める習慣を徹底する。解けない問題に固執せず、次の問題に進む判断力を養う。
理科・社会の直前対策
理科は、記述問題の答え方を過去問で確認し、「何を書けば得点になるか」のパターンを把握してください。社会は、歴史の時代順の並べ替え問題や、選択肢を絞り込む問題の練習を重点的に行う。
体調管理
試験本番の1ヶ月前からは、試験開始時刻に合わせた生活リズムを作ることが重要です。毎朝同じ時間に起き、午前中に算数や理科の問題を解く習慣をつけてください。睡眠時間は7〜8時間を確保し、試験直前の詰め込みは避けてください。
学習時間の目安まとめ
| 時期 | 算数 | 理科 | 社会 |
|---|---|---|---|
| 早期(12〜6ヶ月前) | 週5〜6時間 | 週3〜4時間 | 週3〜4時間 |
| 中期(6〜3ヶ月前) | 週6〜7時間 | 週4〜5時間 | 週4〜5時間 |
| 直前期(3ヶ月前〜) | 週7〜8時間 | 週5〜6時間 | 週5〜6時間 |
広尾学園の入試は、知識の量だけでなく「考える力」と「読み解く力」が問われます。毎回の演習で「なぜこの答えになるのか」を言語化する習慣を持ち続けることが、合格への確実な道筋です。
塾講師から受験生へ
🎯 要点: 広尾学園中学校の入試は、知識の暗記だけでは通用しない「思考力・論理力」を正面から問う試験です。 算数・理科・社会のいずれも、問題文を正確に読み解き、自分の言葉で答えを組み立てる力が求められます。 「考える習慣」を今から身につけることが、合格への最短ルートです。
私はこれまで多くの受験生と一緒に広尾学園の過去問に向き合ってきました。毎年問題を見るたびに感じることがあります。それは、「この学校は、本当に考える力を持っているかどうかを見ている」ということです。
算数を例に取ると、大問が5題構成で、計算問題から始まりながらも、後半の大問では整数の性質・図形・数列的な思考・速さと時間の複合問題など、多岐にわたる分野が登場します。単純に公式を覚えているだけでは解けません。問題文に書かれた条件を整理し、「なぜそうなるのか」を自分で考え抜く力が必要です。とくに、大問2のように「記号や操作の定義を読んで、その規則を自分で使いこなす」タイプの問題は、広尾学園らしい出題です。初めて見る設定でも落ち着いて定義を読み、小問(1)から順番に丁寧に手を動かしていけば、必ず糸口が見えてきます。「見たことがない問題だから無理」と思った瞬間に負けです。
理科も同じです。光の屈折、物質の状態変化、生物の発生、気象現象と、幅広いテーマが並びますが、どの大問も「長い説明文を読んで、そこから情報を引き出して答える」という形式が共通しています。知識ゼロでも問題文を丁寧に読めば解けるように設計されている問題がある一方で、読み飛ばすと絶対に解けない問題もあります。理科の勉強では、教科書の内容を覚えるだけでなく、「なぜそうなるのか」という仕組みを言葉で説明できるようにしておくことが大切です。問5・問6のように計算が絡む問題も毎年出ますから、単位の扱いや比の計算を確実に練習してください。
社会は、地理・歴史・公民の3分野がバランスよく出題されます。史料を読んで時代を特定したり、出来事の背景を説明したりする問題が多く、「丸暗記」の勉強では対応しきれません。4-Ⅱのような論述問題では、与えられたテーマについて自分の考えを筋道立てて書く力が問われます。社会の学習では、出来事の「流れ」と「つながり」を意識しながら学ぶ習慣をつけてください。年号を覚えるより、「なぜその出来事が起きたのか」「その結果どう変わったのか」を自分で説明できるかどうかが勝負です。
一つ正直に伝えます。この試験は、楽な道ではありません。問題の量も多く、初見の設定に動じない精神力も必要です。でも、だからこそ「考える力」を本気で鍛えてきた受験生が報われる試験でもあります。過去問を解いて「難しかった」で終わりにするのではなく、「なぜ間違えたのか」「どこで詰まったのか」を一問ずつ丁寧に振り返ってください。その積み重ねが、本番で初めて見る問題に向き合ったときの「落ち着き」になります。
今から本気で取り組めば、必ず力はつきます。一緒にやり切りましょう。
保護者の皆さまへ
🎯 要点: 広尾学園中学校の2026年度入試(算数・理科・社会)は、知識の暗記だけでなく「考えるプロセス」を問う出題構成が特徴です。 家庭でのサポートは、子どもが自分で考える時間を確保することを最優先にしてください。 過去問演習は「正答率」ではなく「解き方の筋道」を親子で確認する場として活用するのが効果的です。
広尾学園中学校入試の特徴を保護者目線で理解する
広尾学園中学校の入試問題は、単純な知識の再現にとどまらず、与えられた情報を読み解き、筋道を立てて答えを導く力を問う構成になっています。
