市川中学校の入試傾向
🎯 要点: 市川中学校の入試は4教科すべてで「読み取る力」と「考えて表現する力」を重視する出題が特徴です。 算数50分・国語50分・理科40分・社会40分という時間配分で、いずれも記述や思考力を試す設問が組み込まれています。 知識の暗記だけでは太刀打ちできず、日頃から「なぜそうなるのか」を言葉で説明する練習を積んだ受験生が有利になります。
4教科共通の出題スタイル
市川中学校(千葉県)の2026年度第1回入試は、1月20日に実施されました。試験時間と配点は次の通りです。
| 教科 | 試験時間 | 配点 |
|---|---|---|
| 国語 | 50分 | 100点 |
| 算数 | 50分 | 100点 |
| 理科 | 40分 | 100点 |
| 社会 | 40分 | 100点 |
合計400点満点の入試ですが、まず注目してほしいのは、4教科とも「記述問題」が必ず含まれているという点です。ここが市川中の入試の最大の特徴と言ってもよいでしょう。選択肢から答えを選ぶ問題だけでなく、自分の言葉で説明する力が、合否を分ける重要なポイントになります。
「長い文章・長いリード文」が当たり前
市川中の問題を実際に開いてみると、どの教科も「読ませる量」が多いことに気づきます。
国語では、2026年度は竹端寛さんの『能力主義をケアでほぐす』と、伊吹有喜さんの『雲を紡ぐ』という2つの長文が出題されました。さらに、その2つの文章を読んだ生徒たちの発言が適切かどうかを判定する設問もあり、「複数の文章を関連づけて読む力」が求められています。
社会では、教育の歴史、歴代内閣、鹿嶋市のまちづくり、ジェンダーをめぐる文章など、各大問にしっかりとしたリード文がついています。理科でも、ドローンのホバリング、川遊びの場面、メダカの品種改良、宮古島の地下ダムなど、日常生活や時事的な話題と結びつけた長めの設定文から始まる構成です。
つまり、市川中の入試では「問題文を素早く正確に読み取り、必要な条件を整理する力」が、すべての教科に共通して必要なのです。読むのが遅い受験生は、それだけで時間が足りなくなってしまいます。
「考えさせる」記述問題の比重が大きい
各教科で出題される記述問題には、はっきりとした共通点があります。それは、「資料・本文・図表から読み取った情報を、自分の言葉で再構成して説明する」というタイプの設問が多いことです。
- 国語では、本文全体をふまえて100字以上120字以内で説明する大型の記述が出題されています。
- 社会では、江戸時代と明治時代の教育のあり方の違いを身分制改革にふれて説明する問題や、旧民法と日本国憲法の違いを2つあげて説明する問題など、複数の情報を比較・対照させる記述が目立ちます。
- 理科では、「濃縮の利点を簡単に説明しなさい」「ペットボトルのまわりがぬれていた理由」「ハイブリッド魚に持たせるべき形質」など、身近な現象や生態系の話題を科学的に説明させる問題が出されました。
- 算数では、会話文の空欄を埋めながら考え方を追っていく大問や、定規だけを用いた作図問題など、「答えを出すまでの過程」を問う出題が見られます。
このように、知識を「持っている」だけでは点になりません。知識を「使って説明できる」状態まで仕上げる必要があります。
難易度と求められるレベル
全体としての難易度は、首都圏の中堅〜上位校の中でも、思考力重視という意味で骨のある部類に入ります。算数では、図形の重ね合わせ・濃度・速さ・規則性・整数の操作など、典型題に加えて条件を整理して場合分けする力が問われます。理科・社会も、単純な一問一答ではなく、グラフや表、地図、断面図などを読み取って答える問題が多く含まれています。
厳しい言い方になりますが、過去問演習をしないまま当日を迎えると、まず時間が足りません。逆に言えば、「長文を読み慣れている」「記述に抵抗がない」「資料の読み取りが得意」という3点を意識して準備を進めれば、必ず手応えのある得点に近づけます。次の section からは、教科ごとの具体的な傾向と対策を一緒に見ていきましょう。
2026年度の教科別出題傾向
🎯 要点: 市川中学校2026年度入試は4教科とも「読み解く力」と「思考のプロセスを言葉にする力」が問われました。 国語・社会では100字前後の長い記述、算数・理科では条件整理と仕組みの理解を問う問題が中心です。 単なる暗記ではなく、与えられた資料や状況を自分の頭で再構成できるかが合否を分けるポイントです。
市川中学校の入試問題は、各教科とも「設問数は決して多くないけれど、一問一問で考えさせる量が多い」というのが特徴です。ここでは2026年度の第1回入試をもとに、4教科それぞれの傾向を見ていきましょう。皆さんが過去問演習に取り組むときの道しるべにしてください。
国語:論説文+小説+融合問題+漢字の4本柱
試験時間50分・100点満点で、大問は4つの構成でした。
- 大問一:論説文(竹端寛『能力主義をケアでほぐす』)
- 大問二:小説(伊吹有喜『雲を紡ぐ』)
- 大問三:2つの文章を読んだ生徒の発言の正誤判定(〇×形式・5問)
- 大問四:漢字の書き取り(7問)
