本校の入試傾向
🎯 要点: 東京学芸大学附属世田谷中学校の入試は、算数・理科・社会の各教科で試験時間40分、大問5〜6題構成が特徴です。 基礎知識の定着に加え、多様な資料を正確に読み解き、論理的に思考し、自分の言葉で表現する力が強く求められます。 実生活や社会問題と関連付けた問題が多く、単なる暗記ではなく、本質的な理解と応用力が合否を分けます。
東京学芸大学附属世田谷中学校の入試は、皆さんの「考える力」と「表現する力」を重視する傾向が見られます。単に知識の有無を問うだけでなく、その知識をどのように活用し、目の前の課題を解決するかという、より深い学力が試されます。
算数、理科、社会の各教科とも、試験時間は40分と共通しており、大問数は5題から6題で構成されています。この限られた時間の中で、効率よく問題を解き進める時間配分の戦略が非常に重要になります。
多様な出題形式と求められる総合力
本校の入試では、各教科で多様な出題形式が見られ、受験生には幅広い能力が求められます。
- 社会科:世界地図や日本地図の読み取り、雨温図の分析といった地理分野、年表や歴史資料からの考察、そして現代社会の出来事や制度に関する公民分野まで、幅広い知識が問われます。語句の記述、記号選択、出来事の並べ替えに加え、資料を基にした説明記述問題も頻出します。特に、与えられた資料から正確な情報を読み取り、それを基に論理的に思考する力が重要です。
- 算数科:基本的な計算力はもちろんのこと、割合や比、図形の性質に関する深い理解が求められます。グラフの読み取りや速さの問題、規則性を見つける問題、立体図形の体積や表面積を求める問題など、多角的な思考が必要な問題が多く出題されます。与えられた資料から情報を読み解き、論理的に考察する力も試されます。単に答えを出すだけでなく、その過程を説明する力が問われることもあります。
- 理科:物理、化学、生物、地学の各分野からバランス良く出題されます。実験の計画や結果の考察、グラフや図の読み取り、そして現象の理由や対策を自分の言葉で説明する記述問題が特徴的です。身近な現象や環境問題、健康に関するテーマなど、実生活と結びついた出題も多く見られます。科学的な探究心を問う問題が多いと言えます。
思考力・判断力・表現力が合否を分ける
全教科に共通して言えるのは、単に知識を暗記するだけでなく、その知識をどのように活用し、目の前の課題を解決するかという「思考力」が問われる点です。与えられた資料から必要な情報を正確に抽出し、それを基に論理的な結論を導き出す「判断力」、そしてその思考の過程や結論を明確に伝える「表現力」が合否を大きく左右します。特に、記述問題では、採点者に意図が正確に伝わるように、平易で分かりやすい言葉で簡潔にまとめる練習が不可欠です。
各教科の垣根を越えて、資料を読み解く力や、自分の考えを説明する記述力が共通して求められる傾向があります。これは、単一の知識だけでなく、複数の情報を統合して考察する総合的な学力を重視していることの表れと言えるでしょう。また、社会問題や科学的な探究、日常生活における課題解決といったテーマが頻繁に取り上げられるため、日頃から様々な事柄に興味を持ち、なぜそうなるのか、どうすれば解決できるのかといった探究心を持って学習に取り組むことが、本校の入試対策として非常に有効です。
問題の難易度は、基礎的な知識を問うものから、高度な思考力や応用力を要するものまで幅広く設定されています。合格を勝ち取るためには、まず各教科の基礎を徹底的に固めることが大前提です。その上で、過去問演習を通じて、多様な資料問題や記述問題に慣れ、限られた時間内で効率
教科別出題傾向
🎯 要点: 東京学芸大学附属世田谷中学校の入試(算数・理科・社会)は、いずれも試験時間40分・大問4〜6題構成で、知識の暗記だけでなく「考える力」を問う設問が多い。 算数は計算・図形・データ活用・空間認識を幅広くカバーし、思考プロセスを言語化させる記述問題が特徴的。 理科・社会ともに時事的・生活的な文脈から出題し、理由説明や自分の考えを書かせる自由記述が必ず含まれる。
試験概要(算数・理科・社会)
| 教科 | 試験時間 | 大問数の傾向 | 出題形式の特徴 |
|---|---|---|---|
| 算数 | 40分 | 4題 | 計算・選択・記述・図形・データ活用を横断 |
| 理科 | 40分 | 5題 | 選択・計算・記述(自由記述含む)を混在 |
| 社会 | 40分 | 6題 | 記号選択・語句記述・並べ替えを中心に構成 |
算数
大問構成と難易度の傾向
算数は大問4題構成で、試験時間は40分です。大問1が複数の小問を束ねた「基本〜標準レベルの計算・論理問題」、大問2以降が「特定テーマに沿った応用問題」という構成が定番です。全体として、単純な計算力だけでは得点できない設計になっており、「なぜそうなるか」を問う論理的思考が求められます。
頻出単元・定番テーマ
- 数と計算:分数・小数の混合計算、余りのある割り算の性質、割合の変換など、基本的な数の性質を深く問う問題が大問1に集中します。「AよりBだけ多い」という割合の相互変換など、言葉の意味を正確に読み取る力が必要です。
- 図形:平面図形(正方形・正六角形・円)の中に含まれる特定の形の図形を数える問題が頻出です。対角線や補助線を引いた複合図形の中から条件に合う三角形を数え上げる問題は、空間把握力と場合の数の要素が組み合わさっており、本校らしい出題形式です。
- グラフの読み取りと速さ:速さ・時間・距離の関係を速度グラフ(横軸:時間、縦軸:速さ)から読み取り、距離を面積として求める問題が出題されます。グラフの形状から運動の様子を文章で説明させる穴埋め記述も含まれます。
- データ活用・統計的思考:複数の調査データ(割合・推移・分布)を読み取り、「読み取れること」と「読み取れないこと」を判別する問題が出題されます。棒グラフ・円グラフ・折れ線グラフ・帯グラフの使い分けを問う選択問題も定番です。
- 立体図形と規則性:立方体を積み上げてできる立体の体積・表面積を、規則性(数列的な考え方)を使って求める問題が出題されます。「段ごとに分けて考える」「平面の正方形の個数に置き換える」など、複数の解法アプローチを比較する会話形式の問題は本校の大きな特徴です。
出題形式の傾向
