早稲田実業学校中等部 2026年度 入試傾向と対策|完全解説

早稲田実業学校中等部の2026年度入試傾向と対策を、塾講師が徹底解説します。 早稲田実業学校中等部 2026年度入試の算数・理科・社会の出題傾向を、塾講師が徹底解説。

早稲田実業学校中等部の入試傾向

🎯 要点: 早稲田実業学校中等部の2026年度入試は、4教科すべてで「知識の暗記」だけでは太刀打ちできない、思考力重視の出題が並びました。 国語の長文2題、算数の図形・規則性、理科の時事と実験考察、社会の資料読解と、どの教科にも「自分の言葉で説明する力」が求められています。 基礎を固めたうえで、過去問演習を通じて「条件を整理する力」「資料から考える力」を鍛えることが合格への近道です。

全体像:4教科とも「考えて書く」力が問われる

みなさん、こんにちは。まずは早稲田実業学校中等部の入試が、全体としてどんな雰囲気を持っているのかを一緒に確認していきましょう。

2026年度の入試は、国語60分、算数60分、社会30分、理科30分という時間配分で実施されました。注目してほしいのは、短い試験時間の社会・理科でも、記述問題や資料読み取りがしっかり組み込まれているということです。「30分だから簡単」とは決して言えません。むしろ、限られた時間の中で「情報を素早く整理し、自分の言葉でまとめる」という総合力が問われる、難易度の高い構成になっています。

特徴1:長文・資料を「読みこなす」力が前提

どの教科にも共通しているのが、問題文そのものが長いという点です。

  • 国語では、小学生の女子の人間関係を描いた物語文と、食文化を論じた説明文という、テーマも文体も異なる2題が出題されました。
  • 社会では「鉄」という一つのテーマを軸に、地理(輸入相手国と大洋)・歴史(たたら製鉄から官営製鉄所まで)・公民(カーボンニュートラル、COP)が連続して問われる、いわゆるテーマ型の長文リード文形式です。
  • 理科でも、熱中症とエアコンの仕組み、シジュウカラの言語研究、線状降水帯と異常気象という、それぞれ500字を超える説明文を読んでから問題に進む形式が中心です。

つまり、「速く正確に読み取る訓練」をしてこなかった受験生は、設問にたどり着く前に時間切れになってしまうということ。ここは厳しく自覚しておいてほしいポイントです。

特徴2:「自分の言葉で書かせる」記述問題が多い

早稲田実業らしさが最もはっきり出ているのが、記述・短答の形で「説明させる」問題の多さです。

  • 国語の説明文では、「20字以内」「10字以内」といった字数制限つきの抜き出し・記述が複数出題され、本文の論旨を要約する力が試されました。
  • 社会では、「反射炉がこの時期に次々と作られた理由」「鉄鋼スラグや貝がらを活用した取り組みをブルーカーボンの観点から40〜60字で説明」など、背景や仕組みを文章で説明する問題が並びます。
  • 理科では、「あせが蒸発しにくくなる」ことを湿度と関連づけて35字以内で書かせる問題や、シジュウカラの仮説を確かめる実験設計と予想される結果を書かせる問題など、実験考察型の記述が出題されました。

知識を「覚えているか」ではなく、「理解して説明できるか」を測ろうとする姿勢が一貫しています。

特徴3:算数は「条件整理」と「場合分け」が勝負

算数は大問5題構成で、計算・小問集合から始まり、図形、規則性、速さ、比と割合などがバランスよく出題されました。特に2026年度は、

  • 旗を立てる本数と間隔の問題(過不足算と平面図形の融合)
  • ラジコンカーの追いつき・出会いを2種類のモーターの速さに分解して考える問題
  • 長方形を折って重ね、「奇数枚重なっている部分の面積」を求める問題

など、「設定を正しく読み取り、条件を場合分けして整理する」タイプの問題が目立ちました。単なる公式当てはめでは解けず、答えが複数になるケース(例:長さとして考えられるものをすべて答える)も含まれます。