注目してほしいのは大問三です。論説文と小説という別ジャンルの2つの文章を「横断的に読み比べる」設問が用意されており、これは市川中らしい出題と言えます。両方の文章のテーマ(脆弱性・ケアの倫理・家族の対話)をつなげて考えさせる、思考力重視の作りです。
記述問題の比重も大きく、論説文では「40字以内」「100字以上120字以内」、小説では「100字以内」の記述が出題されました。特に120字記述は、本文全体をふまえて「正義の倫理」と「ケアの倫理」の対比を整理する必要があり、選択肢を消去法で選ぶ力だけでは太刀打ちできません。日頃から「自分の言葉で本文を要約する」訓練を積んでおきましょう。
漢字は「異同」「果報」「演奏」「給付」「物種」「衛生」「円熟」と、ことわざ由来の語句や時事的な熟語まで含まれています。表面的なドリル暗記ではなく、語彙の意味まで押さえる姿勢が求められます。
算数:50分100点・大問5題で「思考の道筋」を見る
算数は大問5題構成で、内訳は以下の通りです。
- 大問1:小問集合(5問)……一次方程式・食塩水・平均・図形の規則性・立体切断
- 大問2:流水算(3問)……船の往復、エンジン故障の応用
- 大問3:会話形式の場合の数(穴埋め8か所)……正三角形を並べた経路問題
- 大問4:作図(2問)……定規のみを使った長方形・円の中心の作図
- 大問5:整数の操作問題(3問)……桁ごとに累乗して足し合わせる規則
特徴的なのは、大問3の「会話文穴埋め型」と大問4の「作図問題」です。大問3では、生徒XとYの対話を追いながら「正三角形が4個のときは何通り?」「5個以上は場合分けして…」と段階的に考えさせる作りで、解法のプロセスをそのまま再現させる出題です。最後に「10個つながったとき何通り?」と一般化を問うので、途中の場合分けを正確に押さえられたかが勝負になります。
大問4の作図問題も市川中の名物と言ってよく、しかも「定規の使用回数は6回まで」という制限付きです。コンパスを使わずに長方形や円の中心を作図させるという、図形の性質を本質的に理解していないと手が出ない難問です。
大問5の整数操作問題は、「2026以上の数に対して操作を行い、3回で1になる数のうち2番目と4番目に小さいもの」を問うなど、規則を理解したうえで地道に書き出し、効率よく絞り込む力が必要です。答えは「2031」「2102」と、4桁の比較的大きな数になりました。
全体として、計算量よりも「問題文を正確に読み、条件を整理し、規則を発見する力」が問われています。
理科:40分100点・大問4題で「身近な現象を科学で説明」
理科は大問4題構成で、各分野からバランスよく出題されました。
- 大問1:物理(ドローンのホバリングと力のつり合い、6問)
- 大問2:化学+日常生活(濃縮還元ジュース・気化熱、7問)
- 大問3:生物(メダカの品種改良・食物連鎖・遺伝子組換え、7問)
- 大問4:地学(沖縄・宮古島の琉球石灰岩と地下ダム、6問)
市川中の理科の最大の特徴は、「教科書で習う基本知識」を「初めて見る題材」に当てはめて考えさせる点です。大問1のドローンは、4枚のプロペラの回転数を変えて移動させる仕組みを、力のつり合いや重心の位置を使って分析させます。表から数値を読み取り、押し出された空気が台ばかりに与える影響まで考える必要があり、データ処理力が問われます。
大問2では、川で缶ジュースを冷やすときに「半分水につけた缶が最もよく冷える理由」を記述させました。答えのポイントは「川の水で冷やされるだけでなく、缶についた水滴が蒸発するときに熱をうばう」こと。日常生活の何気ない現象を、気化熱という科学の言葉で説明する力が試されています。
大問3では、シャチがラッコを食べるようになった海域で、ラッコ・ウニ・ジャイアントケルプの個体数がどう変わるかを「+/−/△」で答えさせる問題が出ました。食物連鎖の知識を、具体的な事例に応用できるかが問われます。
大問4は宮古島の地下ダムをテーマに、断層の方向・地下水の流れ・最適なダム位置の作図まで踏み込む、総合的な地学問題でした。
社会:40分100点・大問4題で「歴史×地理×公民」の総合力
社会も大問4題構成で、テーマで分野を横断する設計が特徴的です。
- 大問1:教育の歴史(律令時代〜明治、8問)
- 大問2:明治〜昭和の歴代内閣(6つの内閣の並び替え含む、8問)
- 大問3:鹿嶋市のまちづくり(気候・農業・工業・人口、7問)
- 大問4:ジェンダーと家族(公民・憲法、5問)
歴史分野では、「江戸時代と明治時代の教育の違いを、身分制改革にふれて説明する」「1940年に石油の輸入状況がどう変化したか、理由とともに50字以内で説明する」など、複数の知識を組み合わせて文章化させる記述が中心です。年号の暗記だけでなく、「なぜそうなったか」を因果関係で説明する練習が必須です。
地理では、鹿嶋市と諏訪市・隠岐の島町の雨温図比較、冬春トマトと夏秋ピーマンの収穫量上位県の判別、鹿島港と東京港の貨物取扱量の比較など、統計資料を読み解く問題が頻出します。鹿島港と東京港の問題では、「指定語句(原材料・消費地)を用いて」港の性格の違いを説明する記述があり、語句の使い方まで指定される丁寧な誘導も特徴です。