選択問題・数値記述・式の記述・文章記述がバランスよく混在します。特に注目すべきは、解法の過程や考え方を式や言葉で書かせる問題が複数含まれる点です。「会話形式」で複数の解法を提示し、その続きを補完させる形式は本校独自の出題スタイルです。また、「正しいものをすべて選べ」という複数選択問題も出題されており、部分的な理解では得点できない設計です。
この学校らしさ
「答えが合っているかどうか」だけでなく、思考プロセスを表現する力を重視しています。会話形式で複数の解法を比較させたり、データの読み取りで「わかること・わからないこと」を区別させたりする問題は、算数を通じて論理的・批判的思考力を測ろうとする本校の姿勢を示しています。計算ミスを防ぐ正確さと、考えを整理して記述する表現力の両方が求められます。
理科
大問構成と難易度の傾向
理科は大問5題構成で、試験時間は40分です。各大問は「生活場面・身近な現象」を入口にした文脈設定型の問題が多く、単純な知識問題は少数派です。選択問題・計算問題・記述問題が1つの大問の中に混在しており、最後の設問では必ず「自分の考えを書く」自由記述が求められます。
頻出単元・定番テーマ
- てこのつりあい(力学):おもりの重さと位置の関係からつりあいの条件を求める問題が出題されます。複数種類のおもりの組み合わせを論理的に絞り込む思考が必要です。
- 電気回路:スイッチの状態と豆電球の点灯・消灯の関係を回路図として表す問題が出題されます。条件を整理して回路の構造を推論する力が問われます。解答用紙に直接導線を書き込む「作図形式」は本校理科の特徴的な出題形式です。
- 水溶液・溶解:溶解度グラフを読み取り、特定の温度・水量での溶け残りの有無や濃度計算を行う問題が出題されます。日常生活(経口補水液づくり)と結びつけた文脈設定が本校らしい特徴です。
- 消化・だ液のはたらき(生物):デンプンとヨウ素液の反応を利用した対照実験の計画・評価問題が出題されます。「対照実験の意義」を説明させる記述問題は、実験の本質的な理解を問います。
- 流水のはたらき(地学):上流・下流での石の大きさの違い、運搬・堆積のはたらきと水量・流速の関係を問う問題が出題されます。川の観察スケッチを題材にした文脈設定が使われます。
出題形式の傾向
選択問題(4択)が基本ですが、各大問の後半には必ず理由・説明を書かせる記述問題と自分の考えを書く自由記述問題が配置されます。特に「あなたができる対策を書きなさい」「あなたは賛成ですか・反対ですか、理由を書きなさい」という形式の問題は全大問に共通して見られます。これは知識の再現ではなく、科学的な思考を自分の言葉で表現する力を測る出題方針の表れです。
この学校らしさ
「生活場面から科学を考える」姿勢が一貫しています。熱中症対策・介護食・川の観察など、受験生の日常や社会課題と理科の知識を結びつける文脈設定が特徴的です。また、実験計画の妥当性を評価させたり、友人の意見に賛否を示して根拠を述べさせたりする問題は、理科的な論証力を重視する本校の教育観を反映しています。
社会
大問構成と難易度の傾向
社会は大問6題構成で、試験時間は40分です。地理・歴史・公民の3分野がほぼ均等に出題されます。各大問は「地図・資料・年表・写真」などの資料を読み取りながら解く形式が基本で、単純な語句の暗記だけでは対応できない設問が多く含まれます。
頻出単元・定番テーマ
- 地理(日本・世界):世界の大陸の位置・面積・赤道通過の有無、日本の地方別の地図読み取り(県庁所在地・地形・気候)が頻出です。雨温図の読み取りと地域の気候特性の対応、農業・漁業の地域的特徴(干拓地・潮目など)も定番テーマです。
- 歴史(古代〜近現代):年表形式で時代を横断する問題が出題されます。特定の年代の出来事を選ぶ問題・時代順の並べ替え問題が頻出で、「間違っているものを選べ」という消去法を要する問題も多く出題されます。古代(奈良・平安)から近現代(明治〜昭和)まで幅広くカバーされます。
- 公民(政治・司法):選挙制度(参議院議員選挙の仕組み・被選挙権・比例代表制)、裁判所の種類と役割、裁判員制度、憲法の基本原則(三大原則・基本的人権)が出題されます。時事的な内容(直近の選挙結果・国際会議など)も積極的に取り上げられます。
- 時事問題:フェイクニュース、アフリカ開発会議(TICAD)など、出題年度の直近の社会的話題が語句問題として出題されます。カタカナ・アルファベット表記での解答が求められる問題も含まれます。
出題形式の傾向
記号選択・語句記述・漢字指定記述・並べ替え(年代順)・選択肢からの複数選択が中心です。「すべて選べ」「間違っているものをすべて選べ」という複数正解型の問題が複数出題されており、曖昧な知識では対応できません。地図・雨温図・写真・資料文を読み取る問題が全体の半数以上を占めます。
この学校らしさ
「東京学芸大学の歴史」を題材にした年表問題など、学校のアイデンティティと学習内容を結びつけた独自の出題が見られます。単に歴史的事実を問うだけでなく、年表の文脈の中で各時代の出来事を位置づける力が求められます。また、公民分野では「裁判の判決文を読んで憲法上の権利を答える」など、資料を読み解いて法的概念を適用する問題が出題されており、実社会と結びついた思考力を重視する姿勢が一貫しています。時事問題への対応も必須で、ニュースや新聞への日常的な関心が得点に直結します。
教科別対策のポイント
🎯 要点: 東京学芸大学附属世田谷中学校の入試は、算数・理科・社会いずれも40分の試験で、知識の暗記だけでなく「考えて説明する力」が問われます。 各教科とも基礎知識を土台に、資料・グラフ・図を読み取って自分の言葉で答える記述問題が含まれます。 単元ごとの理解を深めながら、時間配分と解答の表現力を同時に鍛えることが合格への近道です。
算数
出題傾向の特徴
2026年度の算数は試験時間40分で、大問4題構成です。大問1では計算・数の性質・割合・図形の複合的な小問が複数並び、大問2はグラフの読み取りと速さ・距離・時間の融合問題、大問3はデータの読み取りと統計的思考、大問4は立体図形の規則性と体積・表面積の計算という構成です。
単純な計算力だけでは得点できない設計になっており、「問題の意味を正確に読み取る力」と「筋道を立てて考える力」が試されます。
重点的に取り組むべき単元・問題種別
