久留米大学附設中学校 2025年度入試の全体傾向
🎯 要点: 4教科すべてで「知識の量」より「思考力・応用力」を問う出題スタイルが貫かれている。 算数・理科は計算・実験の過程を丁寧に追う力が必要で、国語・社会は長文読解と記述が核心となる。 単純な暗記だけでは得点できない設計であり、各教科で「なぜそうなるか」を説明できる力が合否を分ける。
入試の基本構成
2025年度入試は国語・算数・理科・社会の4教科で実施されました。各教科の問題は複数の大問で構成されており、教科ごとに試験時間と解答用紙が設定されています。解答はすべて解答用紙に記入する形式で、問題用紙は提出不要です。
国語は漢字・語句の知識問題、論説文読解、物語文読解、マンガを素材にした記述問題という4つのパートで構成されています。算数は計算・数の性質・図形・速さ・立体など幅広い分野から大問5題が出題されました。理科は正誤判定・植物の生理・物理(回転と見かけの速さ)・化学(中和反応)という4つの大問構成です。社会は食料・林業・工業・エネルギー、歴史(兵庫の地域史)、人物史(渋沢栄一)、公民(日本国憲法)という構成で、幅広い分野を横断しています。
出題スタイルの特徴:「考えさせる」設計
本校入試の最大の特徴は、既存の知識をそのまま答えさせるのではなく、その知識を使って考えさせる設計になっている点です。
算数では、問題文に「円周率は3.14とします」「角すいの体積は(底面積×高さ)÷3として計算します」「3辺の長さの比が3:4:5である三角形はすべて直角三角形です」という条件が明示されています。これは公式を暗記しているかどうかではなく、与えられた条件を正確に使いこなせるかを問う姿勢の表れです。大問2のニュートン算(遊園地の入場ゲート問題)、大問3の整数の操作規則、大問4の立体の切断と展開図、大問5の折れ線の移動と面積など、いずれも複数のステップを経て答えに至る構造になっており、途中の論理を飛ばすと正解にたどり着けません。
理科の大問1は、天体・地層・気象・水の状態変化など8つのテーマについて、それぞれ3つの文の正誤を判定する形式です。正誤の組み合わせをア〜クの8択から選ぶ構造で、「なんとなく正しそう」という感覚では対応できません。大問2は植物の光合成・呼吸に関する実験考察で、空欄補充と選択肢の組み合わせが非常に多く、実験操作の目的・結果・理由を段階的に理解していないと解けない設計です。大問3・4は計算を伴う問題で、特に大問4の中和反応では表の数値を読み取り、仮説を検証するという科学的思考の流れが問われています。
社会は地理・歴史・公民の各分野が有機的に組み合わさっており、単純な一問一答では対応できません。大問3では兵庫の地域史という切り口から古代〜近代を縦断し、年表の空欄補充・地図の読み取り・記述問題が混在しています。大問4の渋沢栄一の略年表では、日本と世界の出来事を関連づけながら理由を40字以内で説明する記述問題が含まれています。
国語:読解の深さと表現力が問われる
国語は4パートで構成されており、特に論説文(大問二)と物語文(大問三)の読解は設問数が多く、記述式の解答が中心です。論説文では傍線部の意味を「説明文の空欄を埋める」形式で答えさせる問題が複数あり、本文の論理構造を正確に把握した上で、自分の言葉で整理する力が必要です。物語文では登場人物の心情を根拠とともに説明する問題が多く、「なぜそう感じたのか」を文脈から読み取る力が求められます。
大問一(マンガ読解)は150字以上200字以内の記述問題で、視覚的な素材から読み取れる内容を自分の言葉でまとめる力を問います。字数制限の幅が設けられており、過不足なく書く訓練が必要です。
難易度の傾向
全体的に、基礎的な知識は前提としつつ、その知識を応用・統合する力を問う問題が中心です。算数は計算量が多く、複数の条件を同時に処理する場面が多いため、正確さとスピードの両立が求められます。理科・社会は知識の正確さに加えて、実験・資料の読み取りと記述が重要な得点源となります。国語は読解量が多く、時間配分の管理が合否に直結します。
「知っているかどうか」ではなく「使いこなせるかどうか」を問う本校の入試に対応するには、各教科で「なぜそうなるか」を言語化する習慣を早い段階から身につけることが不可欠です。
教科別出題傾向
🎯 要点: 久留米大学附設中学校の入試は4教科すべてで高い思考力・記述力が求められる難関校型の出題構成です。 算数は大問5題で計算から空間図形・場合の数まで幅広く、深い論理的思考が必要です。 国語・理科・社会いずれも「知識の暗記」だけでは対応できず、文章読解・実験考察・資料分析の力が合否を分けます。
国語
大問構成と出題形式
2025年度の国語は大問4題構成です。内訳は、漢字・語句の知識問題(大問一)、論説文の読解(大問二)、小説文の読解(大問三)、マンガ(視覚的資料)を題材にした記述問題(大問四)となっています。
知識問題では、漢字の総画数・熟語の完成・慣用句・擬態語・文法(助動詞の用法識別)など、幅広い語彙・文法知識が問われます。単純な読み書きにとどまらず、意味や用法の正確な理解が必要な設問が並びます。
読解問題は記述式が中心で、字数指定のある記述解答が複数出題されます。「○字以内で抜き出せ」「○字以内の表現で埋めよ」という形式が多く、本文の論理構造を正確に把握した上で、自分の言葉でまとめる力が求められます。選択肢問題も出題されますが、本文の内容と一致するものを複数選ぶ形式など、単純な消去法では対応しにくい設問になっています。
頻出テーマと「この学校らしさ」
論説文では、筆者の主張の構造(具体例→抽象化→一般論への展開)を読み解く力が試されます。前半と後半に本文を分けてその構成上の関係を説明させる問いは、文章全体を俯瞰する読解力を直接問うものです。
小説文では、登場人物の心理変化を細かく追う設問が多く、「なぜそのような行動をとったか」「どのような心情か」を具体的に説明する記述問題が複数出題されます。表面的なあらすじ把握ではなく、心情の機微を読み取る精読が必要です。