大問4の公民では、旧民法と日本国憲法第24条を比較し、家族のあり方の違いを2つ説明する記述が出題されました。資料を正確に読み取り、「家長の同意が必要だった点」「妻が夫に従うとされていた点」を、現行憲法の「両性の合意」「個人の尊厳」と対比して書く必要があります。
4教科の比較まとめ
| 教科 | 配点 | 試験時間 | 出題傾向の特徴 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 100点 | 50分 | 論説文+小説+融合問題+漢字。120字記述など長文記述あり |
| 算数 | 100点 | 50分 | 大問5題。作図・会話形式の場合の数・整数操作など思考力重視 |
| 理科 | 100点 | 40分 | 大問4題。ドローン・地下ダムなど身近な題材で原理を問う |
| 社会 | 100点 | 40分 | 大問4題。統計・資料読解と記述説明。歴史×公民の横断あり |
4教科に共通するのは、「ただ知っているか」ではなく「知っていることを使って、目の前の資料や状況を説明できるか」という姿勢です。過去問演習では、答え合わせをして〇×をつけるだけでなく、「なぜこの答えになるのか」を自分の言葉で説明する練習を必ず加えてください。これが市川中合格への最短ルートです。
教科別対策のポイント
🎯 要点: 市川中の2026年度入試は、4教科とも「読解力・思考力・記述力」を総合的に問う構成になっています。 国語の長文記述、算数の作図や場合分け、理科の実験考察、社会の論述問題と、どの教科でも「自分の言葉で説明する力」が合否を分けます。 知識を覚えるだけの学習から一歩進んで、「なぜそうなるのか」を説明する訓練を、小5の後半から計画的に積み上げていきましょう。
ここからは、4教科それぞれについて、2026年度の出題内容を踏まえた具体的な対策をお伝えします。「何を、どれくらい、どうやって」やればよいのか、できるだけ具体的にイメージできるように書きますので、ぜひ日々の学習計画に落とし込んでみてください。
国語:120字記述に耐えられる「論理の筋道」を作る
2026年度の国語は、大問一が論説文(竹端寛『能力主義をケアでほぐす』)、大問二が物語文(伊吹有喜『雲を紡ぐ』)、大問三が2つの文章を踏まえた生徒発言の正誤判定、大問四が漢字書き取りという構成でした。配点は100点、試験時間は50分です。
特に注目してほしいのが、大問一の問五(100字以上120字以内)と大問二の問四(100字以内)という、長めの記述問題です。大問一の問五では「正義の倫理」にもふれながら本文全体をふまえて説明する、大問二の問四では登場人物の心情を本文の流れに沿って説明するなど、**「本文全体を見渡して、複数の要素を一つの答案にまとめる力」**が問われています。
重点的に取り組むべき内容
- 100〜120字の記述演習:一文ではなく、「前提 → 変化 → 結論」のように2〜3文構造で書けるようにしてください。
- 2つの文章を比較する力:大問三のように、複数の文章を読み比べて○×を判断する問題が出ています。日頃から「この筆者ならどう言うかな?」と頭の中で対話する習慣をつけましょう。
- 漢字の書き取り:大問四は7問出題されました。「異同」「果報」「演奏」「給付」「物種」「衛生」「円熟」のような、少し意味を考えないと書けない熟語が並んでいます。ただ書き取るのではなく、意味とセットで覚えてください。
推奨する学習方法
- 週に2題程度、100字以上の記述問題に挑戦し、必ず塾の先生や保護者に添削してもらうこと。自分では「書けた」と思っても、第三者が読んで意味が通るかどうかが重要です。
- 答案を書いたあとに、解答例と見比べて「自分の答案に足りなかった要素」をリストアップする習慣をつけてください。記述は「書きっぱなし」が一番もったいないです。
つまずきやすいポイント
記述問題で多いのが、「気持ち」だけ書いて「きっかけ」を書き落とすパターンです。たとえば大問二の問四は、解答例を見ると「これまで子育てに失敗したと自分を責めていたが」という過去の心情 → 「美緒の姿を見た広志の父からほめられ」というきっかけ → 「深い安堵と喜びを覚えている」という現在の心情、という三段構造になっています。この**「過去 → きっかけ → 現在」の型**を体に染み込ませてください。
算数:作図問題と「場合分け」への対応力を鍛える
2026年度の算数は、大問1が小問集合、大問2が流水算、大問3が会話形式の場合の数、大問4が定規のみを用いた作図、大問5が数の操作についての問題でした。試験時間50分・100点満点です。
特徴的なのは、大問4で「定規の使用回数は6回まで」という制限つきの作図が2問出題されたことと、大問3が会話文の空欄補充形式で、誘導に乗りながら一般化していく問題だったことです。市川の算数は、単なる計算力ではなく、「条件を整理して、論理的に手順を組み立てる力」を強く求めています。
重点的に取り組むべき単元