① 計算の正確さと数の性質 分数・小数の混合計算、あまりのある割り算の式変形、「Aより大きくなる条件」の判断など、計算の仕組みを理解した上で操作する問題が出ます。計算ミスを防ぐために、式を丁寧に書く習慣をつけてください。特に「÷(分数)はかけ算に直す」「1より大きい数をかける・1より小さい数で割ると元の数より大きくなる」といった数の大小の感覚を体に染み込ませましょう。
② 割合の文章題 「今年度は昨年度の1/3だけ多い」という表現を式に変換し、逆算で「昨年度は今年度の何割少ないか」を求める問題が出ています。「もとにする量が変わる」という割合の本質を理解していないと間違えやすいポイントです。「今年度を1とおいたとき昨年度はいくつか」という発想の転換を練習してください。
③ 平面図形・立体図形の規則性 正方形の対角線、正六角形の対角線から生まれる三角形の個数を数える問題が出ています。図形の中に隠れた同じ形を「重なりなく・漏れなく」数える系統的な方法を身につけましょう。また、立方体を積み重ねた立体の体積・表面積を「段ごとに分けて考える」「平面の正方形の個数に置き換えて考える」という2通りのアプローチで解けるようにしてください。
④ グラフの読み取りと速さ 速さと時間のグラフ(横軸:時間、縦軸:速さ)から、電車の動きを正確に読み取り、距離を計算する問題が出ています。「速さ×時間=距離」の基本はもちろん、グラフの面積が距離を表すことを理解しておく必要があります。さらに、「縦軸を距離・横軸を時間」に変換したグラフを選ぶ問題もあり、グラフの形が変わったときに何を意味するかを考える練習をしてください。
⑤ データの読み取りと統計的思考 表のデータから正しく読み取れることと読み取れないことを区別する問題、グラフの種類(棒グラフ・円グラフ・帯グラフ・折れ線グラフ)をデータの性質に合わせて選ぶ問題が出ています。また、「平均値と個々のデータの分布は別物」という統計の落とし穴を見抜く記述問題もあります。「1人あたりの平均冊数が多くても、多く借りている生徒が多いとは言えない」という論理的な説明ができるよう、日頃からデータを批判的に読む練習をしてください。
推奨する学習方法・演習量の目安
- 計算問題は毎日10〜15分、分数・小数・割合の混合計算を継続してください。
- 図形の個数を数える問題は、必ず「場合分けの表」や「図に印をつける」方法で整理する習慣をつけましょう。
- グラフ問題は、グラフを自分で書き直す練習が効果的です。
- 記述問題(データの読み取り)は、「なぜそう言えるか・なぜ言えないか」を1〜2文で書く練習を週2〜3回行ってください。
つまずきやすいポイントとその克服法
- 割合の「もとにする量」の取り違え:問題文を読むたびに「何を1(基準)としているか」を確認する癖をつけましょう。
- 立体の段ごとの個数計算:「上から見た図」「横から見た図」を実際に紙に書いて確認してください。
- グラフの面積=距離:台形や三角形の面積公式と結びつけて理解しましょう。
理科
出題傾向の特徴
2026年度の理科は試験時間40分で、大問5題構成です。てこのつりあい(物理)、電気回路(物理)、水溶液・溶解度(化学)、消化・だ液のはたらき(生物)、流水のはたらき・地形(地学)という幅広い分野から出題されています。
単純な知識問題だけでなく、「実験の目的・手順・結果の解釈」「自分の考えを文章で説明する」問題が多く含まれます。また、日常生活や社会問題(熱中症対策、介護、防災)と理科の知識を結びつける問題が特徴的です。
重点的に取り組むべき単元・問題種別
① てこのつりあい 「支点からの距離×おもりの重さ」が左右等しいときにつりあうという原理の計算問題が出ています。さらに、複数の重さの石が入った袋の組み合わせを論理的に求める問題もあり、計算力と場合の数の考え方を組み合わせる必要があります。「合計の重さが決まっているとき、どの組み合わせが成立するか」を整理する練習をしてください。
② 電気回路(直列・並列・条件付き回路) 「あるスイッチがONのとき、別のスイッチは必ずOFF」という条件のもとで豆電球が点灯する回路を設計する問題が出ています。単純な直列・並列の知識だけでなく、「条件を満たす回路の構造を自分で考える」力が必要です。直列・並列の性質を確実に理解した上で、条件を整理して回路図を描く練習をしてください。
③ 水溶液・溶解度 溶解度曲線の読み取り、「一定量の水に溶ける最大量」の計算、濃度の計算(薄める・濃くする)が出ています。特に「水の量が変わっても溶質と溶媒の比率を保つ」という希釈の考え方は、割合の計算と組み合わせて練習してください。また、「砂糖と食塩では温度による溶け方の変化が大きく異なる」という定性的な理解も必要です。
④ 消化・だ液のはたらき(対照実験の設計) だ液がデンプンを分解するかどうかを調べる実験計画を読み、「対照実験(コントロール)の意味」「ヨウ素液の反応」「実験条件をそろえる必要性」を問う問題が出ています。「なぜ水を入れた袋Aが必要か」という対照実験の意義を自分の言葉で説明できるようにしてください。
⑤ 流水のはたらき・地形 上流と下流の石の大きさの違い、運搬・堆積・侵食のはたらきと流速の関係、角ばった石が存在する理由(上流から最近運ばれてきた、または人工的に置かれたなど)を説明する問題が出ています。川の上流・中流・下流それぞれの特徴を「流速」「石の形・大きさ」「川幅・川底の形」とセットで整理してください。
⑥ 記述・自由記述問題 「熱中症対策として何をするためにどのような対策をするか」「防災のためにあなたができることは何か」という自由記述問題が出ています。「目的」と「手段」を分けて書くことが求められており、「〜するために、〜をする」という形式で答える練習をしてください。
推奨する学習方法・演習量の目安
- てこ・電気・水溶液の計算問題は、週3回以上の演習を目安にしてください。
- 実験問題は「目的→仮説→方法→結果→考察」の流れを意識して読む習慣をつけましょう。
- 記述問題は、答えを書いた後に「目的と手段が対応しているか」を自分でチェックしてください。
- 溶解度曲線は自分でグラフを読む練習を繰り返し、「この温度でこの量は溶けるか」を素早く判断できるようにしましょう。
つまずきやすいポイントとその克服法