大問四のマンガ読解は本校の特徴的な出題形式で、視覚的な情報から読み取れる主題を150字以上200字以内の記述でまとめることが求められます。「自分の言葉で説明する」という条件が明示されており、要約力・表現力が直接評価されます。
| 出題形式 | 内容 |
|---|---|
| 漢字・語句 | 総画数・熟語完成・慣用句・擬態語・文法識別 |
| 論説文読解 | 記述(字数指定)・選択・抜き出し |
| 小説文読解 | 記述(字数指定)・選択・抜き出し |
| 視覚資料読解 | 150〜200字の自由記述 |
算数
大問構成と出題形式
2025年度の算数は大問5題構成です。大問1は小問集合(計算・場合の数・平面図形・立体図形の4問)、大問2〜5はそれぞれ独立したテーマを持つ応用問題です。解答用紙には答えのみを記入する形式が基本ですが、思考の過程が問われる多段階設問が多く、途中の小問を正確に解かないと最終問に到達できない構造になっています。
頻出単元と難易度
頻出単元として、場合の数・規則性・立体図形・速さと比(ニュートン算を含む)・平面図形の移動が挙げられます。2025年度では、ニュートン算の発展問題(複数日にわたる条件変化)、整数の規則性(操作を繰り返して数列を作る問題)、立体の切断と体積、正方形内での折れ線の移動と面積という4つの応用テーマが出題されました。
難易度は全国的に見ても高水準で、各大問の後半設問は相当な思考力を要します。特に立体図形では、切断面の形状・体積計算・展開図の作図まで一連の流れで問われます。展開図を解答欄に自分で描く設問は、空間把握力と作図の正確さが同時に試される本校らしい出題です。
「この学校らしさ」
本校算数の特徴は、「設定の複雑さ」と「多段階の論理展開」にあります。問題文の条件が多く、整理しながら読む力が必要です。また、1つの大問の中で(1)→(2)→(3)→(4)と段階的に難しくなる構造が多く、前の小問の結果を次の小問に活用する設計になっています。計算ミスが後の設問すべてに影響するため、正確な計算力と丁寧な処理が不可欠です。
| 大問 | テーマ | 出題形式 |
|---|---|---|
| 大問1 | 計算・場合の数・平面図形・立体図形(小問集合) | 答えのみ |
| 大問2 | ニュートン算(速さと比の応用) | 多段階・答えのみ |
| 大問3 | 整数の規則性・数列 | 多段階・答えのみ |
| 大問4 | 立体の切断・体積・展開図 | 答えのみ+作図 |
| 大問5 | 平面図形の移動・面積 | 多段階・答えのみ |
理科
大問構成と出題形式
2025年度の理科は大問4題構成です。大問1は正誤判定の小問集合(天体・地層・気象・物質の状態変化など多分野から出題)、大問2は植物の光合成・実験考察の長文穴埋め、大問3はサインポール(回転する円柱の見かけの動き)を題材にした計算問題、大問4は水酸化ナトリウムと塩酸の中和反応・発熱に関する実験問題です。
頻出分野と出題形式の特徴
大問1の正誤判定は、①②③の3文についてそれぞれ正誤を判定し、その組み合わせをア〜クの8択から選ぶ形式です。天文(太陽・月・星)、地学(地層・化石・川のはたらき)、気象(気温・水の状態変化)など、小学理科の全分野から満遍なく出題されます。1問ごとに3つの文の正誤を正確に判断しなければならないため、知識の精度が問われます。
大問2の植物実験は、光合成・呼吸・BTB溶液の色変化・対照実験の設計など、実験の目的と結果の因果関係を問う設問が中心です。穴埋め形式ですが、選択肢から正しい語句を選ぶ問題と、漢字で用語を記入する問題が混在しています。
大問3・4は計算問題が中心で、与えられた数値から規則性を見つけて未知の値を求める力が必要です。特に大問4の中和反応の発熱計算は、表の数値を読み取り、比例関係を活用して空欄を埋める構造になっており、数値処理の正確さが求められます。
「この学校らしさ」
理科の最大の特徴は、日常的な現象や身近な道具(サインポール)を題材にした思考実験型の出題です。知識の暗記だけでは解けず、「なぜそうなるのか」を論理的に説明・計算する力が問われます。また、実験の対照実験の意義を問う設問や、実験結果から仮説の正否を判断させる設問は、科学的思考力を直接測るものです。グラフの作図問題も出題されており、数値を視覚的に表現する力も必要です。
社会
大問構成と出題形式
2025年度の社会は大問6題構成です。地理(食料・農業・林業・工業・エネルギー)、歴史(兵庫津の歴史・渋沢栄一の略年表)、公民(日本国憲法・国民投票・三権分立)という3分野が網羅されています。
出題形式は、語句記述・記号選択・正誤判定・40字以内の記述説明が混在しています。語句記述では漢字指定・カタカナ指定が明示されており、正確な表記が求められます。
頻出テーマと難易度
地理では、食料自給率・フードマイレージ・地産地消・養殖業・再生可能エネルギーなど、現代的な課題と結びついたテーマが頻出します。統計表や地図を読み取って答える資料活用型の設問が多く、データを正確に読む力が必要です。
歴史では、年表形式の出題が定番で、空欄補充・下線部に関する正誤判定・説明記述が組み合わされます。古代から近代まで幅広い時代が1つの年表にまとめられており、時代を横断した知識の整理が求められます。2025年度では、日明貿易・江戸時代の航路・明治期の産業発展など、経済史・交通史の視点からの出題が目立ちました。
公民では、日本国憲法の条文の正確な理解が問われます。「正しいものをすべて選べ」という形式で、条文の細部(例:憲法尊重擁護義務の対象)まで問う設問があり、教科書レベルを超えた精読が必要です。
「この学校らしさ」
社会の特徴は、単純な知識問題と思考・判断を要する問題が混在している点です。「誤っているものを1つ選べ。ただし、すべて正しい場合はオと答えよ」という形式は、消去法が使いにくく、すべての選択肢を正確に評価する必要があります。また、地租改正が国の収入安定につながる理由を40字以内で説明させる問いのように、歴史的事象の「なぜ」を文章で説明する記述問題も出題されており、理解の深さが問われます。