- 平面図形・立体図形の応用:大問1(4)では二等辺三角形と正方形を組み合わせた五角形を回転させながら貼り合わせる問題、大問1(5)では直方体を3点を通る平面で切断する問題が出ています。回転・対称・切断は最頻出と考えてください。
- 速さと流水算:大問2は、エンジン故障で流される時間を含む応用的な流水算でした。「流されている時間」と「進んでいる時間」を分けて図で整理する練習が必要です。
- 場合の数(場合分け・規則性):大問3のように、誘導に乗って「ある場合とある場合に分ける → それぞれを数える → 足し合わせる」という手順を踏む問題に慣れておきましょう。
- 整数の操作・数の性質:大問5は、各位の数を累乗して足す独自の操作問題でした。地道に書き出す力と、効率よく絞り込む力の両方が必要です。
推奨する演習量の目安
6年生の夏以降は、1日1題は思考力系の大問に取り組んでください。15〜20分かけてじっくり考え、解けなくても解説を読んで「次に似た問題が出たら解ける」状態にすることが大切です。
つまずきやすいポイントと克服法
作図問題は、塾のカリキュラムでもあまり扱われないので、戸惑う受験生が多いです。「コンパスは使えない/定規は直線を引くためだけ」というルールの下で、円の中心の見つけ方や、長方形の作り方といった基本作図のパターンをいくつか頭に入れておきましょう。直径を引くと中心が見つかる、円周角の性質から直角が作れる、といった発想がカギです。
理科:実験・観察を「説明する」記述に強くなる
2026年度の理科は、大問1がドローンの力のつり合い(物理)、大問2が果汁の濃縮や水滴・気化熱(化学・身近な現象)、大問3がメダカの品種改良と生態系(生物)、大問4が宮古島の地下ダム(地学)という構成でした。試験時間40分・100点満点です。
注目してほしいのは、短い記述で現象を説明させる問題が複数出題されていることです。たとえば大問2では「川で冷やされた缶が一番冷えた理由」を、缶についた水滴が**蒸発するときに熱をうばう(気化熱)**ことに触れて説明する必要があります。大問3では「遺伝子組換え技術でハイブリッド魚に持たせる形質」として、生殖能力をもたない形質という答えが求められました。
重点的に取り組むべき内容
- 力学(てこ・力のつり合い・重心):大問1ではドローンの重心とプロペラの支える力を計算させました。**重心からの距離と力の関係(モーメント)**を、てこの考え方として使いこなせるようにしてください。
- 状態変化と気化熱・凝結:大問2の(4)〜(6)では、水滴が蒸発するときに熱をうばう、水蒸気が冷やされて水になる、といった身近な現象の説明が連続して出ました。
- 生態系・食物連鎖:大問3では「ラッコ・ウニ・ジャイアントケルプ」のように、ある生物が減ったら他がどうなるかを「+/-/△」で答える問題が出ました。食物連鎖の図を書いて、矢印を追う訓練をしてください。
- 地層と地形の読み取り:大問4は、海水面の高度変化のグラフから島の隆起を読み取る、断層の向きから受けた力を推測する、といった資料読解型の問題でした。
推奨する学習方法
理科は「覚える教科」ではなく「説明する教科」だと意識を切り替えてください。普段の演習で記述問題が出てきたら、答えを書いたあとに声に出して説明し直すことをおすすめします。声に出して説明できれば、本番でも書けるようになります。
つまずきやすいポイント
ドローンや地下ダムのような**「初めて見る題材」**に慌てないことが大切です。問題文の中に必ずヒントとなる情報が書かれているので、問題文を線を引きながら丁寧に読み、表やグラフから数値を読み取る作業を怠らないでください。知識ゼロからでも、文章を読めば解ける問題が多いです。
社会:論述問題で「比較」と「変化」を語れるようにする
2026年度の社会は、大問1が教育の歴史、大問2が歴代内閣(明治〜昭和)、大問3が鹿嶋市のまちづくり(地理)、大問4がジェンダーと家族(公民)という4題構成でした。試験時間40分・100点満点です。
最大の特徴は、論述問題が複数出題されていることです。大問1の問8では江戸時代と明治時代の教育の違いを身分制改革にふれて説明、大問2の問8(2)では石油の輸入状況の変化を理由とともに50字以内で説明、大問3の問5では鹿島港と東京港の性格の違いを「原材料」「消費地」という指定語句を使って説明、大問4の問2では旧民法と日本国憲法の規定の違いを2点説明、というように、「比較」や「変化」を自分の言葉でまとめる力が徹底的に問われました。
重点的に取り組むべき内容
- 歴史の「制度の変化」:教育制度、選挙制度、税制度などが「いつ・どう変わったか」を、時代背景とセットで整理してください。
- 戦時下の経済と外交:大問2では、1940年の日本の輸入物資(軍需)と、翌年の日本の東南アジア進出 → アメリカの対日石油禁輸という流れを問う問題が出ました。因果関係をストーリーで語れるようにしてください。
- 地理は「資料の比較」:雨温図、漁獲量、農作物の収穫量上位県、港湾の輸出入比率など、複数の資料を比較して特徴を読み取る問題が頻出です。
- 公民は資料読解+論述:日本国憲法の条文や、過去の法律の条文を読み比べて違いを答える問題が出ています。条文を丁寧に読む練習をしてください。