- 対照実験の意義:「何を変えて、何をそろえるか」を表にして整理する習慣をつけましょう。
- 溶解度の計算:「水100gあたり」の数値を「実際の水の量」に換算するステップを省略しないでください。
- 記述問題の「目的と手段の分離」:「〜のために(目的)、〜する(手段)」という構造を守って書く練習をしてください。
社会
出題傾向の特徴
2026年度の社会は試験時間40分で、大問6題構成です。地理(世界の大陸・日本の地域)、東北地方の地域的特徴、日本の近現代史(明治〜昭和)、戦後史、日本の歴史における女性の役割(古代〜近世)、公民(選挙・司法)という幅広い分野から出題されています。
知識問題(記号選択・語句記述)が中心ですが、「間違っている文を選ぶ」「複数の出来事を時代順に並べる」「雨温図を選ぶ」「正しいものをすべて選ぶ」など、正確な理解が問われる形式が多く含まれます。時事問題(TICAD、フェイクニュース)も出題されています。
重点的に取り組むべき単元・問題種別
① 世界地理・日本地理の基礎 世界の大陸の名称・面積・位置(赤道が通る大陸、特定の経線上にある大陸)、日本の地方区分・県庁所在地・地図上の位置、雨温図の読み取りが出ています。「大陸の面積の大小」「赤道・経線の位置関係」は地図帳を使って視覚的に確認してください。雨温図は、日本海側・太平洋側・内陸・北海道などの気候の特徴(冬の降水量、夏の気温など)と結びつけて覚えましょう。
② 東北地方の地域的特徴 東北6県の県庁所在地、干拓地(八郎潟)の名称と位置、三陸沖の漁業(暖流・寒流の名称、潮目)、伝統的な祭り(竿燈まつり・ねぶた祭など)が出ています。東北地方については「農業・漁業・祭り・地形」をセットで整理してください。特に「親潮(寒流)」「黒潮(暖流)」「潮目(好漁場)」の関係は頻出です。
③ 日本の近現代史(明治〜昭和) 学制の公布(1872年)、師範学校の設立、大日本帝国憲法の発布(1889年)、治安警察法(1900年)、大正デモクラシー、国家総動員法(1938年)、終戦(1945年)の流れが出ています。「大正時代の出来事として間違っているものを選ぶ」問題では、明治・大正・昭和の区別が正確にできているかが問われます。年号の暗記だけでなく、「なぜその法律が作られたか」「どのような社会状況が背景にあったか」という因果関係を理解してください。
特に、1945年の出来事(沖縄地上戦・広島原爆・長崎原爆・ソ連参戦・玉音放送)を時系列順に並べる問題が出ており、「エ(沖縄地上戦)→ウ(広島)→ア(長崎)→イ(ソ連参戦)」という順序を正確に覚えてください。
④ 戦後史・現代史 GHQ(アルファベット3字)の設置、日本国憲法の施行(1947年)と三大原則、湯川秀樹のノーベル賞受賞(1949年)、東京オリンピック(1964年)・東海道新幹線開業(1964年)・沖縄返還(1972年)の区別が問われています。「1964年の出来事として間違っているものを選ぶ」問題では、沖縄返還(1972年)が誤りの選択肢として出ており、年号の正確な記憶が必要です。
⑤ 日本の歴史における女性の役割(古代〜近世) 卑弥呼・持統天皇・紫式部・清少納言・北条政子など、各時代の女性に関する出来事が問われています。「持統天皇が造営した都=藤原京」「紫式部が仕えた人物=藤原道長」「鎌倉時代の御恩と奉公=一所懸命」など、人物と出来事・語句を正確に結びつける練習をしてください。また、南北朝・室町・戦国・安土桃山時代の出来事を時代順に並べる問題も出ており、「建武の新政→足利義満の花の御所→応仁の乱→山城国一揆・加賀の一向一揆」という流れを整理してください。
⑥ 公民(選挙・司法) 参議院議員選挙の制度(定数・任期・被選挙権年齢・比例代表の投票方法)、高等裁判所の役割、裁判員制度(2009年開始)、表現の自由とプライバシーの権利の対立が出ています。「参議院の定数は465名」「被選挙権は満25歳以上(参議院)」「比例代表は政党名または候補者名を記載」など、制度の細部を正確に覚えてください。また、「1票の格差」(都市部より地方の方が1票の価値が大きい)という現実の問題も出題されており、制度の仕組みと課題を合わせて理解しましょう。
⑦ 時事問題 「フェイクニュース」(カタカナ)、「TICAD」(第9回アフリカ開発会議、2025年横浜開催)が出題されています。時事問題は直前期に新聞・ニュースで確認する習慣をつけてください。特に国際会議の名称・開催地・回数は整理しておきましょう。
推奨する学習方法・演習量の目安
- 地理は地図帳を毎週1回以上開き、県庁所在地・地形・気候を確認してください。
- 歴史は年表を自分で作成し、「出来事→背景→結果」の流れを書き込む練習をしてください。
- 「間違っているものを選ぶ」問題は、選択肢の一つひとつについて「正しいか・間違いか」を判断する練習を繰り返しましょう。
- 公民の制度問題は、数字(任期・定数・年齢・開始年)を一覧表にまとめて覚えてください。
- 時事問題対策として、週1回程度、子ども向けニュースや新聞の見出しをチェックする習慣をつけましょう。
つまずきやすいポイントとその克服法
- 時代の区別(明治・大正・昭和):年号と時代名の対応表を作り、「大正は1912〜1926年」のように範囲を明確にしてください。
- 同じ年に複数の出来事が起きる場合の順序:1945年の出来事のように、同一年内の順序を問う問題には、月日まで覚える必要があります。
- 公民の制度の数字の混同:衆議院と参議院の違い(任期・定数・被選挙権年齢)を比較表で整理しましょう。
- 雨温図の読み取り:「冬に降水量が多い=日本海側」「夏に高温で冬に低温=内陸」という判断基準を繰り返し確認してください。
教科横断的な学習ポイント
| 教科 | 試験時間 | 大問数 | 出題傾向の特徴 |
|---|---|---|---|
| 算数 | 40分 | 4題 | 計算・図形・グラフ・データ統計の複合。記述説明問題あり |
| 理科 | 40分 | 5題 | 物理・化学・生物・地学の全分野。実験設計・記述問題あり |
| 社会 | 40分 | 6題 | 地理・歴史・公民の全分野。時事問題・時代順並べ替えあり |