| 分野 | 主なテーマ | 出題形式 |
|---|---|---|
| 地理 | 食料自給率・養殖業・エネルギー・林業・工業 | 語句記述・記号選択・資料読取 |
| 歴史 | 兵庫津の歴史・渋沢栄一・日明貿易・近代産業 | 年表穴埋め・正誤判定・記述 |
| 公民 | 日本国憲法・三権分立・国民投票 | 語句記述・記号選択・正誤判定 |
教科別対策のポイント
🎯 要点: 久留米大学附設中学校の入試は4教科すべてで高い思考力・記述力が求められる難関校です。 単純な知識の暗記だけでなく、文章・資料・条件を正確に読み取り、自分の言葉で論理的に説明する力が合否を分けます。 各教科の出題構造を把握した上で、弱点単元を早期に特定し、反復演習で確実に得点力を積み上げてください。
国語
出題構造と傾向
2025年度の国語は、漢字・語句の知識問題(大問一)、論説文の読解(大問二)、物語文の読解(大問三)、マンガを素材にした記述問題(大問四)という4つのブロックで構成されています。試験時間・配点の詳細は解答用紙の構成から確認できますが、記述問題の比重が非常に高いことが最大の特徴です。
知識問題では、漢字の総画数・熟語の構成・慣用句・擬態語・品詞の用法(「そうだ」「ような」などの助動詞・助詞の識別)が問われます。これらは基礎知識の精度を直接試すものです。
読解問題では、論説文・物語文ともに、本文中の語句や表現を根拠にしながら「なぜか」「どういうことか」を説明する記述式の設問が中心です。字数制限のある抜き出し問題(「最初の七字で答えよ」など)や、説明文の空欄を埋める形式も頻出します。
マンガを素材にした作文問題(150字以上200字以内)は、視覚的な情報を言語化し、自分の言葉で論理的にまとめる力を問うユニークな出題形式です。
重点的に取り組む単元
語句・文法の知識 慣用句・ことわざ・四字熟語・擬態語は、意味と用法をセットで覚えてください。「気が置けない」「身を粉にする」のような慣用句は、意味を誤解しやすいものが多いので、辞書で正確な意味を確認する習慣をつけましょう。助動詞・助詞の識別(「そうだ」の伝聞用法と様態用法の違いなど)は、文法の基礎として繰り返し練習してください。
論説文の読解 筆者の主張と具体例の関係を整理する練習が最重要です。2025年度の論説文では「具体例→抽象化→一般論への展開」という構成が取られており、前半の具体例が後半の抽象的な議論とどう対応しているかを読み取る力が問われています。段落ごとに「何を言っているか」を一文でまとめる「段落要約」の練習を積んでください。
物語文の読解 登場人物の心情変化を、本文中の描写(行動・セリフ・情景)を根拠にして説明する練習をしてください。「なぜそう感じたのか」を問う設問では、表面的な感情(うれしい・悲しい)だけでなく、その背景にある状況や葛藤まで踏み込んで書くことが求められます。
記述問題の練習 字数制限のある記述問題は、「条件を満たしているか」「根拠が本文にあるか」「主語・述語が対応しているか」の3点を必ず確認してください。書いた後に声に出して読み返す習慣が、論理的な文章を書く力を育てます。
つまずきやすいポイントと克服法
- 抜き出し問題での範囲ミス:「○字以内」「最初の七字」などの条件を見落とすケースが多いです。設問を読む際に条件に下線を引く習慣をつけましょう。
- 記述の「ぼんやり」答案:「〜だから」で終わる答案が、具体性に欠けて減点されることがあります。「誰が・何を・どうしたから・どうなった」という構造を意識して書いてください。
- マンガ素材の作文:視覚情報を言語化することに慣れていない受験生が多いです。日頃から絵や写真を見て「何が起きているか」「何を意味しているか」を文章で説明する練習をしておきましょう。
算数
出題構造と傾向
2025年度の算数は大問5題構成で、計算・数の性質・図形・速さ・規則性・立体図形・平面図形の移動など、幅広い分野から出題されています。試験時間は解答用紙の構成から大問5題であることが確認できます。
特徴的なのは、各大問が複数の小問((1)〜(4)など)で構成されており、前の小問の結果を次の小問で使う「連続型」の問題が多い点です。途中でつまずくと後の小問にも影響するため、各ステップを丁寧に処理する習慣が重要です。
出題分野として、ニュートン算(行列問題)、操作規則に従った数列、立体の切断・体積、平面図形の移動・面積が確認できます。いずれも「条件を正確に読み取り、場合を整理して計算する」力が問われています。
重点的に取り組む単元
割合・比・速さの応用(ニュートン算) 行列が増え続ける状況でゲートの処理能力を求める問題は、「増える量」「減る量」「最初の量」の3要素を方程式的に整理する練習が必要です。2日間の条件を連立して解く形式に慣れてください。
規則性・数列 操作規則に従って数を生成し、その規則を発見する問題は、最初の数項を丁寧に計算して「周期」や「パターン」を見つけることが解法の鍵です。計算ミスが命取りになるので、書き出しは丁寧に行いましょう。
立体図形(切断・体積) 立方体の切断・正三角形を面とする立体(正四面体・正八面体)の体積計算が出題されています。切断面の形状を正確に把握するために、実際に展開図を書いたり、立体の見取り図を描く練習を積んでください。「角すいの体積=底面積×高さ÷3」の公式は確実に使えるようにしておきましょう。
平面図形の移動・面積 折れ線が正方形の中を移動する問題は、移動の条件を段階ごとに整理し、通過する領域を図に書き込みながら面積を求める練習が必要です。扇形・三角形・長方形の組み合わせで面積を計算する場面が多いので、基本図形の面積公式を確実に使えるようにしてください。
つまずきやすいポイントと克服法
- 条件の読み取りミス:「平日」「休日」「ゲートを追加するタイミング」など、複数の条件が絡む問題では、条件を箇条書きにしてから解き始める習慣をつけましょう。