算数は大問5題構成で、計算・数の性質・場合の数・図形・速さと規則性といった幅広い分野が出題されます。特に注目すべきは、問題の中に「定義や条件を読み込んで、その場で規則を理解して解く」タイプの設問が含まれている点です。2026年度の大問2はその典型で、問題文中に独自の記号と定義が与えられ、それを正確に読み取ったうえで計算・場合の数の処理を行う構成になっています。こうした問題は、「知っているかどうか」ではなく「読んで考えられるかどうか」が問われます。お子さんが問題文を丁寧に読む習慣を身につけているかどうかが、本番での得点に直結します。
理科は4大問構成で、光の屈折・物質の状態変化・生物の発生・気象(ひょうの生成)という多彩なテーマが扱われています。各大問に長めのリード文が設けられており、初見の内容でも文章から情報を読み取って答える設問が多く含まれます。2026年度では、フレネルレンズの焦点距離を計算する問題や、水の状態図を読んで状態変化を判断する問題など、理科的な思考力と読解力の両方が求められる出題が見られます。「理科は暗記科目」という認識のままでは対応が難しく、「文章や図から情報を整理して考える科目」として捉え直す必要があります。
社会は3大問+記述問題という構成で、地理・歴史・公民の各分野から幅広く出題されます。特徴的なのは、史料や統計表・グラフを用いた問題が多く、資料を読み解く力が問われる点です。2026年度では、エネルギー資源に関する統計や港別の輸出入データ、歴史的史料の読解、さらにSNSと選挙に関する現代的なテーマの記述問題まで出題されています。記述問題では「アテンション・エコノミー」という概念を踏まえて選挙への悪影響を論じる問いがあり、時事的な話題への関心と、論理的に文章をまとめる力が求められます。
家庭でのサポート:「環境づくり」が最大の貢献
保護者の皆さまができる最も重要なサポートは、お子さんが「自分で考える時間」を確保できる環境を整えることです。
広尾学園の入試問題は、じっくり読んで考えることを前提に設計されています。そのため、家庭学習の場でも「すぐに答えを確認させない」姿勢が大切です。お子さんが問題で詰まっているとき、すぐにヒントを与えたり解答を見せたりするのではなく、「どこまでわかった?」「問題文に何が書いてあった?」と問いかけ、自分で情報を整理させる習慣をつけてください。
学習環境については、机の上を整理し、問題文を落ち着いて読める静かな空間を用意することが基本です。特に理科や社会では長いリード文を読む必要があるため、集中が途切れにくい環境が得点に影響します。テレビやスマートフォンの音が聞こえる環境での学習は、この学校の問題形式との相性がよくありません。
声かけについては、結果よりもプロセスを認める言葉を意識してください。「何点だった?」よりも「どんな問題が面白かった?」「どこで詰まった?」という問いかけのほうが、お子さんの思考を言語化する練習になります。これは記述問題の対策にも直結します。
過去問演習を家庭でどう活用するか
過去問演習は、「本番の形式に慣れる」ことと「自分の弱点を把握する」ことの2つを目的として活用してください。
演習の際は、本番と同じ時間設定で取り組むことが基本です。ただし、終了後の「振り返り」に最も時間をかけてください。正解した問題よりも、間違えた問題・解けなかった問題について、「なぜ解けなかったのか」を言語化させることが重要です。計算ミスなのか、問題文の読み違いなのか、そもそも知識が不足していたのか——原因によって対策が異なります。
保護者の皆さまが過去問の採点をされる際は、点数だけを伝えるのではなく、「この問題はどう考えた?」と一緒に解き方を確認する時間を設けてください。特に算数の記述を要する問題や、社会の記述問題は、答えの正誤だけでなく「どういう根拠でその答えを出したか」を確認することで、思考の癖や弱点が見えてきます。
また、理科・社会の長文リード文については、「読み飛ばさずに情報を拾う練習」として活用できます。問題を解く前にリード文だけを読み、「どんな情報が書かれていたか」を口頭で説明させる練習も有効です。
子どもとの距離感:過干渉と放任の中間点
受験期の保護者として最も難しいのが、「どこまで関与するか」という距離感の問題です。
広尾学園の入試で求められる力——情報を読み解く力、自分で考える力、論理的に表現する力——は、すべて「自分でやり遂げる経験」を通じて育まれます。保護者が先回りして答えを教えたり、スケジュールを細かく管理しすぎたりすると、かえってこれらの力の発達を妨げることがあります。
一方で、完全に放任するのも適切ではありません。特に過去問演習の振り返りや、苦手分野の把握については、保護者が「一緒に確認する」姿勢を持つことが助けになります。
目安としては、「学習の内容には深く立ち入らず、学習の環境と習慣を整えることに集中する」というスタンスが適切です。何時間勉強したかよりも、どんな質の学習ができたかを重視してください。