推奨する学習方法
- 過去問演習では、論述問題を必ず時間を計って書くこと。社会の論述は「何字以内」「指定語句」「2点説明」など条件が細かく、これに慣れていないと本番で書ききれません。
- 日頃から「江戸時代と明治時代の違い」「鎌倉時代と室町時代の違い」のように、自分で比較表を作るノート学習をおすすめします。
つまずきやすいポイント
論述問題で多い失敗は、「知っていることをただ並べる」答案です。たとえば大問3の問5は、「鹿島港は…一方、東京港は…」という対比の型で書く必要があります。指定語句がある場合は、指定語句を必ず使い、対比構造を明示することを徹底してください。
過去問演習時の共通の注意点
最後に、4教科に共通する過去問演習のコツをまとめます。
- 時間配分を必ず守る:国算は50分、理社は40分です。本番と同じ時間で解く練習を、6年生の秋以降は週1回以上行ってください。
- 記述・論述は必ず添削してもらう:4教科すべてに記述問題があります。自己採点では甘くなりがちなので、第三者の目を入れてください。
- 解き直しノートを作る:間違えた問題を「なぜ間違えたか」「次にどうすれば解けるか」までセットでまとめてください。同じミスを繰り返さないことが、合格への一番の近道です。
- 「初見の題材」を恐れない:ドローンや地下ダム、ケアの倫理など、市川の問題は身近で新しい題材が多く出ます。問題文をじっくり読めば必ず解けるという心構えを持ってください。
市川中の入試は、知識量だけで決まる試験ではありません。「知識を組み合わせて考え、自分の言葉で説明する」という、これからの時代に求められる力を試す入試です。だからこそ、目先のテストの点数だけでなく、「説明する力」を伸ばす学習を続けてください。その積み重ねが、必ず本番で実を結びます。
合格に向けた学習計画
🎯 要点: 市川中の入試は国・算・社・理の4教科すべてで「思考力」と「記述力」が問われ、表面的な暗記では太刀打ちできません。 受験12ヶ月前から逆算し、基礎固め → 過去問演習 → 実戦演習の3段階で計画的に進めることが合格への近道です。 各時期で何にどれだけ時間を割くかを明確にし、特に算数の作図・記述系問題と国語の100字超記述に重点を置いてください。
2026年度の市川中の問題を見ると、ただ知識を覚えただけでは解けない問題がたくさん並んでいます。算数では定規だけを使った作図問題が出題され、国語では100字以上120字以内という長い記述が課されました。社会では「江戸時代と明治時代の教育のあり方の違い」を身分制改革にふれながら説明させる問題、理科ではドローンのプロペラの仕組みや地下ダムの設計といった、その場で考える力を試す問題が並んでいます。こうした問題に対応するには、計画的な学習が欠かせません。ここでは受験本番までの1年間を3つの時期に分けて、何にどれくらい時間を使うべきかを一緒に見ていきましょう。
早期(受験12ヶ月〜6ヶ月前):基礎固めと苦手単元の洗い出し
この時期は焦って過去問に手を出す必要はありません。まずは「土台づくり」に集中しましょう。
算数(週8〜10時間) 市川中の算数は、平面図形・立体図形・速さ・数の性質・場合の数が頻出です。2026年度も、直方体を平面で切ったときの体積、川の流れと船の速さ、正三角形をつなげた経路の数え方、整数の操作と規則性といった単元が出題されました。これらの土台となる、比・割合・図形の基本性質・規則性の発見を、4年生〜5年生の教材まで戻ってでも完璧にしてください。1日1時間半は算数に割きたいところです。
国語(週5〜7時間) 論説文と物語文の両方が出されます。2026年度は能力主義をテーマにした評論と、家族の対話を描いた小説でした。長文読解の基礎として、接続詞・指示語・段落構成を意識した読み方を身につけましょう。漢字も毎日10分、コツコツ続けてください。「異同」「果報」「演奏」「給付」「物種」「衛生」「円熟」のような、少し難しめの語彙が出題されています。
理科・社会(それぞれ週4〜5時間) 理科は物理・化学・生物・地学の4分野がまんべんなく出ます。社会は歴史・地理・公民から偏りなく出題されます。この時期は、教科書レベルの基礎知識を一通り頭に入れることが最優先です。特に社会は、グラフや表を読み取る問題が多いので、資料集に親しんでおきましょう。
この時期の目標:模試で偏差値が安定して取れるレベルまで基礎を引き上げること。苦手単元のリストを作り、「あとで戻る場所」を明確にしておきましょう。
中期(受験6ヶ月〜3ヶ月前):過去問演習の開始と弱点補強
夏休みが終わるあたりから、いよいよ過去問に取り組み始めます。
過去問の使い方 最初は時間を気にせず、じっくり解いてください。市川中の試験時間は、国語50分・算数50分・理科40分・社会40分です。最初から時間内に解き切ろうとせず、「どんな問題が出るのか」を体で覚える時期だと思ってください。