- 立体の空間把握:展開図と立体の対応が苦手な受験生は、実際に厚紙で立体を作る体験が有効です。
- 計算の精度:小数・分数が混在する計算(円周率3.14を含む計算など)は、途中式を省略せず書くことでミスを防いでください。
理科
出題構造と傾向
2025年度の理科は大問4題構成です。大問1は天文・地学・気象・物質の状態変化など幅広い分野の正誤判定問題(3択の組み合わせ選択)、大問2は植物の光合成・実験操作に関する長文穴埋め問題、大問3はサインポール(回転する円柱)の「見かけの速さ」を題材にした物理計算問題、大問4は水酸化ナトリウムの溶解・中和反応と温度上昇に関する化学計算問題です。
正誤判定問題は、①②③の3文すべての正誤の組み合わせを選ぶ形式で、1つでも判断を誤ると失点します。長文穴埋め問題は、実験操作の目的・結果・考察を論理的に追う力が必要です。計算問題は比例関係の把握と数値処理の正確さが求められます。
重点的に取り組む単元
天文・地学(正誤判定対策) 太陽の南中高度・日の出日の入りの方角・月の満ち欠け・星の動き・地層・化石などは、「正しい知識」と「よくある誤解」をセットで整理してください。「春分・秋分に昼夜の長さが等しい」「満月は太陽と反対方向にある」など、混同しやすい事実を一覧表にまとめると効果的です。
植物の光合成・実験操作 光合成の実験手順(暗処理→日光照射→熱湯処理→アルコール脱色→ヨウ素液染色)の各ステップの目的を正確に言えるようにしてください。「対照実験」の意味と設定方法も重要です。BTB溶液の色変化(青=アルカリ性・緑=中性・黄=酸性)と二酸化炭素・酸素の増減の関係を整理しておきましょう。
物理・化学の計算 比例関係を使った計算(速さ・回転数・温度上昇と量の関係)は、「何と何が比例しているか」を表から読み取る練習をしてください。単位の換算(cm/秒↔km/時)も確実にできるようにしておきましょう。中和反応の計算では「過不足なく反応する量の比」を表から読み取る力が問われます。
つまずきやすいポイントと克服法
- 正誤判定の「惜しいミス」:3文すべて正しいと思って選んだ選択肢が実は1文誤りだった、というケースが多いです。各文を独立して検証する習慣をつけましょう。
- 実験の「目的」を問う問題:操作の手順は覚えていても「なぜその操作をするのか」を説明できない受験生が多いです。実験の各ステップに「目的」を付け加えてノートにまとめてください。
- 計算の単位ミス:速さの単位(cm/秒とkm/時)を混同したまま計算を進めるミスが頻発します。単位を式の中に書き込む習慣が有効です。
社会
出題構造と傾向
2025年度の社会は大問6題構成で、地理・歴史・公民の各分野から出題されています。単純な知識問題だけでなく、資料(表・地図・年表)を読み取って答える問題、理由や背景を40字以内で説明する記述問題が含まれています。
地理分野では食料自給率・農業・養殖業・林業・工業・エネルギー・貿易など、現代的なテーマが多く出題されています。歴史分野では兵庫(神戸)の歴史を軸にした年表問題と渋沢栄一の略年表を使った問題が出題されており、時代の流れと出来事の因果関係を問う設問が特徴的です。公民分野では日本国憲法の基本原則・改正手続き・三権分立などが問われています。
重点的に取り組む単元
地理:統計・資料の読み取り 食料自給率・農地面積・発電量・自動車販売台数などの統計表から情報を読み取り、国名・品目・エネルギー種別を特定する問題は、「数値の大小関係」と「各国・各分野の特徴」を組み合わせて考える練習が必要です。「フードマイレージ」「地産地消」「ミニマム・アクセス」「パルプ」「リアス海岸」など、専門用語の正確な表記も問われます。
歴史:年表・因果関係の理解 年表を使った問題では、元号・人物名・出来事の名称を正確に答えるだけでなく、「なぜその出来事が起きたか」「その結果どうなったか」を説明できる力が求められます。特に近世〜近代の政治・経済・外交の流れ(開国・明治維新・条約改正・産業発展・戦争)は、時代の流れとして整理してください。
公民:憲法・政治の仕組み 日本国憲法の三大原則(国民主権・基本的人権の尊重・平和主義)、改正手続き(各議院の出席議員の3分の2以上の賛成→国民投票での過半数の賛成)、三権分立の仕組みは正確に覚えてください。条文の正誤判定問題では、「帝国議会」「国民投票」など用語の正確な使い分けが問われます。
記述問題の対策 「地租改正がなぜ国の収入の安定につながるか」を40字以内で説明する問題のように、知識を論理的に文章化する練習が必要です。「〜だから、〜になる」という因果関係を明示した文章を書く練習を積んでください。キーワード(「地価」「現金」「米価の変動の影響を受けない」など)を含めることを意識しましょう。
つまずきやすいポイントと克服法
- カタカナ用語の表記ミス:「フードマイレージ」「ミニマム・アクセス」などは、中点(・)の有無や表記の細部まで正確に覚えてください。
- 歴史の「誤文選択」問題:正しそうに見える誤文が含まれているため、一つひとつの文を丁寧に検証する習慣が必要です。特に「〜は〜だった」という断定的な表現に注意しましょう。
- 地図・地形の特定:養殖業の盛んな地域と地形(リアス海岸など)の対応は、地図帳を使って視覚的に確認してください。地名と地形・産業の組み合わせを白地図に書き込む練習が効果的です。
4教科共通の学習指針
| 教科 | 配点 | 試験時間 | 出題傾向の特徴 |
|---|---|---|---|
| 国語 | — | — | 記述・抜き出し中心。論説文・物語文・知識問題・作文の4ブロック構成 |
| 算数 | — | — | 大問5題。連続型小問が多く、条件整理と計算精度が重要 |
| 理科 | — | — | 大問4題。正誤判定・長文穴埋め・計算問題の組み合わせ |
| 社会 | — | — | 大問6題。統計読み取り・年表・記述問題を含む地歴公混合型 |