お子さんが「わからない」と言ったとき、すぐに解決策を提示するのではなく、「どこまでわかった?」と問い返す一言が、自立した思考者を育てる第一歩になります。入試本番で問題文を前にして自力で考え抜く力は、こうした日常の積み重ねから生まれます。
来年度入試の予想
🎯 要点: 2026年度入試の出題構造を踏まえると、2027年度も算数・理科・社会の各教科で「思考プロセスの可視化」を求める形式が継続すると予想される。 単純な知識の暗記だけでなく、条件を整理して論理的に答えを導く力が引き続き問われる。 あくまで予想であり、実際の出題と異なる可能性があります。幅広い対策を怠らないことが最重要です。
算数
2026年度の算数は大問5題構成で、計算・数の性質・場合の数・図形・速さと規則性を組み合わせた文章題と幅広い分野をカバーしていました。特に目立つのは、単純な公式適用では解けない「条件設定型」の問題が複数の大問にわたって登場している点です。
来年度も同様の構成が続くと予想されます。具体的には以下の点に注意が必要です。
- 数の性質・整数問題:余りの条件を組み合わせて特定の整数を求める問題は、広尾学園が重視する「論理的思考力」を測るうえで定番化しつつあります。倍数・余りの組み合わせを系統的に整理する練習を積んでおきましょう。
- 場合の数・規則性:カード並べや番号付け問題のように、「何番目か」を逆算する形式は引き続き出題が予想されます。樹形図や表を使って丁寧に整理する習慣が不可欠です。
- 平面・立体図形:回転体の体積や複合図形の面積など、複数の手順を踏む図形問題が高い比重を占めています。基本公式の確実な習得に加え、補助線の引き方や分割の発想を鍛えておく必要があります。
- 文章題(速さ・割合):条件が複数段階にわたる問題形式は今後も継続が見込まれます。途中式を丁寧に書く練習が得点につながります。
理科
2026年度の理科は4大問構成で、光の屈折・物質の状態変化・生物の発生・気象(ひょう・雷)という幅広いテーマが取り上げられました。各大問とも、長めのリード文を読み込んだうえで設問に答える「読解型」の出題形式が特徴的です。
来年度の予想ポイントは以下のとおりです。
- 物理・化学分野の計算問題:焦点距離の計算や沸点・凝固点に関する数値計算のように、理科的な概念と算数的な処理を組み合わせる問題が定着しています。単位の扱いや比例関係の理解を深めておきましょう。
- 生物分野の読解・推論:実験データや図から法則を読み取り、「なぜそうなるか」を説明する記述問題が出題されています。図や表の情報を正確に言語化する練習が有効です。
- 地学・気象分野:身近な自然現象(天気・気圧・温度変化)を科学的に説明する問題は、時事的な話題とも結びつきやすく、今後も出題が予想されます。教科書の基本事項を押さえたうえで、日常のニュースにもアンテナを張っておくと有利です。
- 記述・選択の混在形式:選択肢問題と自由記述が混在するスタイルは変わらないと見られます。選択肢を消去法で絞り込む練習と、簡潔な文章で理由を述べる練習を並行して行いましょう。
社会
2026年度の社会は地理・歴史・公民の3分野が有機的に絡み合う構成で、史料読解・統計グラフの読み取り・論述問題が組み合わされていました。特に歴史分野では複数の時代の史料を並べて時系列を問う形式が採用されており、単なる年号暗記では対応できない設計になっています。
来年度も以下の傾向が続くと予想されます。
- 地理:統計・データ読み取り:産業別就業者割合や輸出入品目の表から都道府県・港を特定する問題は、今後も定番として出題が見込まれます。白地図と統計資料を組み合わせた学習が効果的です。
- 歴史:史料読解と時代整序:複数の史料を時代順に並べる問題は広尾学園の歴史出題の核心です。各時代の制度・文化・人物を「流れ」として理解することが求められます。
- 公民:時事・論述:SNSや人工知能(AI)など最新の社会問題をテーマにした論述問題が2026年度に登場しており、来年度も時事的な公民テーマが出題される可能性が高いです。新聞やニュースで社会の動きを把握し、自分の言葉で説明できるよう準備しましょう。
最後に
上記の予想はあくまで2026年度入試の傾向を集計的に分析したものであり、実際の出題内容・形式・難易度と異なる可能性があります。広尾学園の入試は毎年新しい切り口の問題を取り入れる傾向があるため、特定の単元に絞った対策だけでは対応しきれないリスクがあります。予想に頼りすぎず、各教科の基礎を確実に固めたうえで、初見の問題にも論理的に取り組める応用力を幅広く養うことが合格への確実な道筋です。
よくある質問
- Q1. 広尾学園中学校(中①)の算数・理科・社会の試験時間と大問構成はどうなっていますか?