特徴4:時事・社会的テーマへの関心

理科の線状降水帯やラニーニャ現象、社会のカーボンニュートラルやブルーカーボンなど、ニュースで話題になったテーマがそのまま題材として登場しています。日頃から「いま社会で何が問題になっているか」に関心を持ち、家族と話題にしている受験生ほど有利になる構成です。

まとめ:求められているのは「総合的な学力」

ここまで見てきたように、早稲田実業学校中等部の入試は、**「基礎学力 × 読解力 × 記述力 × 時事への関心」**という4つの力を組み合わせて出題されます。一夜漬けや暗記頼みでは届きません。逆に言えば、毎日の積み重ねを大切にしてきた受験生にこそチャンスがある入試だ、ということです。次の section からは、教科ごとの具体的な傾向と対策を詳しく見ていきましょう。

教科別対策のポイント

🎯 要点: 早稲田実業学校中等部の2026年度入試は、4教科すべてで「身近な題材を深く考えさせる」傾向が強く出ています。 国語は心情の機微、算数は条件整理と図形、理科は実験の設計思想、社会は資料読解と論述がカギです。 過去問は「解いて終わり」ではなく、「なぜその答えになるのか」を言語化する練習として使ってください。

早稲田実業学校中等部の入試は、国語60分、算数60分、理科30分、社会30分という時間配分です。算数と国語に比べて理社の時間が短いので、「短時間で正確に処理する力」が合否を分けます。ここからは、2026年度の出題内容を踏まえて、教科ごとに具体的な対策を伝えていきます。

国語:心情変化の追跡と、条件付き要約の訓練を

2026年度の国語は、大問三つの構成で、物語文・論説文・知識問題が出されました。物語文は小学4年生の女の子が主人公で、クラスのグループから仲間はずれにされながらも、上級生との出会いで少しずつ自分を取り戻していく話でした。論説文は「食」をテーマに、ファストフードとスローフード、シェ・パニースというレストランを例にして「風味」の意味を考えさせるものです。

まず物語文の対策ですが、選択肢問題が中心であるものの、ただ「気持ちを読み取る」だけでは正解できません。問3や問6のように「この時の主人公の様子」を5択から選ぶ問題では、「感心している」「決意している」など似た選択肢が並びます。区別するコツは、直前の場面で主人公が何を見たか・何を考えたかを本文に線を引きながら追うことです。「弱気になっても姿勢だけは正そうとしている」のような微妙にズレた選択肢が必ず混ざっているので、本文に書かれていない感情語が入っていないか確認してください。

論説文では、20字以内の抜き出しや、解答らんに合わせた言い換え説明が中心です。問1では「技術革新にともなう効率化と画一化」「食卓から豊かな風味が失われてしまう」といった、本文の核となる言葉をきちんと20字以内に収める力が問われました。普段の演習で**「字数を1〜2字オーバーしないように削る訓練」**を必ずしてください。「〜こと」「〜点」など解答末尾の指定にも要注意です。

知識問題は、漢字の読み書きに加えて、ことわざ・故事成語の穴埋めが出ます。2026年度では空所のひらがなを並べ替えて四字熟語を作るという凝った形式でした。市販の四字熟語・ことわざ集を一冊決めて、3周以上回しておくことをおすすめします。

つまずきやすいのは、論説文で比喩表現を抜き出す問題です。問3では「ファストフードの海に浮かぶ孤島」という比喩を15字で探させました。比喩を本文中から見つける際は、「〜のような」「〜とでもいうような」という比喩マーカーの周辺を重点的にチェックしてください。

算数:条件整理力と図形センスを両輪で鍛える

算数は大問5題、60分です。2026年度は、計算・小問集合、平面図形と旗の配置、3つの習い事の集合、ラジコンカーの速さと比、長方形を折る図形問題という構成でした。

まず大問1の小問集合では、計算1問、データの中央値、立体の体積、場合の数(0・1・2・2・3の5枚のカードから3桁を作る、答えは26通り)が出ました。1問あたり3分以内で確実に取り切る訓練が必要です。中央値の問題は、人数の合計が奇数か偶数かで真ん中の位置が変わる点が落とし穴になります。