4教科すべてに共通して言えるのは、「条件・資料を正確に読み取り、根拠を持って答える」力が問われているという点です。知識の暗記だけでは対応できない設問が多いため、「なぜそうなるのか」を説明できるレベルまで理解を深めることを目標にしてください。過去問演習では、答え合わせの後に「なぜ間違えたか」を分析し、同じミスを繰り返さない仕組みを作ることが最も重要な学習習慣です。
合格に向けた学習計画
🎯 要点: 久留米大学附設中学校の入試は4教科すべてで高い完成度が求められる難関校であり、早期からの体系的な学習計画が合否を分ける。 算数は大問5題構成で思考力・計算力の両方を問う問題が並び、国語は記述・抜き出し・選択と多彩な設問形式への対応が必要。 理科・社会も知識の暗記にとどまらず、資料読解や論述力が問われるため、各教科の特性に合わせた学習配分が重要。
試験の基本情報と全体像
久留米大学附設中学校の入試は、国語・算数・理科・社会の4教科で実施されます。2025年度の問題を分析すると、各教科とも「知っているだけでは解けない」設問が多く、思考力・表現力・読解力を総合的に試す構成になっています。
算数は大問5題で構成されており、計算問題から平面・立体図形、ニュートン算(牧場算)、数列の規則性、図形の移動まで幅広い分野を網羅しています。理科は天体・地層・植物・化学の各分野から大問4題が出題され、長文の実験考察問題が特徴的です。社会は地理・歴史・公民の各分野から出題され、資料読解と記述が求められます。国語は論説文・物語文・マンガ読解という3素材構成で、記述量が多い点が特徴です。
この試験で合格点を確保するには、「どの教科も穴を作らない」ことが大前提です。得意教科で稼いで苦手教科をカバーする戦略は通用しにくい試験です。以下の計画を参考に、バランスよく学力を積み上げてください。
早期(受験12〜6ヶ月前):基礎固めと苦手単元の洗い出し
この時期の目標は、「全教科の基礎を穴なく固めること」と「自分の弱点を正確に把握すること」の2点です。
算数(週あたり8〜10時間)
算数は得点差がつきやすい教科です。この時期は以下の単元を確実に仕上げてください。
- 計算力の強化:分数・小数の四則計算、逆算を毎日10〜15分継続する。ミスをゼロにする意識が大切です。
- 図形分野:平面図形(角度・面積)、立体図形(体積・切断)は久留米附設で頻出の分野です。特に立体の切断は、実際に手を動かして展開図を書く練習を週2〜3回取り入れてください。
- 割合・比・速さ:ニュートン算・旅人算・流水算などの特殊算も基礎から丁寧に学習します。
- 規則性・数列:数の規則を見つける問題は毎年出題される傾向があります。基本パターンを10種類以上習得しておきましょう。
国語(週あたり6〜8時間)
- 漢字・語句:2025年度の問題では漢字の総画数、熟語の構成、慣用句、擬態語、文法(助動詞の用法)が出題されています。語彙力は一朝一夕では身につかないため、毎日20〜30分を語彙学習に充てる習慣をつけてください。
- 論説文読解:筆者の主張と具体例の関係を正確に把握する練習を積みます。「前半で具体例を示し、後半で抽象化して論を展開する」という文章構造を意識した読み方を身につけましょう。
- 物語文読解:登場人物の心情変化を根拠とともに説明する練習が必要です。「なぜそう感じたのか」を本文の言葉を使って説明する習慣をつけてください。
理科(週あたり5〜6時間)
- 天体・地層・植物・化学の4分野をまんべんなく学習します。
- 実験の手順と目的を正確に理解することが重要です。「なぜその操作をするのか」を説明できるレベルまで理解を深めてください。
- 計算が絡む問題(化学の中和計算、物理の速さ計算など)は早期から練習を始めます。
社会(週あたり4〜5時間)
- 地理・歴史・公民の基礎知識を教科書レベルで確実に定着させます。
- 歴史は年表を使って時代の流れを把握することを優先してください。2025年度では兵庫の歴史や渋沢栄一の略年表を素材とした出題があり、出来事の前後関係を問う問題が多く見られます。
- 地理は地図と統計資料の読み取り練習を早期から始めてください。
中期(受験6〜3ヶ月前):過去問演習の開始と弱点補強
この時期は「実戦力の構築」が目標です。基礎が固まったら、本校の過去問に取り組み始めてください。
過去問演習の進め方
- 週1回、本番と同じ時間設定で1教科分を解く。解いた後は必ず「なぜ間違えたか」を分析し、弱点ノートに記録します。
- 算数は大問ごとに時間を計りながら解く練習をしてください。本校の算数は問題数が多く、時間配分の感覚を早めに養う必要があります。
教科別の重点課題
算数(週あたり10〜12時間)
- 立体図形の切断・展開図は必ず毎週1題以上解きます。2025年度では正三角形を組み合わせた立体(正四面体・正八面体相当の立体)の体積計算や展開図が出題されており、この種の問題への慣れが必要です。
- 図形の移動問題は、折れ線の通過領域を求める問題が出題されています。扇形の面積計算と組み合わせた問題を集中的に練習してください。
- ニュートン算(増減する量と処理速度の関係)は、連立方程式的な考え方を使いこなせるまで繰り返し練習します。
国語(週あたり7〜8時間)
- 記述問題の練習を本格化させます。「○字以内」という字数制限のある記述は、必要な情報を取捨選択する力が問われます。解答を書いたら必ず字数を数え、過不足なくまとめる練習をしてください。
- 文章の構造把握(前半・後半の関係、具体例と抽象論の対応)を意識した読解練習を週3回以上行います。
理科(週あたり6〜7時間)
- 実験考察問題の記述練習を始めます。「理由を答えよ」という問いに対して、条件・根拠・結論の順で答える形式を習慣化してください。
- 計算問題(中和反応の温度上昇計算、速さと回転数の関係など)は、数値の扱い方を含めて繰り返し練習します。
社会(週あたり5〜6時間)
- 地図・統計・年表などの資料読解問題を集中的に練習します。
- 記述問題(「〜字以内で説明せよ」)への対応力を養います。「なぜそうなるのか」を因果関係で説明する練習を週2〜3回行ってください。