算数(週10〜12時間) 2026年度の算数では、直線定規のみを使って円の中心を作図させるという、見たことのない人には戸惑う問題が出ました。こうした「初見の問題でも自分で考える」力を鍛えるには、過去問を解いた後に「なぜこの解法を選んだのか」を言葉で説明する練習が効果的です。週に最低2回は過去問1年分を解き、解き直しに同じだけ時間をかけてください。
国語(週7〜8時間) 2026年度は問5で「100字以上120字以内」、物語文でも「100字以内」という記述が出ました。短い記述から段階的に、長い記述へとステップアップしていきましょう。最初は字数を気にせず要素を書き出し、その後で字数に収める練習をします。週に2題は記述問題を解き、必ず大人に添削してもらってください。
理科(週6〜7時間) 2026年度は、ドローンの仕組み、濃縮ジュースの計算、メダカの品種改良と食物連鎖、宮古島の地下ダムといった、長い問題文を読みこなす力が問われました。理科でも「読解力」が必要なのです。問題文の条件を線でつないで整理する習慣をつけましょう。
社会(週6〜7時間) 2026年度は「鹿島港と東京港の性格の違いを、原材料・消費地という指定語句を使って説明する」「日本のアメリカからの石油禁輸の経緯を50字以内で説明する」など、知識と思考を組み合わせた記述問題が複数出ました。一問一答だけでなく、「なぜそうなったのか」を自分の言葉で説明する練習を積みましょう。
この時期の目標:過去問5年分を最低2周し、合格者平均点に届く実力をつけること。
直前期(受験3ヶ月前〜本番):実戦演習・時間配分・体調管理
12月以降は、本番を想定した実戦演習に切り替えます。
時間配分の練習(毎週末に1セット) 本番と同じ時間割で4教科を解く模擬演習を、週に1回は必ず行ってください。算数50分の中で、作図問題に何分使うか、記述に何分残すかを事前に決めておきましょう。例えば算数なら、大問1の小問群に20分、大問2〜5にそれぞれ7〜8分、見直しに3分、というように。
算数(週12〜15時間) 2026年度の作図問題のように、定規の使用回数まで指定される独特な問題は、過去問で必ず一度は経験しておかないと本番で混乱します。市川中の過去5〜10年分を繰り返し解き、出題パターンに慣れてください。
国語(週8〜10時間) 記述の型を完成させる時期です。「理由を問う問題は『〜から。』で結ぶ」「心情説明は『きっかけ+心情』を入れる」など、自分なりの記述ルールを作っておきましょう。
理科・社会(それぞれ週6〜8時間) 時事問題や、グラフ・資料の読み取り問題に慣れておきます。2026年度の社会では、結婚と少子化に関する旧民法と日本国憲法の比較という、現代社会の動きと歴史を結びつけた問題が出ました。普段からニュースに目を通しておくと、こうした問題にも対応しやすくなります。
体調管理は学習の一部です 直前期は無理をして体調を崩すのが一番怖いことです。睡眠時間は7時間以上確保し、入試本番の起床時間(朝6時半頃)に合わせた生活リズムを1月から作っておきましょう。試験当日は1月20日の実施です。寒さ対策と、朝から頭が働くようにする生活習慣の準備を忘れずに。
計画を立てるうえでの優先順位
最後に大切なことをお伝えします。市川中の問題は「考える時間」を要求します。だからこそ、たくさんの問題集に手を出すよりも、1冊の問題集と過去問を繰り返し解き直すことの方が、ずっと効果的です。1問解いたら必ず解き直し、自分の言葉で解法を説明できるようになるまで戻ってください。これが、市川中の合格に最も近い道です。
塾講師から受験生へ
🎯 要点: 市川中学校は「最後まで考え抜く力」を試す学校です。 知識の暗記だけでは届かない、思考と記述の力が合否を分けます。 残された時間で何をすべきか、一緒に整理していきましょう。
こんにちは。これからお話しするのは、市川中学校を本気で目指すあなたへのメッセージです。少し長くなりますが、最後まで読んでみてください。
私は長年、難関校を目指す受験生を見てきましたが、市川中学校という学校は、はっきり言って「ごまかしがきかない」入試を作ってきます。2026年度の問題を見ても、その姿勢は変わっていません。たとえば国語では、竹端寛さんの『能力主義をケアでほぐす』という、大人でも読みごたえのある評論文が出題され、最後の問いでは「100字以上120字以内」で本文全体をふまえて記述する力が求められました。社会でも、江戸時代と明治時代の教育のあり方の違いを、身分制改革にふれながら自分の言葉で説明する問題が出ています。理科では、ドローンのホバリングの仕組みや、宮古島の地下ダムをどこに造ればよいかを図示する問題まで出題されました。算数の大問3では、会話文の中で「正三角形が10個つながったときの経路は何通りか」を、自分で場合分けの方針を立てて解いていく必要があります。
ここから何が見えてくるでしょうか。市川中学校が求めているのは、「覚えてきた知識をそのまま吐き出す力」ではありません。初めて見る場面で、自分の頭で考え、言葉や図で表現する力です。これは、ドリルを何周も解くだけでは身につきません。