大問2以降は、典型題の組み合わせですが、条件が複雑になります。たとえば旗の問題では、「4m間隔だと31本足りない」「5m間隔だと17本余る」という過不足から周の長さを求め、さらに②では内部に格子状に並べる別問題に発展しました。条件を図に書き直す習慣をつけてください。

ラジコンカーの問題(大問4)では、モーターA・Bの種類と個数が変わると速さも変わるという設定で、追いつき算と出会い算を比で処理します。「答えだけ合えばよい」と思わず、速さの比を求める過程をきれいに書く練習をしてください。(2)のように「モーターAが2個、Bが9個」のような変則的な配分が来ても、AとBそれぞれ1個あたりの速さを文字で置けば解けます。

最後の大問5の図形は、長方形ABCD(AB=12cm、BC=18cm)を折り曲げて、紙が重なる枚数を考える問題です。(1)では「最も多く重なる部分の枚数」と「斜線で図示する」両方が問われ、(3)では「奇数枚重なる部分の面積が15cm²となるRSの長さ」をすべて求めさせる条件設定でした。解答が9.5cmと14.5cmの2つあるように、「考えられるものをすべて答えなさい」と書かれた問題は、必ず2通り以上の答えを疑ってください。これは早実算数の重要な特徴です。

過去問演習では、60分で5題を解く時間配分として、大問1に12分、大問2に13分、大問3〜4に各12分、大問5に11分が目安です。10月以降は週1回、本番と同じ時間で通し演習をしてください。

理科:実験デザインの「考え方」を言語化する

理科は30分で大問3題。2026年度は、エアコンと熱中症(WBGT)、シジュウカラの言語研究、線状降水帯と偏西風という3テーマでした。物理・化学・生物・地学の知識を、時事的な話題と結びつけて出してくる点が特徴です。

大問1は、エアコンの冷媒の流れと、暑さ指数WBGTの計算が中心でした。WBGTの計算式「0.2×黒球温度+0.1×乾球温度+0.7×湿球温度」を使って、3つの測定日のうちどれが最も危険かを判定し、小数第2位を四捨五入して答える問題です。式が与えられても四則演算でミスをしない正確さが必要です。また、湿度が高いと汗が蒸発しにくく体温を下げられない、という説明を35字以内で書かせる問題もありました。

大問2のシジュウカラ問題は、特に注目してほしい出題です。問4で「観察→仮説→実験」という科学の流れを本文中から漢字で答えさせています。さらに問2・問3では、「仮説を確かめるためにどんな実験を行えばよいか」を選択肢から選び、「どんな結果が得られれば仮説が支持されるか」を30〜35字で書かせます。これは知識ではなく実験設計の論理を問う問題です。対策としては、普段から「この実験は何を確かめるためにやっているのか」「対照実験は何か」を意識して教科書を読み直してください。

大問3の天気の問題では、線状降水帯・ラニーニャ現象・チベット高気圧・偏西風の蛇行といった、最新の気象用語が次々に登場します。15字以内で「チベット高気圧の方が高いから」と理由を答えるなど、短文記述が頻出です。新聞やニュースで天気の特集を見たときに、「なぜそうなるのか」を一文で説明する練習をしてください。

つまずきやすいのは、選択肢と記述の組み合わせ問題です。たとえば「正しい実験を記号で選び、その結果を文章で書く」形式は、選択肢を間違えると記述も連動して0点になります。先に選択肢の妥当性を全部検討してから書き始めてください。

社会:資料を読み解き、自分の言葉で説明する

社会は30分で大問3題。2026年度は「鉄」を共通テーマに、Iが鉄の製造と原料(鉄鉱石・石炭)、IIが鉄剣・鉄刀と反射炉、IIIがカーボンニュートラルとブルーカーボンという構成でした。地理・歴史・公民を一つのテーマで横断する出題形式に慣れておく必要があります。

地理分野では、輸入相手国の円グラフから「南半球に首都がある国の合計割合」を計算したり(答えは92%)、ブラジルから日本への輸送ルートで通る大洋を順番に答えさせたり(大西洋→インド洋→太平洋)します。**地図帳を「読む」だけでなく「使う」**訓練が必要です。首都の位置、海流、大洋の名前を、白地図に書き込みながら覚えてください。