直前期(受験3ヶ月前〜本番):実戦演習・時間配分・体調管理
実戦演習(週2〜3回の模擬試験形式)
- 4教科を本番と同じ順番・時間で解く「模擬本番」を週1〜2回実施します。
- 算数は大問5題の中で「確実に取れる問題」と「時間をかけるべき問題」を素早く見極める練習をしてください。難問に時間を使いすぎて基本問題を落とすのが最も避けるべきパターンです。
- 国語の記述は、解答を書いた後に「本文の根拠が明示されているか」「字数は適切か」を自己チェックする習慣をつけます。
弱点の最終確認(毎日30〜45分)
- 弱点ノートを見返し、繰り返し間違えている問題を重点的に復習します。
- 新しい問題に手を広げるよりも、既習内容の定着を優先してください。
時間配分の目安(本番当日)
- 算数:大問1(計算・基本問題)→ 大問2・3(特殊算・規則性)→ 大問4・5(図形)の順に取り組み、各大問の小問(1)(2)を確実に取ることを最優先にしてください。
- 国語:漢字・語句問題(大問一)を素早く済ませ、論説文・物語文の読解に時間を確保します。記述問題は後回しにせず、読み終えたらすぐに書き始める習慣をつけてください。
体調管理(直前1ヶ月)
- 毎日同じ時間に起床・就寝するリズムを作ります。本番当日と同じ時間帯に頭が最も働く状態を作ることが目標です。
- 試験会場への交通経路と所要時間を事前に確認し、当日の移動で余計なストレスを抱えないようにしてください。
優先順位のまとめ
| 時期 | 最優先教科 | 重点単元 |
|---|---|---|
| 早期(12〜6ヶ月前) | 算数・国語 | 計算力・図形基礎/漢字語彙・読解基礎 |
| 中期(6〜3ヶ月前) | 算数・理科 | 立体図形・特殊算/実験考察・計算問題 |
| 直前期(3ヶ月前〜) | 全教科均等 | 過去問演習・時間配分・弱点最終確認 |
久留米大学附設中学校は、「知識を使いこなす力」を問う試験です。暗記だけでなく、「なぜそうなるのか」を自分の言葉で説明できるレベルまで理解を深めることが、合格への最短ルートです。
塾講師から受験生へ
🎯 要点: 久留米大学附設中学校の入試は、4教科すべてで「考える力」を問う難関校です。 単なる知識の暗記では通用しない設問が多く、問題と正面から向き合う姿勢が求められます。 今から本物の思考力を鍛えることが、合格への最も確実な道です。
私はこれまで多くの受験生と一緒に久留米大学附設中学校の入試に向き合ってきました。毎年問題を分析するたびに感じることがあります。それは、「この学校は、本当に考える子どもを求めている」ということです。
2025年度の入試を見ても、その傾向は明確です。たとえば国語では、論説文・物語文・漢字知識・マンガを題材にした記述と、まったく異なる素材が並びます。しかもマンガの場面を読み取って150字以上200字以内で自分の言葉で説明するという設問があります。これは「読んで、考えて、自分の言葉にする」という力がなければ絶対に書けません。どこかで見た模範解答を丸暗記しても、まったく役に立たない設問です。
算数でも同じことが言えます。2025年度は大問5題構成で、遊園地の入場ゲートの問題、数列の操作、立体の切断と展開図、折れ線の移動と面積など、どれも「手順を自分で組み立てる」思考力が試されます。計算力だけでなく、問題の構造を見抜いて筋道を立てる力——これが附設の算数で差がつくポイントです。
理科は正誤判定・穴埋め・記述・グラフ作成と形式が多彩で、社会は地理・歴史・公民にわたる幅広い知識と、それを組み合わせて考える力が求められます。4教科すべてに共通しているのは、「知っているか」ではなく「わかっているか」を問うという姿勢です。
だから、正直に言います。この学校の合格は楽ではありません。過去問を初めて解いたとき、「こんな問題、解けるわけがない」と感じる受験生がほとんどです。それは当然のことです。附設の問題は、初めて見た瞬間にすらすら解けるようには作られていないのです。
でも、だからこそ伸びしろがあります。
大切なのは、わからなかった問題を「難しかった」で終わらせないことです。「なぜこの答えになるのか」「どう考えれば筋道が立つのか」を一問一問丁寧に追いかける習慣が、本物の思考力を育てます。国語の記述なら、「何を聞かれているのか」「本文のどこに根拠があるのか」を確認する。算数なら、解けなかった問題の解法を自分の手で再現してみる。この地道な繰り返しが、附設の入試で戦える力に変わっていきます。
もう一点、伝えておきたいことがあります。附設の問題は、知識と思考力が両方そろって初めて解けるように設計されています。社会の年表問題や理科の実験考察問題を見ればわかるように、基礎知識がしっかり入っていないと、そもそも考える土台に立てません。思考力の練習と基礎知識の定着を、車の両輪として進めてください。どちらか一方だけでは不十分です。
附設を目指すということは、日本でもトップクラスの難関に挑むということです。それだけの覚悟と準備が必要です。しかし、正しい方法で取り組めば、必ず力はつきます。一問一問と真剣に向き合い続けた先に、合格があります。
保護者の皆さまへ
🎯 要点: 久留米大学附設中学校の入試は4教科すべてで高い思考力・記述力が求められる、難関校型の試験です。 家庭でのサポートは「学習環境の整備」と「子どもの自律性を尊重した関わり方」の両立が鍵になります。 過去問演習は「答え合わせで終わらせない」使い方が、合格への最短ルートです。
この学校の入試が求めるもの
久留米大学附設中学校の入試は、4教科(国語・算数・理科・社会)すべてにおいて、単純な知識の再現ではなく、情報を読み解き、筋道を立てて考え、自分の言葉で表現する力を問う構成になっています。