だからこそ、私はあなたに少し厳しいことを言います。「なんとなく解けた」「答えが合っていたからOK」で済ませてはいけません。市川の問題は、途中の考え方そのものを問うてきます。算数の作図問題で「定規の使用回数は6回まで」と制限がついているのは、ただ正解を出すのではなく、手順を設計する力を見ているからです。理科の記述で「缶についた水滴が蒸発するときに熱をうばう」ことまで書かせるのは、現象の理由を最後の一歩まで詰めて考えているかを確かめたいからです。
ここで差がつきます。本当に、ここで差がつくのです。
でも、安心してください。これは才能の話ではありません。普段の勉強の仕方を変えれば、必ず伸びます。具体的には、次の二つを今日から意識してみてください。一つ目は、問題を解いたあとに「なぜその答えになるのか」を声に出して説明してみること。説明できなければ、本当はわかっていません。二つ目は、記述問題で書いた自分の答えを、必ず「字数」「要素」「つながり」の三つの目で見直すこと。市川の記述は、要素を並べるだけでは点が伸びません。要素どうしを論理でつなぐ必要があります。
入試までの道のりは、決して楽ではありません。何度も「またかよ!」と叫びたくなる日もあるでしょう。それでも、毎日の積み重ねは必ずあなたの力になります。私たち講師は、その積み重ねを一緒に見届けるためにいます。一人で抱え込まず、わからないことは遠慮なく聞いてください。
市川の問題は、あなたに「自分の頭で考える楽しさ」を教えてくれる問題です。その面白さに気づいたとき、あなたはもう、合格にぐっと近づいています。さあ、今日の一問から、また始めましょう。
保護者の皆さまへ ― 市川中学校2026年度入試をご家庭で支えるために
🎯 要点: 市川中学校の2026年度入試は、長文記述・資料読解・思考力を総合的に問う設計で、付け焼き刃ではなく日々の積み重ねが結果を左右します。 ご家庭では学習量の管理よりも、お子さまが安心して机に向かえる環境と心の余白を整えることを最優先にしてください。 過去問は「点数」より「思考のプロセス」を見守る道具として活用していただくと、合格に向けた確かな手応えにつながります。
市川中学校の入試はどのような試験か
まず、保護者の皆さまにご理解いただきたいのは、市川中学校の入試が単なる知識量で勝負できる試験ではないという点です。2026年度第1回入試では、国語・算数がいずれも50分100点、社会・理科がいずれも40分100点という配点で実施されました。
各教科を見ますと、たとえば国語では竹端寛『能力主義をケアでほぐす』と伊吹有喜『雲を紡ぐ』という性質の異なる二つの長文を読み込んだうえで、100字以上120字以内の記述や、二つの文章を関連づけて○×を判断する設問まで出されています。社会では、明治期の旧民法と日本国憲法第24条を比較して相違点を二つ説明させる問題や、鹿島港と東京港の性格の違いを「原材料」「消費地」という指定語句を使ってまとめさせる問題が出題されました。理科ではドローンのホバリングの仕組み、宮古島の地下ダム建設の条件など、初見の題材を読み解きながら考える設計です。算数も、定規だけを用いた作図問題や、整数の桁ごとに累乗を加える操作問題など、手を動かして試行錯誤する力が問われています。
つまり、市川中の問題は「知っているかどうか」よりも、「目の前の情報を自分の頭で整理して、自分の言葉で表現できるかどうか」を重視しているのです。
家庭でのサポート ― 学習環境・声かけ・メンタル面
このタイプの入試に向き合うお子さまにとって、ご家庭が果たす最大の役割は、「考えるための余白」をつくって差し上げることです。
第一に、学習環境について。記述や読解の練習には、まとまった集中時間が欠かせません。テレビの音、スマートフォンの通知、生活音が断続的に入る場所では、長文一題に腰を据えて取り組むことが難しくなります。完璧な書斎は必要ありません。ただ、お子さまが「ここに座れば集中するモードに入れる」と感じられる定位置を、リビングの一角でも構いませんので確保していただきたいのです。
第二に、声かけについて。直前期になりますと、つい「今日は何問解いたの」「何点だった」と聞きたくなるものです。ですが、市川中の問題は1問解くのに時間がかかる設計ですから、量で測ると親子ともに苦しくなります。むしろ「今日はどんな文章を読んだの」「面白かった問題はあった」と、内容そのものに関心を向ける声かけをおすすめします。
第三に、メンタル面について。国語で出題された『能力主義をケアでほぐす』の本文には、「努力すれば報われる」という考えの前提は実は人によって千差万別である、という主張が書かれていました。これは入試本番に向かうお子さまにも当てはまる視点です。同じ机で同じ時間勉強しても、その日の体調や心の状態によって成果は変わります。「今日はうまくいかなかった日」を責めず、明日に切り替えられるよう、静かに見守っていただくことが何よりの支えになります。
お子さまとの距離感 ― 過干渉でも放任でもなく
小学校6年生は、自立心が芽生える一方で、まだまだ支えを必要とする時期です。「自分でやりなさい」と突き放しすぎても不安が募り、逆に手を出しすぎますと「自分で考える力」が育ちにくくなります。