歴史分野では、稲荷山古墳の鉄剣に刻まれた「ワカタケル大王」、ポルトガル人の鉄砲伝来、八幡製鉄所、肥前藩の人物(大隈重信・江藤新平)など、教科書レベルの基本知識が問われます。ただし「反射炉がこの時期に次々と作られた理由」のように、因果関係を1文で書く論述が混ざってきます。「外国船が日本近海に出没するようになり、防衛を強化する必要が生じたから」のような答え方を、用語集の重要事項一つひとつで自分なりに作っておいてください。

地形図の読み取りも要注意です。2026年度ではAB間の標高差を選ばせる問題、地図記号、針葉樹林と広葉樹林の区別など、細かい知識が問われました。地形図の練習問題集を一冊やり切ることをおすすめします。

公民分野は、COP(気候変動枠組条約締約国会議)、パリ協定、ブルーカーボンといった時事用語が中心です。さらに大問IIIでは、製鉄業者とホタテ養殖業者の会話文を読み、「ブルーカーボン」という指定語を必ず使って40〜60字で文章を作らせる、かなり高度な記述問題が出ました。指定語を使う条件付き論述は、字数感覚と要素整理の両方を鍛える必要があります。「キーワードを2〜3個入れて50字で書く」練習を、過去問やニュース記事を題材に繰り返してください。

社会で30分は本当に短いです。記述問題に時間を取られすぎないよう、選択肢・記号問題を先に処理してから論述に移る順序戦略を、過去問演習で必ず固めておいてください。

合格に向けた学習計画

🎯 要点: 早稲田実業学校中等部の入試は、国語60分・算数60分・理社各30分という配点・時間配分の中で、思考力と処理速度の両立が求められます。 2026年度入試では、算数の図形・場合の数、国語の長文記述、理社の融合型問題が頻出し、付け焼き刃の暗記では太刀打ちできません。 12ヶ月前からの段階的計画で、基礎→過去問→実戦演習へと積み上げていきましょう。

ここからは、受験本番から逆算した学習計画を、塾講師として皆さんに具体的にお伝えします。早稲実は4教科すべてで「考える力」を問うてくる学校です。だからこそ、ただ問題を解くだけでなく、「いつ・何を・どれくらいやるか」を意識した計画的な学習が合否を分けます。

早期(受験12〜6ヶ月前):基礎固めと苦手単元の洗い出し

この時期は「全教科の土台づくり」の期間です。1日の学習時間は平日3〜4時間、土日6〜8時間を目安に、以下の配分で進めましょう。

  • 算数:1日90分(週に10時間程度)
  • 国語:1日60分(週に7時間程度)
  • 理科:1日45分(週に5時間程度)
  • 社会:1日45分(週に5時間程度)

算数を最優先にする理由は、2026年度の出題を見ても明らかです。大問1の小問集合では、計算・統計(中央値)・立体図形・場合の数と幅広い単元が並び、大問2以降では正六角形を使った図形比、ラジコンカーを題材にしたつるかめ算的な速さの問題、長方形を折る作図問題と、典型題を「ひと工夫」した出題が続きます。土台がぐらつくと、この応用に対応できません。

具体的にやるべきことは次の3つです。

  1. 計算力の徹底:分数・小数を含む四則計算を毎日10問、ミスゼロを目指してこなしましょう。
  2. 頻出単元の総点検:図形(特に平面図形の面積比・立体図形の体積)、速さ、場合の数、割合と比は「捨てられない単元」です。市販の単元別問題集を1冊ずつ仕上げてください。
  3. 苦手ノートの作成:間違えた問題はノートに貼り、「なぜ間違えたか」を一行で書き残します。これが直前期の宝物になります。

国語については、早実の物語文・論説文はどちらも長文で、2026年度は記述問題が大問二で複数出題されました。「20字以内で説明しなさい」「抜き出しなさい」といった字数制限のある記述に慣れる必要があります。この時期は読解問題集を週3〜4題、漢字・ことわざ・故事成語(2026年度の大問三でも問われました)を毎日コツコツ進めましょう。