国語では、論説文と物語文の読解に加え、漢字・語句・文法の知識問題、さらにマンガを題材にした記述問題(150字以上200字以内)まで出題されます。文章を読む速度と正確さ、そして自分の考えを文章にまとめる力が同時に試されます。算数は大問5題構成で、計算・場合の数・図形・規則性・速さなど多岐にわたる分野が出題され、複数のステップを経て解答に至る問題が中心です。理科は正誤判定・記述・計算・グラフ作成と出題形式が多彩で、社会も地理・歴史・公民にわたる幅広い知識と、資料を読み取って説明する力が求められます。
保護者の皆さまにまず知っていただきたいのは、この試験は「覚えた量」だけでは太刀打ちできないという点です。お子さまが「問題集を全部やった」「暗記はできている」と言っていても、それだけでは不十分な場合があります。知識を使いこなす練習、すなわち「考えて書く」経験の積み重ねが合否を分けます。
家庭でできる学習環境の整備
集中できる物理的な環境を整えることが、まず保護者にできる最も確実なサポートです。テレビやスマートフォンの通知が届かない学習スペース、適切な照明、決まった学習時間帯——こうした「当たり前」の環境が、実は長期的な学力の伸びに大きく影響します。
特に久留米大附設の入試では、国語の長文読解や算数の複数ステップ問題のように、一問にじっくり向き合う時間が必要な問題が多く出ます。「ながら勉強」や細切れの学習時間では、この種の問題に対応する思考体力が育ちません。まとまった集中時間(最低でも45〜60分単位)を確保できる日課を、できるだけ早い時期に習慣化してください。
また、読書習慣は国語力の底上げに直結します。論説文・物語文ともに文章量が多く、内容も抽象度が高いため、日常的に本を読んでいる子どもとそうでない子どもの間には、入試直前に埋めにくい差が生まれます。「読書の時間を確保する」ことも、立派な家庭サポートです。
声かけと子どもとの距離感
受験勉強が本格化すると、保護者の皆さまも焦りを感じる場面が増えてきます。「もっとやらないと間に合わない」「なぜこんな問題が解けないのか」——そうした感情は自然なものですが、それをそのままお子さまにぶつけることは避けてください。
久留米大附設の入試が求めるのは、自分で考え、判断し、表現できる子どもです。保護者が先回りして答えを教えたり、細かく管理しすぎたりすると、その力の育ちを妨げることになります。一方で、完全に放任して「塾に任せれば大丈夫」という姿勢も、家庭での学習習慣が崩れる原因になります。
理想的な距離感は、**「見守りながら、必要なときに話を聞く」**です。具体的には、次のような声かけが効果的です。
- 「今日の勉強、何が難しかった?」(内容への関心を示す)
- 「その問題、どう考えたの?」(思考プロセスを引き出す)
- 「うまくいかなかった問題があっても、それが一番の練習になるよ」(失敗を否定しない)
逆に避けたいのは、「なんでこんな問題が解けないの」「ライバルはもっとやっている」といった比較・叱責の言葉です。受験期の子どもは想像以上にプレッシャーを感じています。家庭が「安心できる場所」であることが、長丁場の受験勉強を支える土台になります。
過去問演習を家庭でどう活用するか
過去問は「実力を測るもの」ではなく、**「出題傾向を知り、弱点を特定するもの」**として使ってください。
まず、実際の試験時間を守って解かせることが大切です。国語・算数・理科・社会それぞれの試験時間を厳守し、本番に近い緊張感の中で取り組む経験を積ませてください。時間配分の感覚は、練習なしには身につきません。
次に、採点後の振り返りに最も時間をかけてください。どの分野で失点したか、なぜ間違えたか(知識不足なのか、読み違いなのか、計算ミスなのか)を分類することで、次に何を優先して学習すべきかが明確になります。
保護者の皆さまにお願いしたいのは、点数だけを見て一喜一憂しないことです。「60点だった」という結果よりも、「どこで何点落としたか」「どの種類のミスが多いか」を一緒に確認する習慣をつけてください。特に記述問題は、模範解答と照らし合わせながら「何が書けていて、何が足りなかったか」を言語化する作業が重要です。この作業は、お子さまだけでは難しい場合もあります。塾の先生に添削を依頼しながら、家庭でも「どう書けばよかったか」を一緒に考える時間を設けると効果的です。
また、過去問は一度解いて終わりにせず、間違えた問題を数週間後に再度解き直すことを習慣にしてください。解き直しで正解できるようになって初めて、その問題の力が身についたと言えます。
最後に
久留米大学附設中学校の入試は、確かに高い水準を求める試験です。しかし、その試験が問うているのは、詰め込んだ知識の量ではなく、考える力・表現する力・粘り強く取り組む姿勢です。これらは、日々の積み重ねによって必ず伸びます。
保護者の皆さまの役割は、お子さまが安心して学べる環境を整え、その成長を長い目で支えることです。焦らず、しかし着実に準備を進めていきましょう。
来年度入試の予想
🎯 要点: 2025年度の出題構造を踏まえると、2026年度も各教科の出題形式・難易度の基本的な枠組みは維持される可能性が高い。 教科ごとの頻出分野を押さえつつ、思考力・記述力を問う問題への対応が引き続き合否を左右する。 あくまで予想であり、実際の出題と異なる可能性があります。幅広い対策を怠らないことが最重要です。
国語
2025年度の国語は、漢字・語句の知識問題、論説文読解、物語文読解、そしてマンガを素材とした自由記述という、多様な形式で構成されていました。
来年度も同様に、漢字の知識(画数・熟語・慣用句・擬態語など)を問う小問群が出題される可能性が高いです。語句問題では単なる読み書きにとどまらず、意味の理解や文脈への当てはめが求められる形式が続くと見られます。
論説文読解では、筆者の主張の構造を正確に把握し、指定字数内で的確に説明する記述問題が中心となる傾向があります。本文全体の論理の流れを追いながら、抽象的な概念を具体例と結びつけて理解する練習を積んでおく必要があります。
物語文読解では、登場人物の心情変化や行動の意図を、本文の根拠に基づいて説明する問題が頻出です。選択肢問題も含まれますが、紛らわしい選択肢が多く、精読力が試されます。