おすすめしたいのは、「学習の中身には立ち入らないが、生活リズムは一緒に管理する」という距離感です。具体的には、起床・食事・就寝の時間は親が責任を持って整えてさしあげる。一方で、その日にどの教科のどの問題を解くかは、お子さま自身に決めさせる。この役割分担が、本人の主体性を損なわずに支える形だと考えます。
また、模試や過去問の結果について、すぐに評価を口にするのは避けたいところです。点数が良くても悪くても、まずは「お疲れさま」とねぎらう。分析や反省は、お子さまが落ち着いた翌日以降に、本人と一緒に行う。この順序を守るだけで、家庭の空気はずいぶん穏やかになります。
過去問演習を家庭でどう活かすか
過去問は、合否を占う道具ではなく、お子さまの「思考の癖」を映す鏡としてお使いください。
市川中の記述問題、たとえば社会の旧民法と日本国憲法の比較や、理科の缶ジュースが冷える理由の説明などは、答え合わせをしただけでは力が伸びません。大切なのは、「なぜその答えになるのか」「自分の書いた文章は何が足りなかったのか」を、お子さま自身が言葉にできるかどうかです。
ご家庭では、丸つけの後に一つだけ、「この問題、どう考えたか教えてくれる」と尋ねてみてください。お子さまが説明に詰まる箇所こそ、本当の弱点です。保護者の方が解説する必要はありません。説明させること自体が、何よりの復習になります。
また、時間配分の練習も家庭でこそ可能です。本番と同じ50分や40分を計り、途中で席を立たない環境を整えていただくだけで、本番への耐性は確実に育ちます。
最後に。受験は確かに大きな山ですが、ご家族で乗り越えた経験そのものが、お子さまの一生の財産になります。結果を信じて、どうか温かく送り出してさしあげてください。
2027年度入試の予想
🎯 要点: 2026年度の出題から、市川中は「読解力 × 思考力 × 表現力」を一貫して問う方向にあります。 2027年度も、長い記述や複数資料の読み取り、作図など、手を動かす問題が続くと予想されます。 ただし予想はあくまで参考であり、過去問の全範囲を幅広く対策することが合格への近道です。
全体の方向性
2026年度の入試は、国語の120字記述、社会の50字説明、算数の作図、理科の自由記述など、4教科すべてで「自分の言葉で書く力」「図や条件を読み解く力」が問われました。2027年度も、この方向性が大きく変わることは考えにくく、むしろ強化されると見るのが自然です。単なる暗記や公式の当てはめでは対応できない問題が中心になると予想しておきましょう。
教科別の予想
国語 2026年度は論説文(竹端寛『能力主義をケアでほぐす』)と小説(伊吹有喜『雲を紡ぐ』)の2題に加え、両文章を踏まえて生徒の発言の○×を判定する「総合問題」、そして漢字の書き取りが出ました。2027年度も「論説+小説+融合問題+漢字」という構成が続く可能性が高いと考えられます。特に注目したいのは、2つの文章を関連づけて考えさせる融合問題と、100〜120字クラスの長い記述です。家族・教育・社会といったテーマは引き続き出題されやすいので、新書や中高生向けエッセイにも触れておきたいところです。
算数 2026年度は小問集合、速さ(流水算+エンジン故障という条件変化)、数え上げの会話文形式、作図、整数の操作という構成でした。2027年度も、図形・速さ・数の性質という3本柱は変わらないでしょう。特に「作図問題」と「会話文の中で考え方を追っていく問題」は市川らしい出題で、今後も継続が予想されます。単に答えを出すだけでなく、「なぜそうなるか」を説明できる力を鍛えておくと安心です。
理科 2026年度はドローン(力学)、缶ジュースと水滴(状態変化・水溶液)、メダカと食物連鎖(生物・生態系)、宮古島の地下ダム(地学)と、4分野からバランスよく出題されました。身近な題材や時事的なテーマ(万博・遺伝子組換え・環境)を入り口にして、長文の説明文を読み解かせる形式は2027年度も続くと見られます。「なぜそうなるか」を一文で書かせる記述(例:水滴が蒸発するときに熱を奪うなど)への準備は必須です。
社会 2026年度は教育の歴史、歴代内閣、鹿嶋市の地誌、ジェンダーと法律という4題構成。グラフ・表・地図・資料文を組み合わせた読み取り問題が目立ち、50字前後の説明記述も複数出題されました。2027年度も、時事や社会課題(人口・環境・多様性など)を切り口に、複数資料を比較させる形式は継続が予想されます。憲法条文と過去の法律を比較するような出題にも備えておきたいですね。
大切な注意
ここまで述べた予想は、あくまで2026年度の出題傾向から導いた「可能性の話」です。実際の2027年度入試では、新しい単元や新しい形式が突然登場することも十分にあり得ます。「予想された分野だけ対策する」という勉強の仕方は、入試本番でいちばん危険です。
ですから、最後にもう一度伝えます。予想に頼りすぎないこと。算数なら全単元、理科・社会なら4分野すべて、国語なら論説・小説・随筆のいずれにも触れておく。その「幅広さ」こそが、市川中学校の入試で合格を勝ち取るための最大の武器になります。過去問は最低でも5年分、できれば10年分を解き、「初めて見る問題でも落ち着いて手を動かす経験」を積み重ねていきましょう。