理社は、知識の土台づくりに集中します。社会は地理・歴史・公民を一通り、理科は生物・地学・物理・化学の4分野をバランスよく。早実は2026年度の社会で「鉄」というテーマを軸に地理・歴史・時事を横断的に問い、理科では熱中症・シジュウカラの行動・線状降水帯と、時事性の高いテーマを科学的思考で解かせています。教科書レベルの知識に「身の回りのニュース」を結びつける習慣をつけてください。

中期(受験6〜3ヶ月前):過去問演習の開始と弱点補強

夏休みが明けた頃から、いよいよ過去問演習に入ります。学習時間は平日4〜5時間、土日8〜10時間に増やします。

過去問は「いきなり全教科をまとめて解く」のではなく、教科ごとに1年分ずつから始めましょう。最初の1〜2回は時間を計らず、じっくり考えながら解いてください。3回目以降は本番と同じ時間設定(国算60分、理社30分)で解きます。

各教科で意識してほしいポイントを整理します。

  • 算数(60分):大問5題構成で、小問集合+応用4題が定番です。2026年度は図形と場合の数、速さの応用が中心でした。**「大問1を15分以内で完答」「大問2〜5に各10〜12分」**という時間配分を体に染み込ませましょう。特に最後の大問は折り曲げ図形のような作業量の多い問題が出るため、捨て問の判断力も鍛える必要があります。
  • 国語(60分):物語文・論説文・知識問題の3題構成です。2026年度の物語文は小学4年生の女の子の心情変化を丁寧に追う必要がありました。**「物語文25分・論説文25分・知識10分」**を目安に。記述は「字数の8割以上を埋める」「設問の指示語に必ず答える」を徹底します。
  • 理科(30分):大問3題で、1題あたり10分しかありません。2026年度のような長文リード文型の問題では、全文を読まずに設問から逆算して必要部分だけ拾い読みする技術が必要です。
  • 社会(30分):地理・歴史・時事の融合型。記述問題(2026年度は反射炉が作られた理由、ブルーカーボンの説明など)が必ず出ます。**「即答できる選択肢→記述→じっくり考える問題」**の順に解きましょう。

過去問は最低でも5年分、できれば7年分を解きたいところです。1週間に1〜2年分のペースで進め、解き直しに同じ時間をかけてください。解いた直後に「できた・できない」を判定し、できなかった単元は基礎テキストに戻って復習する。この往復が中期の核です。

苦手単元の補強は、塾の先生に「この単元のこの問題が苦手です」と具体的に相談するのが最短ルートです。早実は典型題の組み合わせで応用問題を作る傾向があるので、基礎が固まれば応用は必ず解けるようになります。

直前期(受験3ヶ月前〜本番):実戦演習と体調管理

11月以降は、本番想定の実戦演習に切り替えます。学習時間は平日5時間、土日10時間が目安ですが、量より質を重視してください。

この時期にやるべきことは3つに絞ります。

  1. 本番と同じ時間割で過去問を解く:朝から国語→算数→理科→社会の順で、本番と同じ時間配分で通して解きます。週に1〜2回、これを徹底してください。脳が「この時間帯にこの教科を解く」リズムを覚えます。
  2. 記述問題の添削を受ける:早実の国語・理科・社会は記述配点が大きく、自己採点では正確な点数が分かりません。塾の先生や保護者の方に必ず見てもらいましょう。特に2026年度の社会で出題された「40〜60字でブルーカーボンを説明する」ような問題は、自分では「書けたつもり」でも採点者に伝わらないことが多いのです。
  3. 苦手ノートの総復習:早期から作ってきた苦手ノートを、毎日30分かけて見直します。同じミスを二度としないという意識が、入試本番で1点を拾います。

時間配分の練習も重要です。算数なら**「分からない問題は3分考えて飛ばす」、国語なら「記述は最後にまとめて書く」**といったルールを自分の中で決めておきましょう。

そして、最後にお伝えしたいのは体調管理です。直前期は不安から夜更かしをしがちですが、入試本番は朝から始まります。試験開始の3時間前には起きる生活リズムを、遅くとも1月上旬には確立してください。風邪・インフルエンザの予防、栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠(最低7時間)は、どんな問題集よりも価値ある「合格戦略」です。