3教科いずれも40分という同じ試験時間の中で、知識の正確さと「考えて書く力」の両方が問われます。知識問題で確実に得点しながら、記述問題では「目的と手段」「根拠と結論」を明確に書く練習を積み重ねてください。過去問演習では、時間を計りながら解き、解き終わった後に「なぜその答えになるか」を言葉で説明できるかどうかを確認することが最も効果的な対策です。
合格に向けた学習計画
🎯 要点: 東京学芸大学附属世田谷中学校の試験は算数・理科・社会の各40分で、知識の暗記だけでなく「考える力」と「書く力」が問われる構成です。 早期から苦手分野を明確にし、中期以降は過去問演習で時間配分を体に染み込ませることが合格への近道です。 直前期は新しい内容を詰め込むより、習得済みの知識を確実に出力できる状態に整えることを最優先にしてください。
試験の基本構造を把握する
まず、この学校の試験の「型」を頭に入れておきましょう。
算数・理科・社会はいずれも試験時間40分です。この40分という制約は、問題を解く速度と正確さの両方を同時に問うものです。特に算数は大問4つ構成で、計算問題から図形・グラフの読み取り・立体の体積まで幅広く出題されます。理科は実験の考察や記述問題が含まれ、社会は地理・歴史・公民の3分野にわたる総合問題です。
この「幅広さ」と「40分」という組み合わせが、この学校の試験の最大の特徴です。全問を丁寧に解こうとすると時間が足りなくなります。どの問題に時間をかけ、どの問題をすばやく処理するかの判断力が、得点を左右します。
早期(受験12〜6ヶ月前):基礎固めと苦手の洗い出し
この時期の目標は「穴をなくすこと」です。応用問題を解く前に、基礎知識が確実に定着しているかを確認してください。
算数(週5〜6時間)
算数では、計算の正確さと速さが土台になります。分数・小数の四則計算、割合・比の計算は毎日10〜15分の練習を習慣にしてください。過去問を見ると、「割合の逆算」「比を使った面積比・体積比」「グラフの読み取りと距離・時間・速さの関係」が繰り返し出題されています。
特に注意してほしいのは図形分野です。平面図形では正六角形の対角線が作る三角形の個数を数えるような、「見落としなく数え上げる」問題が出ています。立体図形では、立方体を積み上げた立体の体積・表面積の計算が出題されており、段ごとに分けて考える思考の手順を身につける必要があります。この時期は、図形の基本性質(正三角形・正方形・正六角形の角度・辺の関係)を確実に覚えてください。
また、「データの読み取りと判断」の問題も出題されています。棒グラフ・円グラフ・帯グラフ・折れ線グラフの特徴と使い分けを理解し、表から正しい情報を読み取る練習をしておきましょう。
この時期の算数の目安:基本計算(毎日15分)+図形・割合の単元別演習(週3〜4時間)
理科(週3〜4時間)
理科は「実験の手順と考察」を問う問題が中心です。てこのつりあい・電気回路・水溶液・植物のはたらき・流水の作用など、小学校理科の全単元が出題対象です。
この時期は単元ごとに教科書レベルの知識を整理してください。特に「なぜそうなるか」を言葉で説明できるかどうかを確認してください。過去問では「流れる水のはたらき(侵食・運搬・堆積)」「だ液の消化実験の対照実験の設計」「溶解度とグラフの読み取り」など、知識を応用して記述する問題が出ています。単語を覚えるだけでなく、現象の仕組みを自分の言葉で説明する練習を早期から始めてください。
この時期の理科の目安:単元別知識整理(週2時間)+記述練習(週1〜2時間)
社会(週3〜4時間)
社会は地理・歴史・公民の3分野すべてが出題されます。地理では日本地図(都道府県・県庁所在地・地形)と世界地図(大陸・緯度経度)の基礎知識が問われます。歴史は古代から現代まで幅広く、年表形式の問題が出ています。公民では選挙制度・裁判所の仕組み・憲法の基本原則が出題されています。
この時期は地図帳と年表を使った基礎知識の定着を優先してください。都道府県名・県庁所在地・主要な歴史的出来事の年代は確実に覚えてください。特に歴史は「出来事の順番を正しく並べる」問題が繰り返し出ているため、年表を自分で書いて整理する習慣をつけましょう。
この時期の社会の目安:地図・年表の暗記(週2時間)+問題演習(週1〜2時間)
中期(受験6〜3ヶ月前):過去問演習の開始と弱点補強
この時期から実際の試験形式に近い練習を始めます。40分という制限時間を意識した演習を週に最低2〜3回取り入れてください。
算数(週6〜8時間)
過去問演習を始めたら、まず「どの大問に何分かけたか」を記録してください。算数は大問1の基本計算・小問集合から始まり、大問2以降は思考力を要する問題が続きます。大問1は確実に得点できるよう、ミスなく素早く処理する練習をしてください。
大問2・3・4は問題の設定を正確に読み取る力が必要です。グラフから電車の動きを読み取る問題、調査データの正誤を判断する問題、立体の規則性を発見して体積を求める問題など、問題文をしっかり読んで条件を整理する練習を繰り返してください。
弱点補強では、「比と割合の逆算」「速さ・時間・距離の変換」「立体の体積と表面積」を重点的に練習してください。
この時期の算数の目安:過去問演習(週2回×40分)+弱点単元の補強(週3〜4時間)
理科(週4〜5時間)
理科の記述問題は「目的」と「方法」を分けて書く練習が必要です。過去問では「何をするために、どのような対策をするか」という形式で記述を求める問題が出ています。答えを知っていても、論理的に整理して書けなければ得点になりません。
対照実験の設計(何を変えて、何を同じにするか)は頻出のテーマです。「袋Aと袋Bで何を同じ量にするか」「なぜ比較対象が必要か」という考え方を、様々な実験場面で練習してください。
この時期の理科の目安:過去問演習(週2回×40分)+記述問題の添削練習(週1〜2時間)
社会(週4〜5時間)
社会は知識の正確さが直接得点に結びつきます。この時期は「知っているつもり」の知識を確認し直してください。特に歴史は「大正時代の出来事」「昭和の戦時中の法律」「戦後の改革」など、時代ごとの出来事を正確に覚え直す必要があります。
公民分野では、参議院議員選挙の制度(定数・任期・被選挙権の年齢・選挙区と比例代表の違い)、裁判所の種類と役割、憲法の三大原則など、制度の細部まで問われます。教科書を読み直し、正確な用語と数字を確認してください。