自由記述(作文・意見文)形式の問題も継続して出題される可能性があります。150字〜200字程度の字数指定で、素材の内容を正確に読み取った上で自分の言葉でまとめる練習を重ねてください。
算数
2025年度は、計算・数の性質・場合の数・図形・速さ(ニュートン算)・規則性・立体図形・平面図形の移動など、幅広い分野から出題されました。大問5題構成で、試験時間・配点の枠組みは例年通りの形式です。
来年度も図形分野(平面・立体の両方)と数量分野(規則性・場合の数・割合・速さ)が並行して出題されると予想されます。特に立体図形では、切断・展開図・体積計算を組み合わせた複合問題が出題される傾向があり、空間把握力が不可欠です。
また、条件を段階的に読み解く思考力問題(ニュートン算のような設定問題)も継続して出題される可能性が高く、問題文を正確に読み取る力と、式を立てて整理する力の両方が求められます。
計算問題では分数・小数・整数の混合計算が出題されており、正確な計算力の維持は最低条件です。
理科
2025年度は、天体・地層・気象・植物(光合成)・物理(回転と見かけの動き)・化学(中和反応・溶解熱)という多岐にわたる分野から出題されました。正誤判定の小問群と、実験・観察の読解・計算問題が組み合わされた構成です。
来年度も生物・地学・物理・化学の4分野からバランスよく出題される形式が続くと予想されます。実験の手順・目的・結果を正確に読み取り、数値計算を伴う問題に対応できる力が必要です。
正誤判定問題では、細かい知識の正確さが問われるため、教科書レベルの用語・概念を曖昧なまま放置しないことが重要です。
社会
2025年度は、地理(食料・林業・工業・エネルギー)・歴史(兵庫津の通史・渋沢栄一)・公民(日本国憲法)という構成で、資料読解・記述・選択が組み合わさった出題でした。
来年度も地理・歴史・公民の3分野から総合的に出題される形式が維持されると予想されます。歴史では年表形式の出題や、複数時代にまたがるテーマ史が出題される傾向があります。地理では統計表・地図の読み取りを伴う問題が頻出です。記述問題では、40字程度で理由や背景を説明する力が求められます。
総括
以上はあくまで2025年度の出題傾向を踏まえた予想であり、実際の出題内容・形式・難易度は異なる可能性があります。特定の分野に偏った対策は危険であり、各教科の基礎を確実に固めた上で、思考力・記述力・資料読解力を総合的に鍛えることが、本校合格への最も確実な道筋です。予想に頼りすぎず、幅広い対策を継続してください。
よくある質問
- Q1. 久留米大学附設中学校の入試は何教科で、試験時間や配点はどうなっていますか?
- 2025年度入試は国語・算数・理科・社会の4教科で実施されました。問題用紙の枚数は国語が全4枚、算数が全3枚、理科が全4枚、社会が全5枚構成です。各教科とも解答用紙は別途配布され、解答用紙のみを提出する形式です。配点の詳細は非公表ですが、各教科ともボリュームが大きく、時間配分の練習が不可欠です。
- Q2. 国語ではどのような分野が出題されますか?
- 2025年度は、漢字の知識(画数・熟語・慣用句)、語句の用法(品詞・擬態語)、論説文の読解、物語文の読解、そしてマンガを題材にした自由記述という5つの大きなまとまりで構成されていました。読解問題では本文中からの抜き出し、指定字数内での記述、選択肢問題が混在しており、正確に本文を読み取る力と、自分の言葉で説明する記述力の両方が求められます。語句・漢字の知識問題も毎年出題されるため、日常的な語彙の積み上げが重要です。
- Q3. 算数はどのような問題構成で、どの分野を重点的に学べばよいですか?
- 2025年度は大問5題構成で、計算・場合の数・平面図形・立体図形・規則性・速さ(ニュートン算)・図形の移動など多岐にわたる分野から出題されました。特に立体図形(切断・体積・展開図)と、条件を整理して解く文章題は複数の大問にわたって登場しています。単純な公式の暗記だけでなく、条件を図や式に整理して論理的に解き進める力が必要です。円周率は3.14、角すいの体積公式など、問題冊子に明示された条件を正確に使いこなす練習も欠かせません。
- Q4. 理科・社会はどのような傾向がありますか?
- 理科は2025年度、天体・地層・気象・植物の光合成・化学(中和反応)・物理(回転と見かけの速さ)など幅広い分野から出題されました。正誤の組み合わせを選ぶ形式と、計算・記述・グラフ作成が混在しており、知識の正確さと応用力が同時に問われます。社会は地理・歴史・公民の3分野すべてから出題され、2025年度は食料問題・林業・エネルギー・歴史上の港町・渋沢栄一・日本国憲法など時事的な視点も含む幅広いテーマが扱われました。資料(表・地図・年表)を読み取って答える問題が多く、資料読解の練習が得点に直結します。
- Q5. 過去問はいつ頃から、どのように活用すればよいですか?
- 本校の入試は全教科とも問題量が多く、形式も多様です。小学6年生の夏以降に一度通しで解いて出題形式と時間感覚をつかみ、秋以降は弱点分野の補強と並行して複数年分を繰り返し解くのが効果的です。国語の記述問題は「何字以内」という字数制限が細かく設定されているため、制限内にまとめる練習を意識的に行ってください。算数は途中式を書く習慣をつけ、どこで間違えたかを毎回確認することが重要です。理科・社会は資料の読み取り問題に慣れるため、過去問以外にも統計資料や時事ニュースに日常的に触れることを勧めます。
- Q6. 保護者はどのようにサポートすればよいですか?
- 本校の入試は記述量が多く、自分の考えを文章にまとめる力が国語・社会・理科の全教科で問われます。家庭では子どもが「なぜそう思うか」を口頭で説明する習慣をつけさせると、記述力の底上げにつながります。また、算数の立体図形や理科の実験問題は、実物や模型を使って空間的なイメージを育てることが有効です。学習時間の管理については、4教科それぞれに均等に時間を割くのではなく、定期的に模試や過去問の結果をもとに弱点教科へ重点配分を調整する柔軟な計画が求められます。