12ヶ月という時間は、計画的に使えば必ず合格に届く長さです。焦らず、しかし手は止めず、一日一日を積み上げていきましょう。皆さんの努力を、私は心から応援しています。

塾講師から受験生へ

🎯 要点: 早稲田実業学校中等部の入試は、知識の暗記だけでは突破できない「考える力」を試す問題が並びます。 国語の心情読解、算数の条件整理、理科社会の記述問題、どれも丁寧に向き合う姿勢が問われます。 今日から過去問と地道に対話する習慣をつけ、合格への階段を一段ずつ上がっていきましょう。

こんにちは。これから早稲田実業学校中等部を目指すみなさんに、長年この学校の入試を見てきた塾講師として、正直なところをお話しします。

まず、はっきり言っておきます。早実の入試は「楽な道」ではありません。たとえば2026年度の国語では、小学4年生の女の子・さなえが、クラスのグループから少しずつ距離を置かれていく繊細な心の動きを読み取る物語文が出ました。「泣きたいのに泣きたくない、その理由は自分でもまだはっきり言葉にできない」――そんな揺れる気持ちを、選択肢や記述で正確に説明させる問題です。普段から「主人公はなぜそう感じたのか」を自分の言葉でつぶやきながら読む習慣がないと、選択肢のわずかな差を見抜けません。

論説文も同じです。今年は「ファーム・トゥ・テーブル」や「新カリフォルニア料理」を題材に、食文化と道徳化について論じた文章が出題されました。「ファストフードの海に浮かぶ孤島」のような比喩表現を本文から抜き出させたり、筆者の主張を20字以内で要約させたりと、書き写すだけでは点が取れない構成です。文章を「読む」のではなく「整理する」――その意識を持ってください。

算数も油断できません。今年は読書日数の中央値から人数の範囲を考える問題、長方形の周りに旗を立てる過不足算と図形の融合問題、ラジコンカーのモーター個数と速さの比例関係を使った問題など、「条件を一つひとつ書き出して整理できるか」が勝負を分ける問題ばかりでした。式を立てる前に、図や表に書き起こす習慣をつけてください。これは才能ではなく、毎日の演習で身につく「技術」です。

理科・社会も、知識だけでは戦えません。理科では暑さ指数(WBGT)の計算や、シジュウカラの「ジャージャー」という鳴き声が本当に「ヘビ」を意味するかを確かめる実験を考えさせる問題が出ました。社会では、製鉄業者とホタテ養殖業者の会話から「ブルーカーボン」という言葉を使って40〜60字で文章を作る問題が出されています。つまり、覚えた知識を「使って説明する」力が問われているのです。

ここで一つ、大切なことを伝えます。早実の問題は、「正解を当てる」ことより「自分の頭で考えた跡を残せるか」を見ています。記述問題で空欄のままにするのは、絶対にやめてください。たとえ部分点でも、書いた分だけ採点者に届きます。

最後に。今のあなたが過去問を解いて点が取れなくても、落ち込む必要はまったくありません。私が見てきた合格者の多くは、最初の過去問では半分も取れませんでした。大切なのは、間違えた問題を「なぜ間違えたのか」、解答を見て「次は何を意識すれば解けるのか」を一行でいいからノートに書き残すことです。その積み重ねが、本番で確実に点数になります。

一緒に頑張りましょう。早実の桜は、地道に努力した人にこそ咲きます。

保護者の皆さまへ──早稲田実業学校中等部 2026年度入試をふまえて

🎯 要点: 早稲田実業学校中等部の入試は、4教科すべてで「読み解く力」と「自分の言葉で説明する力」が問われる総合型の出題です。 ご家庭では、過度に管理せず、お子さまが思考を整理する時間と環境を守ることが何より大切になります。 過去問演習は得点だけでなく「記述の質」を一緒に振り返ることで、本番に直結する学びへと変わります。

この学校の入試の特徴を、保護者の視点から

まず、2026年度の出題を通して見えてくる早稲田実業学校中等部の特徴を、保護者の方にもイメージしていただける形でお伝えします。

国語では、小学4年生の女の子が友人関係に揺れながら成長していく物語文と、食文化と社会の変化を論じた説明文が出題されました。物語文では「主人公がなぜ背すじを伸ばして帰ったのか」といった、心情の変化を選択肢から丁寧に読み取る問題が並びます。説明文では「料理の道徳化とは何か」を20字以内で説明させるなど、本文の内容を自分の言葉に置き換える記述問題が中心です。