この時期の社会の目安:過去問演習(週2回×40分)+知識の確認と補強(週2〜3時間)
直前期(受験3ヶ月前〜本番):実戦演習と仕上げ
この時期に新しい内容を大量に詰め込もうとするのは逆効果です。これまでに学んだことを確実に出力できる状態に整えることを最優先にしてください。
時間配分の最終調整
算数・理科・社会それぞれ40分で、どの問題から解くかの順番と時間配分を固定してください。本番で「どこから解こうか」と迷う時間は無駄です。
- 算数:大問1(基本計算)→大問2・3(グラフ・データ問題)→大問4(立体・規則性)の順が標準的です。大問4の後半は難度が上がるため、前の大問を確実に得点してから取り組んでください。
- 理科:記述問題は後回しにせず、わかる部分から書き始める習慣をつけてください。
- 社会:知識問題は素早く処理し、記述・説明問題に時間を残してください。
直前期の週間スケジュール目安
- 月〜金:各教科の過去問演習を1教科ずつローテーション(40分×1回)+間違えた問題の復習(30分)
- 土:3教科まとめて模擬試験形式で演習(各40分)
- 日:復習と体調管理。新しい問題は解かない
体調管理について
試験は2月上旬に行われます。12月・1月は体調を崩しやすい時期です。睡眠時間を削って勉強する習慣は、直前期には特に避けてください。疲れた状態で解く練習問題は、誤った解き方を定着させるリスクがあります。毎日一定の睡眠時間を確保し、試験当日に頭が最もよく働く状態を作ることが、この時期の最重要課題です。
優先順位のまとめ
| 時期 | 算数の優先事項 | 理科の優先事項 | 社会の優先事項 |
|---|---|---|---|
| 早期(12〜6ヶ月前) | 計算の正確さ・図形の基本 | 単元知識の整理・記述の練習 | 地図・年表の暗記 |
| 中期(6〜3ヶ月前) | 過去問演習・比と割合の強化 | 対照実験の考え方・記述の精度 | 制度の細部・歴史の正確な知識 |
| 直前期(3ヶ月前〜) | 時間配分の固定・ミスゼロ練習 | 記述の簡潔さ・実験考察の型 | 知識の最終確認・用語の正確さ |
この学校の試験は「知っているか」だけでなく「考えて書けるか」を問います。早期から記述練習を習慣にし、中期・直前期で精度を上げていく流れが、最も効果的な準備の道筋です。
塾講師から受験生へ
🎯 要点: 東京学芸大学附属世田谷中学校の入試は、知識の暗記だけでは通用しない「思考力勝負」の試験です。 算数・理科・社会のいずれも、「なぜそうなるか」を言葉や式で説明させる問題が随所に登場します。 40分という制限時間の中で、正確さとスピードを両立させる練習が合格への最短ルートです。
私はこの学校の入試問題を長年分析してきましたが、毎年問題を見るたびに同じことを感じます。「この学校は、本当に考える力を持った子を選んでいる」と。
今回の2026年度の問題を見ても、その姿勢はまったくぶれていません。算数では、計算の答えを出すだけでなく、「なぜそう言えるのか」を自分の言葉で説明する記述問題が出ています。理科では、実験の設計そのものを問い、「対照実験の意味」を理解しているかどうかを直接試しています。社会では、地図・グラフ・年表・資料を組み合わせながら、現代社会の問題にまで踏み込んだ問いが並んでいます。
これは何を意味するか、正直に伝えます。「解き方の型」を覚えるだけの勉強では、この学校には合格できません。
ただ、だからといって怖がる必要はありません。むしろ逆です。この学校が求めているのは、「特別な才能」ではなく、「ちゃんと考えてきたか」という積み重ねです。
たとえば理科の問題では、だ液の実験について「袋Aは調べる必要がない」という友人の意見に賛成か反対かを答え、理由を説明する問題が出ています。正解の知識を持っていても、「なぜ対照実験が必要なのか」を自分の言葉で説明できなければ点が取れません。これは、日頃の授業で「先生、なんでそうなるの?」と問い続けてきた子が強い問題です。
算数でも同じです。グラフや立体の問題で、答えの数値だけでなく「どう考えたか」を問う構成になっています。式を書く習慣、途中の考えを整理する習慣、これを今すぐ始めてください。答えが合っていても、プロセスが説明できなければ本番で得点を積み上げられません。
もう一点、時間配分について厳しく言います。算数・理科・社会はいずれも40分という試験時間です。問題のボリュームを考えると、一問に時間をかけすぎることは致命傷になります。特に社会は大問6つ、歴史・地理・公民にまたがる幅広い出題です。知識問題で確実に点を取り、記述問題は簡潔にまとめる練習を積んでください。
理科も同様です。計算・記述・選択が混在しており、「わかるところから手をつける」という判断力が問われます。全問を順番に解こうとすると時間が足りなくなります。
この学校を目指すということは、「考える力」を本気で鍛える覚悟をするということです。それは楽な道ではありません。でも、その覚悟を持って過去問に向き合い、「なぜ?」を繰り返してきた子が、本番で力を発揮します。
知識を詰め込むのではなく、知識をつなげて考える練習を今日から始めてください。その積み重ねが、40分の試験で必ず結果に表れます。
保護者の皆さまへ
🎯 要点: 東京学芸大学附属世田谷中学校の入試(算数・理科・社会)は、知識の暗記だけでなく「考える力」と「説明する力」を問う構成です。 家庭でのサポートは、子どもが自分の言葉で考えを整理できる対話の習慣づくりが中心になります。 過去問演習は「正解を出す練習」ではなく「思考プロセスを言語化する練習」として活用することが効果的です。
本校入試の特徴を保護者の視点で理解する
東京学芸大学附属世田谷中学校の入試は、算数・理科・社会いずれも試験時間40分という設定です。限られた時間の中で、単純な知識の再現にとどまらず、資料を読み解き、自分の考えを記述する問題が複数出題されます。
社会では、地図・雨温図・年表・統計表など多様な資料が使われ、「資料から読み取れること」と「読み取れないこと」を区別する力が問われます。また、現代社会の時事的なテーマ(国際会議の通称、フェイクニュースなど)も出題されており、日常的に社会の出来事に関心を持っているかどうかが問われる構成です。