- 算数は大問5題構成で、計算・数の性質・場合の数・図形・速さと規則性など幅広い分野が出題されます。理科は大問4題構成で、物理・化学・生物・地学の各分野から出題されます。社会は大問4題構成で、地理・歴史・公民がバランスよく出題されます。各教科とも、単純な知識問題だけでなく、思考力や記述力を問う問題が含まれています。
- Q2. 算数ではどのような分野が頻出ですか?対策の優先順位を教えてください。
- 計算技能(分数・小数の混合計算)、数の性質(余りに関する整数問題)、場合の数・組み合わせ、平面図形・立体図形(回転体の体積・面積)、速さ・旅人算が頻出分野です。特に図形分野は、回転体の体積や複合図形の面積など、複数の知識を組み合わせる応用問題が毎年出題されます。また、数列・規則性・整数の性質を扱う大問も定番で、論理的に条件を整理する力が求められます。計算力の土台を固めたうえで、図形と数の性質の応用問題に重点的に取り組んでください。
- Q3. 理科はどのような出題傾向がありますか?記述問題はありますか?
- 物理(光の屈折・レンズ)、化学(物質の状態変化・沸点・凝固点)、生物(昆虫の発生・遺伝子とタンパク質)、地学・気象(ひょうや雷の仕組み)の4分野から各1題ずつ出題される構成が基本です。単純な用語の暗記だけでなく、文章や図・グラフを読み取って考察する問題が多く、記述形式の解答も複数含まれます。計算問題も出題されるため、比例・割合・単位換算の計算力も必要です。教科書の基本事項を正確に理解したうえで、実験・観察の結果を言葉で説明する練習を積んでください。
- Q4. 社会の歴史分野では、どのような形式で出題されますか?
- 史料(原文・現代語訳)を読んで時代や制度を判断する問題が頻出です。複数の史料を時代順に並べ替える問題や、史料中の空欄に地名・人名・数字を補充する問題も出題されます。古代の土地制度から近現代の条約まで、幅広い時代が対象となります。単に年号や人名を暗記するだけでなく、各時代の制度・政策の内容とその背景を理解しておくことが重要です。史料読解に慣れるため、教科書の資料集や史料集を活用した学習を早めに始めてください。
- Q5. 社会の公民分野では、どのような内容が問われますか?
- 情報社会・メディアリテラシー・人権・財政・選挙制度など、現代社会の仕組みに関する問題が出題されます。2026年度入試では、AIに関する法律や非正規雇用の割合など、時事的な内容も取り上げられています。また、記述形式で「なぜそうなるか」「どのような問題が生じるか」を説明させる問題も出題されます。教科書の基本知識に加えて、ニュースや時事問題にも日頃から関心を持ち、自分の言葉で説明できる力を養ってください。
- Q6. 過去問演習はいつ頃から、どのように取り組むのが効果的ですか?
- 基礎的な単元の学習がひと通り終わる小学6年生の夏以降から取り組むのが効果的です。最初は時間を気にせず問題の形式や難易度を把握し、秋以降は本番と同じ時間配分で解く練習を繰り返してください。算数は図形と数の性質の応用問題、理科は記述・計算問題、社会は史料読解と記述問題に特に時間がかかるため、どの分野に時間を要するかを自分で把握することが重要です。解き直しの際は、答えの正誤だけでなく「なぜその考え方をするのか」を言語化する習慣をつけると、記述問題の得点力が上がります。