社会は「鉄」というひとつのテーマで、地理・歴史・公民を横断する構成でした。鉄鉱石の輸入相手国の割合を計算させたり、反射炉が幕末に次々と作られた理由を記述させたり、さらにブルーカーボンと製鉄業の関わりを40〜60字でまとめさせるなど、知識を「つなぐ力」が求められています。

理科は熱中症と暑さ指数(WBGT)の計算、シジュウカラの言語研究の実験設計、線状降水帯と偏西風の蛇行といった、最新の話題から仮説・実験・考察の流れを問う問題が並びました。算数も、習い事の集合に関する問題、ラジコンカーのモーターの速さの比、長方形を折り重ねたときに紙が何枚重なるかを問う図形問題など、条件を整理して粘り強く考える力が試されています。

つまり、どの教科にも共通して言えるのは、「知識の量」よりも「目の前の情報を読み解き、自分の言葉で表現する力」が問われているということです。

家庭でのサポート ── 環境・声かけ・心のケア

この時期、保護者の方が最も力を発揮できるのは、実は「教える」ことではなく「整える」ことだと、私たちは考えています。

学習環境については、机の上に今日やるものだけを置けるように整理してあげる、夜は決まった時間に切り上げて睡眠を確保する、といった「土台づくり」を意識してください。早稲田実業の問題は集中力と思考の持久力を要します。睡眠不足のまま長い記述問題に向かっても、力は出し切れません。

声かけについては、結果ではなくプロセスを言葉にしてあげることをおすすめします。「何点だったの?」より「今日の問題で、いちばん面白かったのはどれ?」「どこで時間がかかった?」と尋ねてみてください。お子さまが自分の学習を客観的に振り返るきっかけになります。

メンタルケアについては、本番が近づくほど、お子さま自身が一番不安を感じています。保護者の方が表情や口調で焦りを見せると、その不安は何倍にもなって伝わります。「大丈夫、いつも通りでいいよ」と落ち着いて伝えられる存在でいてください。

過干渉と放任の、ちょうど真ん中で

「どこまで親が関わるべきか」というご相談を毎年たくさんいただきます。私たちがお伝えしているのは、**「丸つけは一緒に、解き直しは本人に任せる」**という距離感です。

問題の○×をつける作業や、間違えた問題に印をつけて翌日もう一度解けるようにする「仕組み」の部分は、保護者の方が手伝ってあげて構いません。一方で、「なぜ間違えたのか」「次はどう考えるか」を言葉にする部分は、必ずお子さま自身にやらせてください。ここを親が先回りして説明してしまうと、本番で自分の力で考え抜く粘りが育ちにくくなります。

国語の物語文を例にとれば、登場人物の気持ちを保護者が解説するのではなく、「あなたなら、このときどう感じる?」と問いかけるだけで十分です。早稲田実業の国語は、こうした「自分で言葉にする経験」がそのまま得点に直結します。

過去問演習を家庭でどう活かすか

過去問は、「合格点に届いたかどうか」を確認するためだけのものではありません。早稲田実業の場合、次の三点を意識して活用してください。

  1. 時間配分の練習として使う:国語60分、算数60分、理科・社会は各30分という時間設定です。特に理科と社会は30分の中で記述問題までこなす必要があるため、「どの問題に何分かけるか」を本人と一緒に決めてから取り組ませてください。

  2. 記述問題は採点を一緒に:たとえば社会の「反射炉が次々と作られた理由」のような記述では、解答例と自分の答えを並べて、「どのキーワードが入っていたか」「どの要素が抜けていたか」を一緒に確認します。点数より、要素の有無に注目してください。

  3. 間違えた問題は翌日もう一度:その場で解き直すと記憶に頼って正解できてしまいます。一晩おいて、自力で再現できるかを確かめることで、本当に身についたかが分かります。