理科では、実験の目的・手順・結果の解釈を問う問題が中心で、「なぜそうなるか」を文章で説明させる記述問題が含まれます。単に実験結果を覚えるのではなく、実験の設計意図(なぜ対照実験が必要か、など)まで理解しているかを確認する出題です。
算数では、計算処理の正確さに加え、グラフの読み取りや図形の構造を論理的に分析する問題、さらにデータの解釈と説明を求める問題が出題されています。「答えが合っているかどうか」だけでなく、「どのように考えたか」を問う出題スタイルです。
保護者の皆さまには、まずこの「考えを説明する力を重視する入試」という特徴をご理解いただいたうえで、日常のサポートを組み立てていただくことをお勧めします。
家庭での学習環境づくり
本校の入試で求められる「説明する力」は、一朝一夕には身につきません。日常的に「なぜそう思うの?」「どうしてそうなるの?」と問いかける対話の習慣が、長期的に大きな差を生みます。
学習環境として特に意識していただきたいのは、子どもが声に出して考えを整理できる場を用意することです。理科の実験問題や算数のデータ問題では、頭の中だけで考えるより、実際に言葉にしてみることで論理の穴に気づくことができます。夕食後の10〜15分程度、「今日学校で何か面白いことあった?」という軽い会話の延長で、「この問題、どう考えた?」と聞いてみるだけで十分です。
また、社会の時事問題への対応として、新聞やニュースを一緒に見る習慣は有効です。ただし、「勉強のために見なさい」という義務感を持たせるより、保護者の皆さまが「これ面白いね」と自然に話題にする形の方が、子どもの興味を引き出しやすいです。
声かけとメンタルケアについて
受験期の子どもは、成績の波や模試の結果に敏感です。特に本校のような「考える力」を問う入試に向けた学習は、暗記中心の学習と比べて「手応えが見えにくい」という特徴があります。「やっているのに点数が上がらない」と感じる時期が必ずあります。
そのような時期に保護者の皆さまが心がけていただきたいのは、結果ではなくプロセスに注目した声かけです。「点数が上がった・下がった」ではなく、「この問題、前は全然わからなかったのに、今日は考え方がわかってきたね」という視点で話すことが、子どもの自己効力感を維持します。
一方で、「大丈夫、絶対受かるよ」という根拠のない励ましは、子どもが現実を直視する機会を奪うことがあります。「今週は理科の実験問題を丁寧に復習しよう」という具体的な次の一手を一緒に考える姿勢が、子どもにとって最も安心できるサポートです。
過干渉と放任の中間点を見つける
受験サポートにおける保護者の関わり方は、「管理しすぎず、放置もしない」という中間点が理想です。本校の入試は、自分で考え、自分の言葉で答えを構成する力を問います。そのため、家庭でも「答えを教える」より「一緒に考える」スタンスが有効です。
具体的には、算数の問題で子どもが詰まっているとき、すぐに解説を見せるのではなく、「どこまではわかった?」「何がわからない?」と問いかけてみてください。子ども自身が「どこでつまずいているか」を言語化できるようになることが、本番での問題解決力に直結します。
学習スケジュールの管理については、大まかな週単位の目標を一緒に決め、日々の細かい管理は子ども自身に任せる形が理想的です。「今週は社会の地理分野を仕上げる」という目標を共有したうえで、「今日は何をやるか自分で決めてみて」と委ねることで、自己管理能力も育ちます。
過去問演習を家庭でどう活用するか
過去問演習は、「本番と同じ条件で解く練習」と「解いた後の振り返り」の2段階で活用することが重要です。
解く段階では、試験時間(算数・理科・社会いずれも40分)を厳守してください。時間内に全問解き切れなくても構いません。「40分でどこまで解けるか」を体感することが目的です。
振り返りの段階が、家庭でのサポートが最も活きる場面です。特に記述問題については、正解・不正解だけでなく、「なぜそう書いたか」を子どもに説明させてみてください。理科の実験問題では「対照実験の意味を自分の言葉で言える?」、社会の資料問題では「この資料からわかることとわからないことを分けてみて」という問いかけが効果的です。
また、本校の入試では、資料から読み取れる事実と、そこから言えないことを区別する力が問われます。過去問の解説を読む際も、「なぜこの選択肢は×なのか」を一緒に確認する習慣をつけると、本番での判断力が高まります。
過去問は「点数を測るもの」ではなく、「思考のクセを発見するもの」として使ってください。同じ種類のミスが繰り返されているなら、それは知識の問題ではなく思考プロセスの問題です。その発見を塾の先生と共有することで、より的確な指導につながります。
最後に
本校の入試は、「よく考え、きちんと説明できる生徒」を求めています。それは一夜漬けや直前の詰め込みで身につくものではなく、日常の対話と思考の積み重ねから育まれます。保護者の皆さまの役割は、その積み重ねを支える環境をつくることです。子どもの「考えようとする姿勢」を日々肯定しながら、具体的な次の一手を一緒に考えていただければ、それが最も確かなサポートになります。
来年度入試の予想
🎯 要点: 2026年度入試の傾向を踏まえると、算数・理科・社会いずれも「知識の暗記」だけでなく「思考・表現」を問う出題が継続すると予想されます。 各教科で資料・データを読み取り、自分の言葉で説明する記述問題への対応が合否を左右します。 あくまで予想であり、実際の出題と異なる可能性があります。幅広い分野を丁寧に仕上げることが最優先です。
算数
2026年度入試では、計算・数の性質・図形・グラフ読み取り・立体の体積・表面積など、幅広い単元が大問ごとに独立して出題されました。特に目立つのは、データの読み取りと批判的思考を問う問題です。表やグラフから読み取れることと読み取れないことを区別し、文章で説明する形式が登場しています。また、立体図形では規則性を見つけて一般化する力が求められました。
来年度も同様の構成が続くと予想されます。
- 計算・数の性質:分数・小数・余りのある割り算など基本的な計算力は引き続き必須です。
- 図形:平面図形(正多角形・円・対角線)と立体図形(体積・表面積)の両方が出題される傾向が続くと見られます。
- グラフ・データ活用:折れ線グラフや表から「わかること・わからないこと」を論理的に説明する問題は、今後も出題される可能性が高いです。記述欄への対応練習を積んでおいてください。