最後に

早稲田実業学校中等部の問題は、決して奇をてらったものではありません。日々の学習を丁寧に積み重ね、自分の頭で考える習慣を育ててきたお子さまを正当に評価する良問が並んでいます。

残り時間がどれだけあっても、お子さまの力は最後の一週間まで伸び続けます。保護者の方は、どうかその伸びを信じて、温かく見守ってあげてください。ご家庭が安心できる場所であることが、本番で力を出し切る最大の支えになります。

2027年度入試の予想

🎯 要点: 2026年度の出題を踏まえると、2027年度も4教科すべてで「思考力と記述力」を問う傾向が続くと予想されます。 算数は図形と場合の数、国語は心情読解と要約、理科は時事的な自然現象、社会は資料読解が引き続き重要になりそうです。 ただし、予想はあくまで参考程度にとどめ、苦手分野を作らない総合的な学習が合格への近道です。

全体の傾向予想

2026年度の入試問題を見ると、早稲田実業学校中等部は「ただ知識を暗記しているだけ」では太刀打ちできない、思考力・記述力・資料読解力を重視する出題が目立ちました。この傾向は、ここ数年安定して続いているものであり、2027年度も基本路線は変わらないと考えるのが自然です。先生としては、みなさんに「奇をてらった対策」ではなく、「本質を理解する勉強」を続けてほしいと強く伝えたいところです。

教科別の予想

算数 2026年度は、平面図形(正六角形の面積比)、立体図形(投影図からの体積)、速さ(ラジコンカーの周回問題)、場合の数、折り紙の重なりなど、幅広い分野から出題されました。2027年度も、図形分野(特に面積比・体積)と、条件を整理して解く「速さと比」「規則性」「場合の数」の融合問題が中心になると予想されます。最終問題で出された「紙の折り重ね」のように、手を動かして実験的に考える力を問う問題が出る可能性も高いです。

国語 2026年度は、小学生の心情を丁寧に描いた物語文と、食文化を題材にした論説文の2題構成でした。記述問題では「20字以内で説明」「指定語句を使って答える」など、字数制限つきの要約力が問われています。2027年度も、登場人物の心情変化を読み取る物語文と、現代社会のテーマ(環境・文化・科学など)を扱う論説文という組み合わせが続くと予想されます。漢字・ことわざ・故事成語などの知識問題も毎年出ているので、ここは確実に得点したい部分です。

理科 2026年度は、熱中症とエアコン(暑さ指数WBGT)、シジュウカラの言語研究、線状降水帯・偏西風・北極の氷といった、いずれも近年の時事的な自然現象・科学ニュースが題材でした。2027年度も、新聞やニュースで話題になった科学トピック(気候変動、生物の行動、エネルギー問題など)から、実験・観察・仮説検証のプロセスを問う出題が予想されます。単なる暗記ではなく、「なぜそうなるのか」を自分の言葉で説明する練習が欠かせません。

社会 2026年度は「鉄」を縦軸にして、地理(資源の輸入先)・歴史(たたら製鉄から官営製鉄所まで)・公民(COP、パリ協定、ブルーカーボン)を横断する大型テーマ問題が出されました。2027年度も、ひとつのテーマを軸に3分野を融合させる出題形式が続くと予想されます。地図記号の読み取り、グラフや表からの数値計算、40〜60字程度の記述問題は、引き続き重要な得点源になるでしょう。

心構え

ここまで予想を述べてきましたが、あくまで予想であり、実際の出題と異なる可能性があります。入試は「予想を当てるゲーム」ではありません。たとえば算数で予想していなかった分野が大問で出たり、社会のテーマが全く違うものになったりすることは、毎年どの学校でも起こります。

だからこそ、先生がみなさんに一番伝えたいのは、予想に頼らず、幅広く・偏りなく学習を進めてほしいということです。算数なら全分野の典型問題を解けるようにする、国語なら毎日少しでも文章を読んで記述の練習をする、理科・社会なら時事ニュースに関心を持ちながら基礎知識を固める。この地道な積み重ねが、どんな問題が出ても揺るがない「本物の力」になります。「ヤマを張る」のではなく「土台を広げる」勉強を、最後まで続けていきましょう。