- 規則性・場合の数:数列や図形の規則性を発見し、式で表す問題も引き続き出題が予想されます。
試験時間は40分です。手を動かして確認する習慣と、問題の意図を素早く読み取る力を鍛えることが重要です。
理科
2026年度入試では、てこのつりあい・電気回路・水溶液・消化・流水のはたらきと、物理・化学・生物・地学の4分野がバランスよく出題されました。単なる知識問題にとどまらず、「実験計画の立案」「対照実験の意義の説明」「日常生活との関連」を問う問題が複数見られます。
来年度も4分野からの出題バランスは維持されると予想されます。
- 実験・観察の思考力問題:対照実験の設計や結果の予想・説明を求める問題は今後も継続する可能性が高いです。「なぜその実験が必要か」を説明できる力を養ってください。
- 計算を伴う問題:てこや水溶液の濃度など、数値を使って考える問題も引き続き出題が予想されます。
- 身近な現象・社会との接続:熱中症対策・川の観察・介護食など、日常生活に関連するテーマから出題される傾向があります。理科的な知識を生活場面に結びつける練習をしておきましょう。
- 記述問題:「なぜそうなるか」を文章で説明する設問が複数あります。キーワードを使って簡潔に書く練習が必要です。
社会
2026年度入試では、地理・歴史・公民の3分野が大問ごとに出題されました。地理では地図・雨温図・統計の読み取り、歴史では年表をもとにした時代の流れの理解、公民では選挙制度・裁判所・憲法上の権利など、時事的な内容も含む出題が見られます。
来年度も同様の3分野構成が続くと予想されます。
- 地理:地図の読み取り・各地方の地形・気候・産業の特徴は引き続き頻出です。雨温図の判別は確実に対応できるようにしておいてください。
- 歴史:年表形式での出題が続く可能性があります。各時代の出来事を「流れ」として整理し、年代の前後関係を正確に把握しておくことが重要です。
- 公民:選挙制度・三権分立・基本的人権など、中学公民の基礎的な内容が出題されます。2025年の参議院議員選挙のように直近の時事と結びついた出題も予想されるため、ニュースへの関心を持つ習慣をつけてください。
- 記述・用語記入:漢字指定の用語記入問題が多く、正確な漢字表記の練習が不可欠です。
総合的な対策に向けて
上記はあくまで予想であり、実際の出題内容・形式・難易度と異なる可能性があります。特定の単元に絞った対策だけでは対応しきれないケースも十分あります。算数・理科・社会いずれの教科においても、「知識を覚える」段階から「知識を使って考え、説明する」段階へと学習を深めることが、本校入試への最も確実な準備となります。予想に頼りすぎず、各教科の幅広い単元を丁寧に積み上げていくことを最優先にしてください。
よくある質問
- Q1. 東京学芸大学附属世田谷中学校の入試は何科目で、試験時間はどのくらいですか?
- 算数・理科・社会の各科目が実施されます。試験時間はいずれも40分です。問題構成は各科目とも複数の大問から成り、算数は計算・図形・グラフ・立体など幅広い分野を、理科は実験・観察に基づく考察問題を、社会は地理・歴史・公民の各分野を扱います。40分という試験時間に対して問題量が多いため、各科目で素早く問題全体を見渡し、解ける問題から確実に得点する時間配分の練習が必要です。
- Q2. 算数ではどのような分野が出題されますか?
- 計算の工夫、割合・比、図形(平面・立体)、グラフの読み取り、データの分析・統計的思考など、幅広い分野から出題されます。単純な計算にとどまらず、条件を整理して論理的に考える問題や、複数の考え方を比較・検討する問題が含まれます。また、立体図形の体積・表面積を規則性と組み合わせて求める問題や、グラフから状況を読み取って説明する問題など、思考力・表現力を問う出題が特徴的です。公式の暗記だけでなく、なぜそうなるかを言葉で説明できる力を養うことが重要です。
- Q3. 理科ではどのような問題が出題されますか?
- 物理・化学・生物・地学の各分野から出題されます。実験の手順や結果を読み取り、条件を比較しながら考察する問題が中心です。実験の対照実験(条件を変える・変えない)の意味を理解しているかを問う問題や、日常生活・身近な現象(熱中症対策、川の流れ、食べ物の消化など)を題材にした問題が出題されます。知識を問うだけでなく、「なぜそうなるか」を文章で説明する記述問題も含まれるため、理由を自分の言葉でまとめる練習が欠かせません。
- Q4. 社会はどのような分野・形式で出題されますか?
- 地理・歴史・公民の3分野から幅広く出題されます。地理では日本の地域的特徴(地図・雨温図・産業など)、歴史では時代の流れと各時代の出来事の整序・選択、公民では選挙制度・裁判所・憲法の基本原則などが問われます。記号選択・語句記入・並べ替えなど多様な形式が混在しており、時事的な話題(国際会議・最新の選挙結果など)も出題されます。歴史では年表を使った出題が見られ、出来事の前後関係を正確に把握しておく必要があります。
- Q5. 過去問演習はいつ頃から始めるのが効果的ですか?
- 各分野の基礎知識と解法が一通り身についた小学6年生の秋(9〜10月)以降が、過去問演習を本格化させる目安です。それ以前は、算数の思考力問題・理科の実験考察・社会の時事対策など、本校が重視する力を意識した日常学習を積み重ねることが優先です。過去問を解く際は、正誤の確認だけでなく「なぜ間違えたか」「どの分野が弱いか」を分析し、弱点分野に戻って補強するサイクルを繰り返すことが得点アップにつながります。40分という制限時間を守って本番と同じ条件で解く練習も必ず行ってください。
- Q6. 保護者はどのようにサポートすればよいですか?
- 本校の入試は知識の暗記だけでなく、考えを説明する力や日常の事象への関心が問われます。そのため、家庭では子どもが「なぜそうなるの?」と疑問を持ったときに一緒に調べる習慣をつくることが有効です。社会の時事問題対策として、ニュースや新聞を話題にする機会を設けることも実践的な準備になります。理科の実験考察や算数の記述問題は、答えだけでなく説明の過程を声に出して確認する練習を親子で行うと効果的です。試験時間が40分と短いため、家庭学習でも時間を計って問題を解く環境を整えてください。